煉瓦
れんが
brick
粘土を主原料とした建築材料の一種。鉄やカルシウムなどの化合物を含む粘土に脱粘材として砂を加えて調合し,直方体塊に成形し,乾燥させたのち,焼成する。寸法は歴史とともに変化したが,現在の日本における標準寸法は 210mm× 100mm× 60mmである。普通の粘土でつくられる普通煉瓦 (赤煉瓦) と,用途に応じていろいろ材質を違えてつくられる耐火煉瓦の2種類に大別できる。普通煉瓦には,窓,入口,天井などの特殊な場所に使うために規格外の形状をした異形煉瓦,釉薬をかけ高温で焼いて装飾性を高めたテラコッタ煉瓦,音や熱の遮断を主目的とした空洞煉瓦,道路舗装用に使われる舗道煉瓦などがある。工業技術上では耐火煉瓦が最も重要である。窯焼によって製造されるようになって以降,湿度や降雨量に関係なくあらゆる地方で建材として使用できるようになり,煉瓦の積み方もさまざまに発達した。
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れん‐が ‥グヮ【煉瓦】
〘名〙 粘土に砂や
石灰などを加えて練り固め、型に入れて窯
(かま)で焼いたもの。ふつう粘土中の酸化第二鉄によって赤色を呈す赤れんがをさす。土木
建築材料として、
壁や道路・窯など広く用いられる。
煉瓦石。
※西洋家作雛形(1872)〈村田文夫・山田貢一郎訳〉一「鋳形造の壁を築くべき基礎は、石又は煉化にて築き上げること」
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煉瓦
粘土や頁岩、泥を型に入れ、窯で焼き固めて、あるいは圧縮して作られる建築材料。積み上げる工法しかないため、構造的には弱く、地震の多い日本では、小規模な建築を除いて使われなくなった。しかし、建材として煉瓦風のタイルがあり、様々な種類が存在し仕上げ材としては多く用いられている。
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れん‐が〔‐グワ〕【×煉瓦】
粘土に砂・石灰などを混ぜて練り、長方体などに成型し、乾燥して窯で焼いたもの。ふつうは酸化鉄を含む粘土を用いた赤煉瓦をいう。建築・道路舗装・炉などの材料。
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れんが【煉瓦 brick】
普通は粘土を焼き固めた赤煉瓦を煉瓦と呼んでいる。煉瓦は直方体で,手で取り扱いやすい大きさ(たとえば21cm×10cm×6cm)をもち,各種築造材料に使用される。煉瓦と呼ばれるものの種類は,普通煉瓦のほか,耐火煉瓦,耐酸耐熱煉瓦,耐酸煉瓦が日本工業規格に定められている。このほかに軽量煉瓦,舗道煉瓦,釉薬(ゆうやく)煉瓦,鉱滓(こうさい)煉瓦,ケイ(珪)灰煉瓦,セメント煉瓦があり,それぞれ使用目的に応じて建築材料として使われている。
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世界大百科事典内の煉瓦の言及
【赤煉瓦】より
…建築材料として用いられる赤色の煉瓦。日本では幕末に輸入されて使用されはじめ,明治時代に入ると国内でも生産され,安価でかつ赤色の特徴を生かした美しい材料として,構造材,仕上材に多量に使用されてきた。…
【煉瓦造建築】より
…煉瓦を主要材料とした組積式構造を煉瓦構造(または煉瓦造)brick constructionといい,この構造による建築を煉瓦造建築と呼ぶ。 古代エジプトやメソポタミアでは,日乾煉瓦が主要な建築材料で,厚い壁を築き,ポプラやヤナギの幹を梁材とし,その上にむしろを敷き,土を塗って屋根とした。…
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