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実は結構いる貯金ゼロの人…お金を貯めたい人への3つのヒント
貯金はいざというときに、自分を助けてくれたり、選択肢を増やしてくれるものです。ですが、毎日の生活費をやりくりするのに精いっぱいで、なかなか貯金ができないなぁ・・・という人もいるのではないでしょうか?では、なぜ貯金ができないのでしょうか?
今回は「貯金ゼロ」だけどお金を貯めたい人に役立つ、3つのヒントをご紹介します。
「貯金ゼロ」の人はどれぐらいいるの?
まずはどのくらいの人が「貯金ゼロ」なのかを見ていきましょう。
金融広報中央委員会(知るぽると)が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査」では、全国の「2人以上の世帯」(約8,000世帯)と「単身世帯」(約2,500世帯)の貯金額をそれぞれ調査しています。2019年の調査結果によると、金融資産(※)を保有していない「貯金ゼロ」の世帯の割合は次のようになりました。
「貯金ゼロ」の世帯の割合
- 2人以上の世帯:23.6%
- 単身の世帯:38.0%
- 運用目的や将来に備えて蓄えているお金。預貯金でも日常的な出し入れや引き落としに使っているもの、事業用のものは除く。
このように、2人以上の世帯では約4世帯に1世帯が「貯金ゼロ」。単身の世帯では約3世帯に1世帯が「貯金ゼロ」という状態です。貯金ゼロの人は少数派ということがわかります。
では、ここからは具体的なヒントを見てきましょう。
ヒント1:まずは、自分に必要な貯蓄額を把握してみる
一般的な貯蓄額はどれぐらいあるの?
2019年の「家計の金融行動に関する世論調査」では、一般的な貯蓄額(※)も明らかになっています。2人以上の世帯と単身の世帯、それぞれの一般的な貯蓄額は次のとおりです。
一般的な貯蓄額
- 2人以上の世帯:419万円
- 単身の世帯:45万円
2人以上の世帯と単身の世帯では、一般的な貯蓄額に大きな開きがありますね。これは貯金ゼロの世帯も含んで計算されており、単身世帯は貯金ゼロ世帯の比率が高いことが影響しています。
- 平均値の計算では、貯蓄が非常に多い一部の世帯が平均値を引き上げ、必ずしも実態に合った金額にならないため、調査対象になった世帯の平均値ではなく中央値(調査対象になった世帯の貯蓄額を順番に並べた、ちょうど真ん中にあたる世帯の貯蓄額)を表す。
自分に必要な貯蓄額はいくら?
ここまで、貯金のない人の割合と、一般的な貯蓄額について確認しました。では、自分自身の必要な貯金額について考えてみましょう。使用する目的があれば、それに合わせて、目標額を決めるとよいですが、そういった目的が今特にない場合は、いざという時のためにどれぐらいの金額を貯蓄する必要があるのか、見ていきましょう。
目安としては、生活費の3ヵ月分~半年分を貯めるようにするといいでしょう。例えば、転職活動などしばらく仕事を離れる状況が起きたとき、その間の生活を維持することができます。そのほか、急な出費として友人の結婚祝いや、電化製品の故障などが発生した際も安心です。金額にすると、例えば単身世帯なら50万円程度、2人以上の世帯なら100万円程度は貯めるようにするといいでしょう。まずは、お金を貯める習慣をつけることが大切です。月々3,000円くらいから始めてください。それができれば、段階的に貯める金額をより大きくできるようになります。
ヒント2:なぜ貯金ができないのかを探ってみる
「貯金ゼロ」の人は、なぜなかなか貯金ができないのでしょうか。もちろん人によって、いろいろな理由が考えられますが、ここでは、貯金ができない理由としてよくあるものを挙げてみます。自分自身にあてはまるものがないか、チェックしてみてください。
将来について具体的な計画を立てられていない
2019年の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果からは、貯金がない人ほど生活設計を立てていないという傾向が読み取れます。
毎日の生活が忙しいと、今後について考える余裕はないかもしれません。貯金するには、自分や家族の将来をイメージし、具体的に、かつ時間軸で計画することが大切です。自分や家族がどういった生活を送っていたいのかを描けていなければ、お金を貯め始めても途中で挫折してしまう可能性があります。
万が一の事態を自分のこととして考えていない
自分も家族も元気な時は、病気やケガをすることを意識しにくいかもしれません。ですが、レジャー中にケガをしたり、災害や事故に遭ったりする可能性は誰にでもあります。「自分には起こらないだろう」と過信するのは禁物です。
常に「何とかなる」と楽観視してしまう
