法曹を目指す場合、法科大学院に通って司法試験を受験するのが一般的です。
そして、法科大学院を選ぶ際に一番重要なファクターとなるのが司法試験合格者数・合格率です。
本コラムでは、これから法科大学院を目指す方に向けて、法科大学院別の司法試験の合格率・合格者数をランキング形式でご紹介!
既修と未修による違いも併せて解説していきます。
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目次
法科大学院の司法試験合格率・合格者数ランキング
文部科学省によると、日本では現在35の法科大学院が学生を新規募集しています。
以下に、令和3年(2021年)司法試験における各法科大学院毎の合格率を表にまとめてみましたのでご覧ください。
※合格者数が0人の法科大学院については記載しておりません。
法科大学院 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
愛知大学 | 3 | 2 | 66.7% |
京都大学 | 185 | 114 | 61.6% |
一橋大学 | 110 | 64 | 58.2% |
慶応義塾大学 | 227 | 125 | 55.1% |
東北大学 | 39 | 20 | 51.3% |
東洋大学 | 2 | 1 | 50.0% |
山梨学院大学 | 4 | 2 | 50.0% |
早稲田大学 | 231 | 115 | 49.8% |
岡山大学 | 33 | 16 | 48.5% |
東京大学 | 199 | 96 | 48.2% |
名古屋大学 | 55 | 25 | 45.5% |
神戸大学 | 113 | 47 | 41.6% |
大阪大学 | 115 | 47 | 40.9% |
獨協大学 | 5 | 2 | 40.0% |
同志社大学 | 110 | 39 | 35.5% |
中央大学 | 261 | 83 | 31.8% |
筑波大学 | 60 | 19 | 31.7% |
創価大学 | 39 | 12 | 30.8% |
首都大東京大学 | 81 | 24 | 29.6% |
関西学院大学 | 34 | 10 | 29.4% |
九州大学 | 58 | 17 | 29.3% |
専修大学 | 36 | 10 | 27.8% |
北海道大学 | 67 | 17 | 25.4% |
関東学院大学 | 4 | 1 | 25.0% |
広島大学 | 24 | 6 | 25.0% |
日本大学 | 71 | 17 | 23.9% |
金沢大学 | 18 | 4 | 22.2% |
明治大学 | 102 | 22 | 21.6% |
甲南大学 | 33 | 7 | 21.2% |
神奈川大学 | 5 | 1 | 20.0% |
立命館大学 | 78 | 15 | 19.2% |
大阪市立大学 | 43 | 8 | 18.6% |
横浜国立大学 | 29 | 5 | 17.2% |
南山大学 | 12 | 2 | 16.7% |
青山学院大学 | 19 | 3 | 15.8% |
熊本大学 | 13 | 2 | 15.4% |
法政大学 | 55 | 8 | 14.5% |
北海学園大学 | 7 | 1 | 14.3% |
学習院大学 | 38 | 5 | 13.2% |
福岡大学 | 23 | 3 | 13.0% |
関西大学 | 51 | 6 | 11.8% |
上智大学 | 60 | 7 | 11.7% |
西南学院大学 | 19 | 2 | 10.5% |
立教大学 | 29 | 3 | 10.3% |
桐蔭横浜大学 | 25 | 2 | 8.0% |
琉球大学 | 26 | 2 | 7.7% |
駒澤大学 | 28 | 2 | 7.1% |
近畿大学 | 15 | 1 | 6.7% |
大東文化大学 | 15 | 1 | 6.7% |
千葉大大学 | 50 | 3 | 6.0% |
成蹊大学 | 18 | 1 | 5.6% |
※参考:司法試験の結果について
上記の表を見ると、合格者数が10名以上で合格率が50%を超える法科大学院は、「京都大学・一橋大学・慶應義塾大学・東北大学」の4校のみ。
法科大学院全体における平均合格率は34.6%と低迷している状況です。
予備試験合格者の司法試験合格率が約9割程度なのに対し、法科大学院の中で合格率の高い京都大学ロースクールでさえ合格率は6割程度にとどまります。
そして、ほとんどのロースクールは、合格率が3割以下です。
