5遺体画像を女性に送信 守秘義務違反の疑い、警部を書類送検
山口県警本部に勤務する40代の男性警部が、検視した遺体の画像など計12件の捜査情報を知人女性に送信していたとして、県警は15日、警部を地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで書類送検し、停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。警部は同日付で依願退職した。
県警監察官室によると、警部は昨年4月~今年4月、5人の遺体や2件の捜査資料を私用のスマートフォンで撮影し、不倫関係にあった女性に送信。遺体は警部が捜査に関わった変死事件のもので、すべて警部が現場で撮影したものだった。このほか、別の5件の捜査情報をこの女性に対面や電話で伝えていた。
警部は計12件の漏洩(ろうえい)を認め、「女性に興味を持ってほしかった。大変申し訳ないことをした」と話しているという。県警は書類送検にあたり、起訴を求める意見を付けたとしている。
警部は今年3月まで県内の警察署に勤務し、捜査を指揮する立場だった。6月に警部と女性の関係について県警に情報提供があり、捜査で流出を確認。容疑者に関する情報も含まれていたが、捜査に影響はなかったとしている。県警は、個人が特定される恐れがあるなどと判断した遺体の画像については、遺族に謝罪を進めているという。
山口県警は、捜査情報を私用携帯電話で撮影することを禁じているが、登録している場合など一定の要件を満たせば許可している。捜査が終われば削除を求めているが、届け出は不要で、私用携帯電話の使用実態を把握していないという。
中島博文・首席監察官は「指導する立場の幹部警察官がこのような事案を起こしたことは情けなく、大変申し訳ない。極めて軽率な動機で、警察業務への思慮深さがない」と話した。(寺島笑花、前田健汰)