死亡の妻ら7人書類送検 海岸の落とし穴転落死
石川県の海岸で8月、金沢市の会社員、出村裕樹さん(当時23)夫婦が落とし穴に誤って転落、死亡した事故で、県警津幡署は13日、重過失致死と海岸法違反の疑いで、落とし穴を発案したとされる妻(同23)と、一緒に穴を掘った友人の男女6人を書類送検した。
同署は、事情聴取や人形を使った実況見分を重ねる一方「過失をどう捉えるのか難しい」(捜査関係者)として金沢地検と協議。友人らが「パラパラと穴の砂が崩れて危ないと思った」と説明したことや結果の重大性から、重過失致死容疑での立件が可能と判断した。
ただ、妻が誕生日を迎える出村さんを驚かせようとした行為だったことを考慮、書類送検に当たっての意見では厳罰を求めていないという。
同署によると、書類送検されたのは中学時代の同級生ら、いずれも20代の男性5人、女性1人。
容疑は8月27日、かほく市の砂浜で深さ約2.3メートル、直径約1.8メートルの穴を掘り、砂が崩れる恐れがあるのに、すぐ救助できる程度の深さにとどめるべき注意義務を怠り、出村さんを転落させた上、崩落した砂に埋没させ、窒息死させた疑い。
また、県知事の許可なく深さ1.5メートル超の穴を掘った疑い。穴の底にはマット数枚が敷かれ、約6畳のブルーシートで上を覆い砂をかけていた。〔共同〕