それで私も保健室の出来事を思い出し、当時の疑問が全て解けた。

そっか、悠はお尻叩かれて悦ぶマゾなんだ…


まあ、それが高校の時のお仕置きに繋がるんだけど。

悠と佳織。
二人は今東京にいる。

私は芽依と地元の大学。
といっても自宅から通うには遠いので、それぞれ部屋を借りて一人暮らしだ。
自由気儘に学生生活を謳歌している。



男「奈津紀、いるか?」
ふいに部屋のチャイムと共に、聞き覚えのある声がした。


おっと、私の彼氏だ。

再会は高校二年の時。
街で一人で買い物をしている時に、偶然出会った。
最初は懐かしいと感じてお茶しただけだが、昔話しているうちに妙に盛り上がった。
で、時々会う事にした。

そして徐々に私は彼に惹かれていき、彼女がいない事が分かると恋人に立候補した。

男「馬鹿言うな、大人をからかうもんじゃないぞ。」

そうあっさり流された事で、私は意地になった。

確かに彼の言う通り、半分冗談のつもりだったが、半分は本気だった。

ムキになって、何とか彼の気を惹こうとしているうちに

私はすっかり恋に落ちた。

男「一時的なものだよ。」

そう言われた時は、さすがに涙を浮かべて自分の気持ちを伝えた。

彼は私の剣幕に驚き、すまん、と謝った。
そして、
「じゃあ、お前が高校卒業して、その時気持ちが変わらなければ付き合おう。」
と言ってくれた。


私は卒業式が終わると、早速彼を訪ねて、改めて告白した。

男「お前の気持ちはよく分かった。
よろしくな。」


そして交際して一年が経つ。



「今開けるよ~。」
私は玄関のドアを開けた。
男「もうすぐゴールデンウィークだな。」
彼はそう呟き、部屋へ上がる。

私は熱いお茶を出して、
「ねぇ、ご飯食べた?」
と聞いた。

すると彼は真顔になって、
「その前に奈津紀、今日の大学の講義、出たか?」
と問い返してきた。


サボったのがバレたのか?
それとも単なるかまかけか?

「うん、行ったよ。」

男「ほう、今日だけじゃなく、今週はずっと休んでるって聞いたけどな。」

私は固まった。
…誰から聞いたんだろう?

男「奈津紀、いつもの所、行くぞ。
支度しなさい。」

ええ~っ、それだけはご勘弁っ。

男「上目遣いにアヒル口して誤魔化そうとしても駄目だ。
ぐずぐずしてるとこの部屋でやるぞ。」

それはもっと嫌だぁ~。
私はしぶしぶ立ち上がった。


部屋を出ると、彼の車でラブホへと向かう。

そう、これから私は、彼にお尻叩きのお仕置きを受けるのだ。

わざわざラブホへ?と思うかも知れないけど、これは彼の労りでもある。
何故かと言えば、自分の部屋でやれば、隣の部屋に丸聞こえだからだ。
とはいえ、泣き声や懲擲音を気にしないで済むから、彼は容赦なく叩く。


ラブホの一室に入ると、彼は椅子に座り、私は床に正座する。

そして、彼は確認をまず行う。
「今週、大学休んだのは本当か?」

私はコクりと頷く。

するとここからお説教が始まる。
今回は最初に嘘の返事をしたから、彼の語気も荒く言葉も厳しい。

二十分程すると、いよいよ恐怖の時間帯がくる。

男「もう一度聞く、休んだ理由はバイトだな?」

「はい…」

男「なあ、最初に言っただろ?
お前が学生でいる内は、交際費は俺が出すって。

それとも何か欲しいものでもあったのか?」

私は頷いた。

男「だったら、何故俺に言わん。
お前は学生なんだから、勉強を一にしろ。」

そう、それは私達の交際時の決まり事だ。
しかし彼に甘えるだけというのが心苦しい。
まして今回の欲しいものとは、彼には絶対言えないものだ。

男「何が欲しかったんだ?」

私は沈黙した。

男「言えないのか?
俺に言えないものが欲しかったのか?」

私は頷いた。

男「分かった。
じゃあ、お仕置きにはいるぞ。
奈津紀、着ている物を全部脱げ。」


彼がこう言うだろうとは、想像出来た。

全裸でお仕置き。
それは私が隠し事をしたり、自分の非を認めない時に行われる、一番厳しい罰だ。

先ずは浣腸され、少なくとも五分間は我慢させられる。
その後、トイレで排泄したら、彼にお尻を洗われる。
そしてベッドで、まんぐり返しという、とてつもなく羞恥を伴う姿勢をとらされ、平手やケインでお尻を叩かれる。


理由を話せば、膝の上で平手打ちだけで済むだろう。
しかし重ねて言うが、何が欲しいのかは、絶対言う訳にいかない。


男「奈津紀っ、今日は今までで一番厳しくするからなっ!」

ひぇ~、鬼がいる~。

私はゆっくりブラウスのボタンを外しに掛かった。
脱衣中、彼は身動ぎ一つせずに此方を見つめている。