今回は2021年を締めくくる意味で、今年に於いて気に入ったウイスキーを1つピックアップしてみます。

本坊酒造 マルスウイスキー シングルモルト津貫 ピーテッド

マルスウイスキーを手がける鹿児島の本坊酒造が、2016年に創業の地である南さつま市加世田津貫に、津貫蒸溜所が建設されました。

マルスウイスキー自体、竹鶴政孝がスコットランドで学んだ成果を受けてウイスキー作りをしていることを考えると、スコットランド同様の冷涼な場所が相応しいと思われますが、その常識を覆そうと、温暖な鹿児島でのウイスキー作りを行っています。

このシングルモルト津貫 ピーテッドは、この蒸溜所が誕生してから2番に販売されたボトルで、アイラモルトのような正露丸の香りを伴ったスモーキーなものになっています。

推定で3年ほどの熟成しかないですが、温暖な土地によって熟成が速く進み、アルコール感が比較的少ないのが特徴でした。

2022年1月中頃には、「シングルモルト津貫 2022 エディション」が発売される予定ですが、こちらはバーボン樽原酒が主体になるようです。


セブンプレミアムのハイボールは...

別の意味で印象に残ったのは、セブンプレミアム ハイボールでした。
350mLで98円と、セブンイレブンやイトーヨーカドーなどで販売されていますが、製造元が合同酒精だったので嫌な予感がしましたが、案の定でした。

自社で「香薫」というウイスキーを出しつつ、かつてはイオン向けにトップバリュウイスキーを販売していたのですが、どちらもウイスキーとは言えないほどの嫌悪感を感じさせる香り、味わいがあり、ハイボールにしてもおいしくないという地雷中の地雷でした。

合同酒精には、ゼロベースでウイスキーとは何かを勉強しなおした方がいいと思います。


国産のクラフトウイスキーが高すぎる件について

3、4年前から、全国各地でウイスキーの蒸溜所が建設され今年に入って3年熟成を経たシングルモルトが次々とリリースされましたが、数量が少ない上に1万円以上の値段が当たり前にするほどの相場のため、私も簡単に手に入れられない状況が続いています。

おそらくは国内よりもジャパニーズウイスキーの名が通っている海外、欧州や中国向けを念頭に置いての強気の価格かと思いますが、製造コストの回収目的であればまだしも、ジャパニーズウイスキーの看板におんぶに抱っこしたプレミアム設定をしているのであれば、ジャパニーズ全体の質の低下を招く恐れもあり、折角大手メーカーが育ててきたブランドイメージを損なってしまう危険性も感じてしまいます。

正直なところ、3000~5000円の価格帯で、他社のグレーンを使ってのブレンデッドウイスキーとしての販売も検討して欲しいと思います。