常に「何とかなる」とポジティブに考えることは、精神的に良いことです。しかし、お金についていえば特に、裏付けのない楽観は禁物です。貯金がないのに「何とかなる」と楽観視していると、万が一のことが起こったときに身動きが取れなくなってしまう可能性もあります。
お金の使い方にメリハリがない
貯金がゼロなのは年収の多い少ないとは関係ないといわれています。年収が多くても、お金があればあるだけ使ってしまえば、なかなか貯金はできません。必要なものとそうでないものを区別し、上手なお金の使い方を心がけることが大切です。
お金のことを常に後回しにしている
お金について考えることを、後回しにしてしまう人も少なくありません。
例えばスマホのパケット料金プランを、実際の使い方に合ったものに変えてみる。格安スマホに替えてみる。それだけで、1ヵ月あたり数千円が節約でき、1年になると数万円を浮かせることができます。これは、生命保険や医療保険も同じですね。
忙しいとなかなか着手できないということもあると思いますが、ぜひ思い当たることがある場合はやってみることをおすすめします。
ヒント3:貯金があると安心できるケースを考える
次にどういう場面で貯金があると安心できるのかを考えてみましょう。「貯金があって良かった」と思えるシーンを具体的にイメージできれば、貯金する意欲がわいてくるはずです。
転職をするとき
自分のスキルアップのため、またはキャリアのステップアップのため、と現在では、転職も珍しいものではありません。退職してから再就職までの間は、走ってきた速度をゆるめて、やりたかったことをやったり、行きたかったところに行ったりと、少し余裕をもって過ごせるとベストですよね。そう言うゆとりある時間を過ごすためにも当面の生活費として貯蓄があると安心できます。
もちろん雇用保険に入っていれば、退職して失業中の場合は、雇用保険が適用され給付金を受け取ることができます。パートやアルバイトでも、雇用期間が31日以上あって1週間に20時間以上勤務していれば、給付金を受け取ることができます。
ただし、給付金はすぐにもらえるわけではありません。自己都合で退職した場合は、3ヵ月の給付制限期間があります。
そのため、転職するときは数ヵ月分の生活費を貯金しておくといいでしょう。やむをえない事情がある場合はしかたがありませんが、転職を考えるのは貯金してからがおすすめです。
引越しをするとき
実家を出て1人暮らしをする、新しい街に引越しをする、そんな時も貯金は背中を押してくれます。転職に伴い、街を移ることもあるでしょう。引越しには引越し代だけではなく、新しい家の敷金礼金など、何かと物入りです。お気に入りの家具を購入できるくらいの余裕があると、楽しみも増えますね。
結婚や出産をするとき
仕事以外でも、結婚や出産をする場合も、貯金があると安心できます。思い描いていた結婚式をする、新婚旅行も行きたかったところへ行こう!など、貯えがあって困ることはありません。出産も同様です。助成金や給付金などももちろん制度としてはありますが、給付には時間がかかることも。手元に必要額があると、安心して妊娠生活が送れるでしょう。
急な入院や手術で大きな出費が必要になったとき
急な病気やケガで入院したり手術を受けたりすることになれば、精神的な不安もとても大きいものです。そんな時、貯金があればお金の心配は軽減されます。
健康保険には高額療養費制度というものがあり、毎月の自己負担額が一定額以上になった場合、超過分の医療費を払い戻してもらうことができます。しかし、払い戻しまでは2ヵ月かかることもあるため、自分で立て替えられるだけの貯金があると安心です。
また、長期間仕事を休むことになったときには、会社員や公務員であれば健康保険から傷病手当金として給料のおよそ3分の2が支給されます。しかしパートやアルバイト、自営業など国民健康保険の加入者には、そのような制度がありません。最近は休業補償に備える保険もありますが、自分自身で使い道を決めることができる貯金の方が、あらゆる状況で強い味方となってくれるでしょう。
天災や感染症などの影響で収入に影響が及んだとき
日本では、震災や水害などによる経済の低迷は毎年どこかで起こっています。
経済が低迷すると、働く人の収入に影響することもあります。パートやアルバイトであれば給料が減ってしまい、正社員も会社の業績不振でボーナスが減る可能性があります。このようなことがあっても、まとまった貯金があれば、気持ちに余裕ができ、安心して生活できるので安心です。
まとめ
世論調査によれば、「貯金ゼロ」の人は対象世帯の4分の1から3分の1程度ということがわかりました。ですが、今後の自分の選択肢を増やすためにも、貯金は大切です。ご紹介したように、理想といえる貯金額は生活費の3ヵ月分。貯金がないという人は、少しずつできることから始め、まずは生活費の1ヵ月分を目標にお金を貯めてみましょう。
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