これらのことから、司法試験が超難関試験と呼ばれる所以がお分かりいただけるのではないでしょうか。
なぜこのような数値になってしまうのか、考えられる理由は以下の2つです。
①既修未修の区別をしていないから
②ロースクール入試のレベルに大きな違いがあるから
まず、既修者と未修者ではスタートラインが大きく異なります。
当然ですが司法試験は既修者コース修了者の方が受かりやすいです。
事実、既修のみに限ると、法科大学院全体における平均合格率は45.4%と上昇します。
したがって既修者の方はそこまで悲観する必要はありません。
次に、合格率40~60%を誇るいわゆる上位ローは入試の難易度が高いため、そもそも入学者のレベルが高いということがいえます。
そして、かかるレベルの違いが合格率にも反映されています。
したがって、司法試験に確実に合格したいのならば、できるだけ上位ローを狙うことが重要です。
法科大学院の既修・未修による合格率の違い
法科大学院出身者の未修・既修別の司法試験合格率は以下の通りです。
既修合格率 | 未修合格率 | |
---|---|---|
令和3年 | 45.4% | 18.2% |
令和2年 | 43.7% | 17.6% |
令和元年 | 40.0% | 15.6% |
平成30年 | 33.2% | 15.5% |
平成29年 | 32.7% | 12.1% |
平成28年 | 30.7% | 11.6% |
平成27年 | 32.3% | 12.6% |
既修者の合格率がおおむね30%~40%前後で推移しているのに対して、未修者の合格率は10%代で推移しており、大きな差があることが分かります。
そもそも既修者は学部で法律を4年間学んでいるのに対し、未修者は他学部卒業者や社会人がほとんどなため、このように差が生まれるのは当然なのかもしれません。
とは言え、既修コースの合格率も法科大学院によってまちまちです。
未修者コースでも、一部の上位ローは30%前後の合格率を毎年維持しています。
もちろん、合格率の高さだけですべてが決まるというわけではありませんが、それぞれの法科大学院で合格率に大きく差があることは知っておくべきでしょう。
※関連コラム:法科大学院(ロースクール)入試の難易度を倍率と合格率から分析!
上位ローについて
京都大学法科大学院
合格率60%を超える実績を持つ超一流ロースクールです。
京都大学ロースクールは、多様性・開放性をポリシーとしており、多様なバックグラウンドを持つ受験生を広く受け入れています。
※関連コラム:京都大学法科大学院の特徴・入試情報
一橋大学法科大学院
東京大学ロースクールが毎年既修未修合わせて200名以上を募集するのに対し、一橋大学ロースクールは85名程度しか募集しません。
にもかかわらず、例年高い合格水準を誇っている、非常にレベルの高いロースクールです。
すなわち、一橋ローでは少数精鋭でレベルの高い学問研究を行うことが出来るといえます。
また、一橋大学法科大学院では、第一次選抜がTOEICのスコア評価なので、あらかじめハイスコアを取得しておく必要があります。
※関連コラム:一橋大学法科大学院の特徴・入試情報
東京大学法科大学院
いわずと知れた超名門ロースクールです。
第一線で活躍する実務家・研究者の下で最先端の学問研究をすることができます。
また、国際的なカリキュラムも充実しています。
※関連コラム:東京大学法科大学院の特徴・入試情報
慶応大学法科大学院
合格率50%を超える唯一の私立大学のロースクールです。
司法試験合格という目的に特化した少人数の演習科目が充実している点が最大の魅力。
その教育の成果として、近年合格者数を着実に伸ばしています。
多様なコース展開や豊かな蔵書数も魅力です。
※関連コラム:慶應義塾大学法科大学院の特徴・入試情報
中央大学法科大学院
「法科の中央」と呼ばれるほど、法曹の養成に力をいれてきた伝統ある大学です。
ゆえに、法曹のOBOGも数多くいます。
また、中央大学ロースクールの大きな特徴として、奨学金が充実していることがあげられます。
コストを抑えて質の高い学問研究を行うことが出来るでしょう。
※関連コラム:中央大学法科大学院の特徴・入試情報
早稲田大学法科大学院
早稲田大学ロースクールでは、自習室を24時間利用できるのが大きな特徴です。
また、チューターやアカデミックアドバイザーなどの若手弁護士による学習サポート制度も充実しています。
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