普段は温厚でも…怒ったら怖い? リロと並ぶ人気者、コビレゴンドウのユキ
コビレゴンドウ飼育員便り①
特技は高さ4メートルの大ジャンプ
マリンワールド海の中道でラッコのリロに並ぶ人気者に、クジラの一種、コビレゴンドウのユキちゃん(推定年齢33、34歳)がいます。当園での飼育が11月30日で20周年を迎えました。穏やかでのんびりで、でも怒らせたらちょっと怖い(笑)。彼女について、紹介しますね。
ユキちゃんは2001年、和歌山県から当館に来ました。当時は体長約3・45メートル、体重525キロ。前年に佐賀県唐津市沖で保護されたコビレゴンドウと一緒のプールで生活を始めました。初めは少し泳ぐ時間が短いなど、戸惑っている様子でしたが、徐々に慣れ、ショーで披露する技を覚えていきました。03年にショーに初出演。その大きな体で、高さ約4メートルの豪快なジャンプをして、初めてお客さんを沸かせたときのことを今でも覚えています。
現在でも、ショープールで実施している1日数回のショーで絶大な人気を誇っています。ただ、登場する回としない回があるんです。毎回出演すると疲れてしまうからです。熱心なファンからは「今日は、何時のショーにユキちゃんは出るの」といった質問もたまに来るんですよ。
ちなみに、温厚そうに見えるユキちゃんですが、たまに機嫌を損ねることがあります。多くはイルカたちに、からかわれた時にそうなります。いつもはピー、ピーと愛くるしく鳴くのですが、怒った時はピッ、ピッと短く鳴きます。
今年の夏には、ご機嫌斜めが続いたせいか、約2カ月の間、ショーの見せ場である大ジャンプをしてくれませんでした。他の技は見せてくれるので「体調が悪いの?」と質問をされることもありました。褒めるなど、コミュニケーションを多くとることで機嫌を直してくれました。今はとっても元気よくジャンプしてくれていますよ。まだ見たことがない方は一度当館に足を運んでみてください。
現在、当館にいるイルカ・クジラはユキちゃんやスナメリ、先月生まれたバンドウイルカの赤ちゃんを含めて、23匹。西日本新聞meアプリのライブカメラで、ショー用のプールが映る午後5時から翌午前10時まで見られます。ユキちゃんは、ひときわ大きな姿でのんびり泳いでいるので分かりやすいですよ。コビレゴンドウの飼育は、日本動物園水族館協会に加盟する49水族館のうちでは当園だけ。ぜひファンになってくださいね。
(マリンワールド海の中道海洋動物課係長・木下克利さん)