何故こうなったのか…


妖怪の悪事を隠さざるを得なくなり、それが為に悪し様に罵られ、ついにはお仕置きされようとしている。

もう、震えながら悔し涙に暮れるばかりだが、先生は眉一つ動かさない。
私を赦すつもりが無いのは明白だろう。

また、仮にこの場を凌げても、更なる大敵である化け物が控えている。
最早ここでお仕置きを受ける以外、選択は無いだろう。


私はゆっくり立ち上がると、先生へと近付く。

「川内、ちょっと待ちなさい。」
ふと先生が待ったをかけてくれた。

え?もしかして許してくれるの?
私はホッとすると共に、先生を拝みたい気持ちになった。

が、先生の次の言葉は、私を更なる屈辱へと突き落とすものだった。

斎藤「川内、私からのお仕置きを選ぶというなら、自分からちゃんとお願いしなさい。」

余りのショックに目眩がする。
ただお仕置きされるってだけでもあり得ない屈辱なのに、それをお願いするなどとは到底口にできる筈がない。
「ぐすっ…む、無理でずぅ…。」
辛うじてそれだけが言えた。

斎藤「なあ川内、悪いと思ったから私のお仕置きを受けるんだろ?
それとも金田先生にするか?」

まるでパブロフの犬だ。
金ごんの名前が出るだけで、私は恐怖に竦み上がってしまう。
「えぐっ…ぜんぜぃ…おじおきっ、お願いじばずっ…」

やはりこう言わざるを得ない。
が、先生は非情にもやり直しを命じた。
「ダメだ、やり直し。
心がこもってない。」

私の涙は止めどなく頬を伝う。
嗚咽しながら再度述べるが、先生は言葉に捕捉、修正を入れ、やり直しを命ずる。

それを繰り返す事五回。

「わだじ、かわうぢなづきは、ヒック…金田ぜんぜぇと…みじまぐんを侮辱した上、ヒック…イヤらしいはなじを創ってクラスに広めようどじまちた…
ざいどうぜんぜぃ…おじり叩ぎのおじおぎで…ヒック、じっかりはんぜいさせてぐだざい…。」

「よし、いいだろうっ!
川内、私の膝に来なさい。」
先生は正座し直すと、自身の膝をポンと叩いた。

言葉責めの羞恥に晒されていた私は、倒れるようにその膝へ身を任せた。

なんとも情けない姿であろう。
今なら悠の心中もよく分かる。

膨らみ始めた胸が先生の太ももに当たる。
それが嫌で身体を動かそうとした。

すると先生は左手で、私を動けないようしっかり固定した。

「よし、そしたら先ずはパンツの上からな。」
先生はそう言うと、スカートを目一杯捲り上げた。

私の下半身に冷んやりとした外気が触れる。
小学生とはいえ、異性の大人にパンツを見られるのは、やはり恥ずかしい。

ささやかな抵抗として、私は足を端つかせた。

斎藤「こら川内、ジタバタするなっ。
お仕置きが厳しくなってもいいのかっ。」
その言葉と共に、先生の左手は私の腰から右脇へと移動した。
更に抱えるように手を回すので、私の右の胸は鷲掴みされてしまった。

ちょっとぉっ、どさくさ紛れに何処触ってんの先生っ!?

斎藤「動くな、と言ったろうっ!
たかがパンツ見られたくらいで恥ずかしがるなっ!」

パンツじゃないっ、胸っ、私の胸を触ってるからだよっ!

斎藤「ではお仕置きを始めるが、一回叩かれる毎に『先生、お仕置きありがとうございます』と言いなさい。」

私は驚いた。
この先生、どこまで羞恥プレイ好きなんだ!?

「ヒック…あい…分かりまちた…」
が、私は素直に返事をするしかない。


ぱぁんっ!

「くぅっ…、ぜ、ぜんぜぇ、おじおきっ…ありがとうございまずっ!」

ぱぁんっ!

「ひぐっ…、グスッ、先生っお仕置ぎ…ありがとうございますっ…」

パンツの上からとはいえ、若い男の先生からの平手打ちは痛い。
私の涙は羞恥や屈辱から、痛みによるものに変わっていく。

十発ほど叩かれた時、先生が声を掛けてきた。
「川内っ、痛いか?」

当たり前の質問に、私も当たり前の答えで返す。
「あい…いたいれす…」

斎藤「そうか、それは良かった。
痛くないとお仕置きにならないからな。」

ちっとも良くないっ!

斎藤「よし、私からのお仕置きは終わりだ。」

「せ、先生っ、ありがとうございますぅ…!」
終わりと聞いて、私は思わず先生にお礼を言った。
厳しくするとは言っていたが、どうやら脅しだったようだ。

が、先生の次の言葉は、私を奈落の底へ突き落とすレベルだった。

斎藤「川内、まだお礼は早い。
侮辱された金田先生と三島、授業を受けられなかったクラスの分が残っている。」

はあっ!?

斎藤「今からパンツ下ろしてお尻叩きだ。
さっきより痛いからな、覚悟して受けろ。」

この先生、人を辱しめるのが本当に上手いっ!

などと感心してる場合じゃない。
私は暴れながら、必死に謝罪を繰返した。