「キツいテーパーと率の高いプリテンションは相性が悪い」
この事を検証するためプリテンションでないModel21R Appleheadを使って、弾受け側が14mmより小さいテーパーの実験を行います。
ここ数年ですっかり実験至上主義者になってしまったもんで、実際に自分の目で確かめないことにはいても経ってもいられないのです。
タロン4の実験で得たこのグラフ、2mm切るだけで初速の上昇率がハンパないですから、12mmの初速低下がプリテンションの影響ならばそれを取り除いてやれば90〜100mps行くんじゃないかと思うのです。
タロン4のフレームではプリテンション取っ払うと中だるみして実験に余計な要素が入ってしまうので、フレームの短いアップルヘッドを使って実験します。
テーパーを切っていない物、弾受け側が14mmと8mmの物の3種類で測定を行いました。
8mmでも初速が落ちてないどころか、上がってますね!
確かにプリテンション無しだとヨーク側8mmみたいなキツいテーパーでも効果ありました。確かにキツいテーパーとプリテンション33%は相性悪いと言えそうです。
しかし、効果はあったんですが……君ちょっとタロンのときと比べてショボくない?
いったい何が悪いのか?
・弾+弾受けが重すぎる(タロンのときより+4g)
・引き伸ばし率が低すぎる(タロンのときより-0.58倍)
・アップルヘッドがクソライフルである
測定で使った弾受けはいつもの基準と比べても長すぎ、重すぎました。
というわけで弾受けを5.64gまで軽くしてみました。これで引き伸ばし率も4.63倍です
で、もう一度弾受け側8mmで測定した結果74mpsまで上がりました!
しかし2回目は69mpsでした。
このことから考察できるのは、キツいテーパーによる初速上昇の幅にはゴムの引き伸ばし率が大きく影響するということです。二回目に初速が5mpsも下がったのは、コッキングによって結び目が締まり弾受けが伸びたことによる、引き伸ばし率の低下が原因と考えられるのです。この過程で弾+弾受けの重量や気温は変化しませんでしたから、引き伸ばし率の僅かな変化が5mpsもの初速変化の原因としか考えられんのです。
まとめ
・プリテンションのないもしくは0%のライフルではテーパー率33%以上のキツいテーパーでも高初速化できる
・テーパーによる初速の上昇率はゴムの引き伸ばし率が高いほど大きい
・弾+弾受けの重量変化が初速の上昇率にどれほど影響を与えるかはわかってない(10mmダボ等でも使えるかはまだ不明)
#35平ゴムを8mmまでテーパー加工して、引き伸ばし率5.44倍で運用すればかなりの初速になりそうですね。
問題は5.44倍は4発くらいで切れてしまう事です。 記録取る一回くらいは耐えるかな? 記録取ったら#40に戻すと思います。