河北麻友子Instagramより
女性芸能人がほっそりすると「激ヤセ」「ガリガリ」とネットに書き込まれる。無論ネットの普及していない時代でも、たとえば「宮沢りえ激ヤセ!」「葉月里緒菜、骸骨のよう!」等と週刊誌が書くことはあったのだが。今、「激ヤセガリガリカテゴリ」に入れられているのは、桐谷美玲、河北麻友子、加藤ミリヤ、戸田恵梨香、真木よう子あたりである。彼女たちは健康を不安視されてすらいる。しかし本人たちはいたって普通に「トレーニングしている」「美容に気をつけている」と公言して憚らない。
たとえば桐谷美玲は、芸能界デビュー当初から華奢な体躯が変わらない。筋肉をつけて美しいボディラインになるべく、ジム通いをしているという。彼女は自称「大食い」であり、食べる事が大好きだそうだ。「ゴハンは我慢しない、焼肉はがっつり!」だというほど大好物は焼肉で、脂っこいお好み焼きや餃子、ラーメンも好物。料理は得意で、頻繁に手料理の写真をInstagramにUPしているが、自炊の場合は栄養バランスに気を配っているようで魚と野菜の組み合わせが多い。
桐谷美玲Instagramより
もともと骨格が華奢、かつ太りにくく筋肉もつきにくい体質だと考えられるが、プラス彼女が美容と健康のために心がけていることは「毎日、白湯を飲むこと」。朝、寝起きの一杯だけでなく、日中も白湯を持ち歩いて飲むという。グリーンスムージーを朝食代わりに飲んでいた時期もあるそうだ。
そんな桐谷美玲の親友・河北麻友子もまた、番組で共演するデヴィ夫人から「マッチ棒!」と揶揄されるほど痩せている。上半身だけ見れば決してガリガリには見えず、健康的な雰囲気だが、桐谷同様に腕や脚が非常に細く、体が“薄い”。彼女の場合は、桐谷のように「よく食べる」わけではなく、むしろ胃腸が弱いと申告している。
いわく、もともと胃があまり大きくなく、胃腸が弱いことを自覚しているため、一度に多くを食べようとせず、なるべく間食をとるなど小分けにしてエネルギーを摂取しているそうだ。消化の負担がかかるため夜22時以降は食事をとらないようにしているとも。彼女もまた生まれつき太りにくい体質ということなのかもしれない。
加藤ミリヤと戸田恵梨香、それにダレノガレ明美や菜々緒、藤田ニコルなどは、ハードな筋トレを好む。
加藤ミリヤは22歳までは食べても太らない体質だったそうだが、23歳以降は食べたら相応に太るようになったため、食生活の見直しやジム通いなどをスタート。年齢を重ねることでライブ時のパフォーマンスを落としたくないという考えもあり、毎日朝からジムで2時間ほどストレッチとトレーニングを行い、食事は昼の一食のみという生活を継続している。雑誌インタビューで「カラダが軽いほうがよく動けるので午前中はかなり軽めに、食事は昼がメイン。夕食もほとんど摂らない」と語ってもいた。
戸田恵梨香は筋トレなどで心身を追い込むことを好み、デビューから間もない時期に筋トレのやりすぎで疲労骨折したという逸話を持つ。その後はリンパマッサージや加圧トレーニングにハマり、またダイビングも趣味にしているなどアクティブな女性だ。日課の半身浴の前と後には腹筋運動を50回ずつおこない、食事はなるべく野菜と鶏肉をメインにするなど、自らに課している制限は多い。菜々緒やダレノガレもこのタイプだ。
すべて自己申告ゆえ、特に食生活など実際のところは身近なマネージャーや家族以外にはわかりようもないが、少なくとも健康を維持できる食事と運動がどういう内容かについては彼女たちは理解しているのではないだろうか。また、パーソナルトレーナーなどの指導も受けている。自分のなりたい姿を目指して、健康的な範囲で体をコントロールするのは誰でもできることではなく、意思の強さが伺える。
芸能人は標準体重・標準体型でも「醜い」と負の烙印を押される現状があり、ほとんどすべての女性タレントがプレッシャーに晒されている。仕事で公開体重測定をするアイドル、そして一般視聴者に「デブ」と罵倒される女優は数え切れない。
広末涼子は10代の頃、あまりに仕事を詰め込まれすぎて「止めたい」と思うようになり、わざと太ろうとしたと明かしている。161cmで37kgしかなかったが、敢えて暴飲暴食を繰り返して52kgに増量したそうだ。それでも見た目が激変することはなく、仕事が途切れることはなかったが。
広末や河北もそうだが、太りにくい体質の人というのはいるもので、同じものを同量食べていても体のはたらきは違う。「ガリガリ」呼ばわりされている女優たちの本当のところはわからないが、「デブ」と同じく「ガリガリ」も罵倒にあたる。そしてダイエットをしても痩せにくい体質、運動をしても脂肪が落ちず筋肉もつきにくい体質、いろいろだ。また、どのような見た目の人を好むかも人それぞれ違う。彼女たちほど細い女性を「美しい」と感じない人は男女ともそれなりの数いるのだろう。ただ「デブ」にしろ「ガリガリ」にしろ、これ以上ルックスの品評を続けることは無意味ではないだろうか。結局のところ他人の体は自分には一切関係がないものなのだ。
(清水美早紀)