2011/01/29 【月刊UMAJIN編集部】インタビュー・コラム「「独占!」【月刊UMAJIN編集部】インタビューコラム」
オリビエ・ペリエ/2007年、すべてのGIを語る
先月号で有馬記念の秘策を語ってくれたオリビエ・ペリエ騎手。今回は07年GIレースの映像(取材日が07年11月19日のため、マイルCSまで)を見てもらった。メジャーとスカーレットの兄妹はどちらが強いのか、ウオッカはなぜ秋になって勝てないのか。日本でGIを11勝もしている蒼い眼のサムライが07年GIのすべてを語る!(取材日:07年11月19日)
桜花賞で印象的だったのは…
??まず最初はフェブラリーSです。ペリエ騎手はメイショウバトラーに騎乗していました。
??結果は10着でした。
??印象に残っている馬は?
??ブルーコンコルドですか?
??勝った馬はどうですか。
??では高松宮記念にいきましょう。ペリエ騎手は騎乗していません。
??勝ったのは武豊騎手が乗ったスズカフェニックスです。
??続いて桜花賞です。下馬評ではウオッカとダイワスカーレット、それにアストンマーチャンの3強だといわれていました。
??ええ、そうです(苦笑)。
??皐月賞はどうですか? 結局、行った行ったの競馬で決まりましたけど。
??2番人気のフサイチホウオーは後方から鋭く追い込んで3着でした。いつもは前で競馬をしている馬なんですが、位置取りはあれでよかったんでしょうか?
LUCKがあった松岡
??続いて古馬の長距離戦、天皇賞・春にいきましょう。このレースは3200mなのですが、やっぱり2400mや2500mとは違うものなのですか?
??えっと、それは1番のマツリダゴッホですね。
??トウカイトリックの騎手は池添騎手ですね。
??メイショウサムソンに騎乗していたのは、石橋守騎手です。
??具体的にいうと?
??それだけ京都は難しいコースということですか?
??つまり京都コースは、ジョッキーの一瞬の判断が勝負の明暗を分けやすいというわけですね。
??では次です。NHKマイルCですね。勝ったのはブービー人気のピンクカメオでした。
??大井の内田博騎手です。彼のことを知っていますか?
??彼は08年に中央へ移籍する予定ですが、ペリエ騎手から見た彼の騎乗技術はどうですか?
??中央へ移籍したあとも、期待していいということですね。では次にいきましょう。牝馬限定のヴィクトリアマイルです。このときは馬場の内側が荒れていて、みんなそれを嫌って外にいったんです。勝ったコイウタの松岡騎手は、逆に内側のギリギリいいところを狙っていたらしいのですが。
??運があるないはやはり重要なことなんですか。
ウオッカはレッドブル!?
??次はオークスです。ウオッカは出走せず、桜花賞馬のダイワスカーレットも脚部不安で直前回避。当日の1番人気はベッラレイアでした。結果的に2着だったわけですが、騎乗していた秋山騎手の仕掛けが早すぎたという意見もありました。その点についてはどう思いますか?
??詳しくはわかりませんが、たぶん調教師か馬主が乗り替わりを決断したんじゃないでしょうか。
??後ほど見てもらいますが、勝っていませんね。秋にローズSで2着、秋華賞では4着でした。
??秋山騎手もいいたいことはあるかもしれませんね…。では、気を取り直して次にいきましょう。日本ダービーです。64年ぶりに牝馬のウオッカが勝ちました。
??レッドブル?
??あぁ、日本でもコンビニとかで売ってますね。ロゴマークが赤い闘牛のやつですよね?
