「せっ、先生っ、そ…それだけは許じてくらさいぃっ!
も、もう悪い事じまぜんからぁっ!」

しかし先生は聞く耳持たずとばかり、私のパンツに手を掛けた。

あっという間もない。
そのまま膝下まで下ろされる。

下半身を覆うものが無くなり、お尻が丸出しにされた実感がはっきりと伝わってくる。
もう、余りのショックに頭の中は真っ白だ。
私に出来る事は、せめてもの慎みとばかりに両足を閉じる事だけだ。


先生「今度は暴れなかったな。
よしよし、この小さなお尻でしっかりと反省するんだぞ。」

パチィン!

「ひぐっ…!
いや…いやぁっ…!」

パチィン!

「いっつっ…!
ヒック…ぜんぜぃ、許ちで…」

剥き出しのお尻に走る痛みは、徐々に私の羞恥心を奪っていく。
知らず知らずに両足は泳ぎ出し、お尻を左右にくねらせる。

それでも、自分で十くらいまでは数える余裕があった。
しかしその後は、痛みと恐怖でどれ程叩かれたか記憶がない。


ただ途中、先生の声が聞こえた。
「よし、川内、後十発で終わりだ。
頑張れよ。」

お仕置きの終わりが見えた安堵により、私は僅かながら蘇生した。

パチィン!

「くうぅっ…、ぜ、ぜんぜぇっ、ご、ごべんなざいぃっ…!」

斎藤「おっ、反省の言葉も、自分からちゃんと言えるようになったな。」

パチィン!

「ひぐうっ…、わだちは悪い子でちたぁ…!」

斎藤「いいぞ川内、そう、お前は悪い子だったぞ。」
パチィン!

「いいぃっ…!
も、もうあんなごと…じまぜんっ…」

斎藤「そうだ、二度とあんなイタズラはするなよっ。」


私の反省の言葉と、先生の相槌は、お尻を叩く音と共に繰り返される。
そして漸く最後の一打となった。

パチィン!

「ひっぐううぅっ…!
ぜ…ぜんぜぃ、おじおぎっ…ありばどう、ぼざいまちたっ!」

斎藤「川内っ、よく反省したなっ!
よしよし、お仕置きは終わりだ。」
先生は、その言葉と共に私を抱き起こす。
そしてハンカチを取り出すと、私の涙を優しく拭ってくれた。


先生の優しい態度に、改めてお仕置きの終わりを実感した。
とても長いようだったが、時計を見ると、十分経ったくらいでしかない。

しかしその十分間に、私は情けない姿となり、先生に裸のお尻を打たれた。
そして両足をばたつかせ、お尻を振ったという自覚が、巨大な羞恥と屈辱を呼び起こした。

私は先生の膝から退くと、慌ててパンツを穿いた。

きっと、お尻の穴や、大事なところも見られたに違いない…
そう思うと、新たな涙が頬を濡らす。

斎藤「川内、痛むか?
よし、ちょっと待ってろ。」
何を思ったのか、先生はそう言い残して説教部屋から出ていった。


一人残った部屋で、私はお仕置きされた事を思い耽る。

事実を誤魔化さなければならなかった無念。

誰が悪い?

芽依?悠?
はたまた先生?
それとも私?

いや、あの妖怪金ごんであろう!
受けた恥辱は怒りへと変わり、私は報復を決意した。


五時間目の授業終了のチャイムが鳴る。
私は、先生が持ってきた軟膏によるお尻への塗布を拒否し、泣き張らした顔そのままで教室へ戻った。
その際、メモの内容は先生の胸にしまっておく事を、約束してもらった。


教室に帰ると、クラス中、大変な騒ぎになっていた。

芽依「たからぁ、何でもないったらっ!」

男子「何でもなくて自習になるかよっ。
なあ、何が書いてあったんだ?」

芽依に複数の男子が纏わり付き、他のクラスメートも成り行きを傍観している。
メモの内容が原因であることは間違いないだろう。

そこへ私が戻って来たのだから、今度は此方へと人が集まり始めた。

「奈津紀っ、お前何やったんだよっ?」
「なんだよ、泣くほど怒られたのか?
教えろよっ。」

等と、次々に質問が投げ掛けられる。

「…金ごんと先生の悪口を書いただけ。
そして説教されてたのっ!」
勿論嘘だ。

とてもじゃないが、メモの内容や、ましてお尻叩かれたなど言える筈がない。

何はともあれ、私のその回答に人だかりが消えていく。
そのつまらなそうな顔は、何を期待していたのか私には知るよしもない。

が、尚もしつこく聞いてくるバカもいる。
「悪口ってどんなだよ?
教えろよ~。」

「斎藤先生と金ごんはお似合いって書いたら、すごく怒られたのっ!
もう、いいでしょっ!」
面倒くさそうに言い放つと、バカは納得したのか笑いながら去っていった。

すると、バカと入れ違いに芽依がきた。
「奈津紀っ、ホンッとゴメンっ!
怒られたんだよね?
私のせいでゴメンねっ。」

平謝りに謝る芽依に、私は芽依のせいじゃない、と慰めた。
「芽依、学校終わって話があるけどいい?」

そう、やられっぱなしじゃ終われねぇ、待ってろ妖怪っ!