それにより私は、悠の頭を見下ろす位置となる。


金田「三島君、最後にもう一度聞くけど、女子の測定、覗いたわよね?」


「ち、違いますっ!
先生っ、信じてくださいっ!
僕は覗いてなんかいませんんっ!」
妖怪の問いに、悠は先程までとはうって変わったように必死に抗い、否定した。
まるで今から何が始まるのかが、分かったかのようだ。


悠の答えに、妖怪は怪しい笑みを浮かべた。

ように私には見えた。

金田「分かったわ。
後は君のお尻に聞くわね。」
妖怪は悠の腕を捻り、左手で固定した。
そして右手で悠のパンツに手を掛けると、あっさりと脱がした。

私は驚くどころじゃない。
何といっても、目の前で可愛い男の子が素っ裸にされたのだ。
そしてその綺麗なお尻とシチュエーションに、私は言い知れぬ興奮に包まれた。

悠「嫌だ嫌だ嫌だぁっ!
せ、先生っ、止めてくださいぃっ!」

悠の反応は尤もである。
同級生の女子である私達の前で全裸に剥かれたのだ。
その羞恥と屈辱はハンパないだろう。


金ごんは、悠の白く柔らかそうなお尻を撫で回している。
「三島君、あまり大声出すと人が来るわよ。
ま、私はそれでも構わないけどね。」
そう警告すると、悠のお尻を叩き始めた。

パチィッ!

悠「うぐぅっ!
…せ、先生、止めて…」

パチィッ!

悠「ひぐうっ!
いっ、いたいっ…!」

私は体中の血液が逆流するほどの衝撃を受けた。
これは俗にいう、お尻ぺんぺんのお仕置きではないか!

そして、羞恥と痛みで体をくねらせ抵抗する悠に、私は完全に魅入られてしまった。

金田「ホラ、覗いたと白状なさい。」

パチィッ!

悠「ううっ!
違いまず…ぼ、僕見てまぜんっ…」

金田「そう…まだ正直になれないのね。」

バチィッ!

悠「あぐうっ…!
ヒック…僕は見てまぜん…ヒック」

悠は、赤くなっていくお尻を振りながら、涙と鼻水にまみれた顔で否定を繰り返す。

可哀想と思う反面、その泣き顔が可愛く感じる。
助けてあげたいと思う反面、もっと見ていたい衝動に駈られる。

妖怪の懲擲は激しさを増し、悠が必死で堪える悲鳴と泣き声を大きくしていった。


金田「三島君は往生際が悪いわね~。
これだけ叩いても白状しないなんて…。

もっと辛いお仕置きが必要かしら?」
そう呟く妖怪の唇辺には、酷薄な笑みが浮かんでいた。

どうやら私の思い過ごしではなく、悠をお仕置きするのを楽しんでいるのは間違い無さそうだ。


金ごんは手を止め、私達へと視線を向ける。
「皆さん、三島君はあなた達の身体測定を覗き見したのよ。
でも三島君はそれを隠し通そうとしてるわ。」

金ごんの言葉に、四人は困惑した。
私もだけど、彼女らも何の根拠があってそう言い切れるのか分からなそうだ。

金田「でね、先生も叩き疲れたから、あなた達に手伝ってほしいの。
誰か三島君をお仕置きしてくれない?」

金田先生っ、それなら私に声を掛けてくださいっ!

すると悠がその言葉に反応する。
「ぜ、ぜんぜぇ…、待ってぐださい…
ぼ、僕が嘘をついてまじだっ…
覗いて…ずみばぜんでじた…。」
悔しそうに呟くその顔には、もはや金ごんの主張を肯定せざるを得ないと覚った感がなくもない。

彼からすれば濡れ衣であるかも知れない。
しかし同級生からお仕置きされるとならば、罪を認めて、この羞恥から逃れたいところなのだろう。


金ごんはドヤ顔で悠を見下ろしながら、
「やっと正直になったわね。
じゃあ、女子からのお仕置きは勘弁してあげるわ。
その代わり…
嘘をついた罰として二十回、定規でお尻叩くわね。」
そう宣告すると、私に定規とタオルを取ってくるよう指示した。

そこで私は保健医の机の引き出しからプラスチックの定規、棚からタオルを取り、妖怪へと渡す。

それを嬉しそうに受けとると、妖怪は悠に念を押した。
「最後二十発、三島君受けられるわね?」

悠は屈辱に顔を歪めながらも、小さく「はい…」と答えた。
覗きを認めさせられた挙げ句、厳しい体罰は終わる事がない。
さぞかし不本意であろう。


金ごんは悠の口にタオルを噛ませ、その両端を頭の後ろで結んだ。
「定規は痛いからね。
あまり大声を出されても迷惑だから縛っとくね。」

何て自己中なヤツ…。
そもそもこれが冤罪でないとはいえないのに…。

そして妖怪の笑みは露骨に現れている。
児童を泣き喚かせて悦ぶその性格に、私も改めてこの生物が怖くなった。

一方で、悠の怯える様も尋常ではない。
大きな瞳から止めどなく涙を流し、眉間に針を立てて震えている。

金田「三島君、口は塞いだから、泣き喚きたいなら遠慮なく泣き喚いていいわよ。
じゃあ、いくわね。」

バチィ!

悠「んふうぅっ!」