??燃えやすい気性ということですか? 乗り難しいとか。
??1番人気だったフサイチホウオーはどうでしょう。
??次は古馬のマイルGI、安田記念です。
??そうです。エイブルワンという馬ですね。
??キャロウ騎手ですね。
??それは後ほど聞きますので。ではどんどんいきましょう。宝塚記念です。このときは小雨で、ウオッカが1番人気でした。
??そうです。2番人気はメイショウサムソン。ペリエ騎手が乗ったことのあるポップロックは4番人気に推されていました。
??そのローエングリンが飛ばしたおかげでペースが速くなりました。
??具体的にいうと?
スカーレット・ウオッカの能力は互角
??とりあえず、ここまでが春のGIでした。次は秋最初のGI、スプリンターズSです。
??そうです。中舘騎手といえば逃げですが、やっぱり彼が逃げるとやっかいなんですか?
??結局、アストンマーチャンが逃げ切ってしまいました。中舘騎手は初コンビでしたが見事に結果を残しましたね。久々のGI勝利でした。
??次は秋華賞ですが、さっきいっていたオークス2着のベッラレイアは武豊騎手騎乗で4着。1番人気はウオッカで、宝塚記念以来のぶっつけでした。2番人気は桜花賞馬のダイワスカーレットです。
??能力的にどうですか、ダイワスカーレットとウオッカはどっちが強いんでしょうか。
??なるほど。それだけ安藤勝騎手の騎乗が光ったというわけですね。
??続いて菊花賞を見てみましょう。勝ったのはアサクサキングス。乗っていたのは秋華賞でウオッカに騎乗していた四位騎手です。
??そうです。そういえば、スタート直後に京都名物の丘がありますよね。下りのときはゆっくりいくのが定石だと聞きますが、実際はどうなんですか?
??これだけ距離が長いと、気がゆるむときはないんですか?
??ヴィクトリーに騎乗していた岩田騎手だと思いますけど。
??審議の対象になってますね。4コーナーを回るときってどんな感じなんですか? たとえば車でいうドリフトみたいな感じ?
??それは地方ジョッキーに多いんですか、それとも中央のジョッキーもそうなんですか?
ダイワ兄妹どっちが強い!?
??次は、天皇賞・秋です。ペリエ騎手もポップロックに騎乗して参戦していますね。
??どんな不利だったんですか?
??では、直線でコスモバルクがヨレて、隣にいたエイシンデピュティが驚いて斜行しましたけど、あのときは不利を受けなかった?
??“LUCK"があったのか、なかったのか微妙なところですね。
??次にいきましょう。エリザベス女王杯は騎乗していませんね。
??ペリエ騎手のいないエリザベス女王杯は秋華賞に続いてダイワスカーレットが勝ちました。
??どうですか、この馬は有馬記念に出ますけど。
??なるほど。では最後のレースです。昨日(07年11月18日)のマイルCSですが、ペリエ騎手はフサイチリシャールに騎乗していましたね。
??手応えはどうだったんですか?
??勝ったのはダイワメジャーですが、ダイワスカーレットと兄妹です。どっちが強いと思いますか?
??ではこれが最後の質問です。ズバリ、これまで見た07年のGIのなかで、一番強いと思う馬は?
??……。
07年GIレースの前に過去5年の有馬記念の映像を見ていたペリエ騎手。自分が騎乗したことのない馬を挙げるわけにはいかなかったのか、それともポップロックを含む07年の馬たちのなかにクリスエス級が見当たらなかったのか。果たして彼の真意はどちらなのだろうか。ただひとついえるのは、彼の蒼い瞳は常に自信に満ち溢れていたということ。大レースになればなるほど燃える男、オリビエ・ペリエ騎手。08年も、目が離せない存在だ。
▼【関連リンク】
★月刊「UMAJIN」最新号の詳細はコチラ↓
http://shop.uma-jin.jp/
★月刊「UMAJIN」最新号のオンラインショップはコチラ↓
楽天ブックス→ http://books.rakuten.co.jp/rb/12755573/
セブンネット→ http://www.7netshopping.jp/magazine/detail/-/accd/1200944030/
Fujisan→ http://www.fujisan.co.jp/product/1281680751/