新作のために、ベンガルで木製ダボ弾・10mmダボを6mmクレモナ金剛打・3mmナイロンロープ製弾受けで撃ち比べ、初速を測りました。また、加速距離の延長によってどれだけ初速が上昇するかという事もほんの少しわかりました。
弾受けの重量と引き伸ばし率は前回の実験と同じものです。
弾受けの結び目が伸びて引き伸ばし率が最高状態より落ちていました……弾受けの重量同じで引き伸ばし率だけ変える実験ができますね。伸び率5.44倍と5.14倍の2点だけしか測定できませんが。同様に、引き伸ばし率一定で弾受けの重量のみを変える実験も結び目から出ている余ったロープの長さを変えることで実験できますね。
まず、弾受けの交換時によって弾+弾受けの重量が軽くなったにも関わらず初速が上昇していない(むしろ太いほうが速い)が、弾の交換によって弾+弾受けの重量が軽くなると初速が上昇する。前回の実験に照らし合わせてみると弾+弾受けの重量が軽くなるのに正比例して初速は上昇するが、この実験でこれは見られなかった。
単純に重量のみが関係すると考えると、加速距離62㎝で起こった現象が加速距離72㎝で起こらないのは不自然である。
また、3mmナイロンロープで木製ダボを撃った時よりも6mmクレモナ金剛打で木製ダボを撃った時のほうが初速が上なことから「ゴム自体の収縮速度」が原因ではないと言える。
これは弾受けが細くなったことで弾への掛かりが悪くなり、ゴムの速度をうまく弾へ伝達できなくなったために起こったものだと考える。弾受けが弾に対して細すぎるとレール内で弾受けが弾を追い越したり、着弾点が上下にぶれる。これらは全て弾受けが細すぎるために起きることであり、さらにこの実験で「弾に対して弦が細すぎるとエネルギー伝達効率が悪くなる」という事がはっきりとわかった。
また、前回の実験結果と今回の実験結果を合わせて考えると、「加速距離を1.16倍延長すると、初速は1.13倍、運動エネルギーは1.26倍上昇する」と言えるが、今回は前回とほんの少し実験条件が異なるため精確な上昇率ではない。
新作のために張り切って実験したけど、結局弾受けを軽くしたらどれだけ初速が上がるかはわからなかったです。小口径で実験しなきゃですね。
次回は「ゴムの引き伸ばし率を変えるとどれだけ初速が上昇するか」という実験を行います。