先週掲載した編成表の末尾に、「現車46 延長換算57.9 換算119.9」と書いておきましたが、本文中で触れましたように、引き継いだ「貨車解結通知書」に記載された数値を書き写したものです。
(貨車解結通知書については、以前【35】列車掛5:解結通知書で、その様式と記載内容について書いています。)
そこで、先週の4163列車の長さと重さについて改めて確認してみたいと思います。先週掲載した同じ編成表の車両番号を「形式名」に、発駅着駅を「車体に表記されている換算両数」に置き換えて、もう一度下に掲載します。
1980年(昭和55年)8月30日
東海道本線 快速貨4163列車
運転区間 大宮操~吹田操
乗務区間 稲沢12:43~吹田操15:42
EF65 63(吹二)
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
コキ 5500 積4.0 空1.6
コキ 50000 積5.0 空1.8
ワム 60000 積2.0 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
オ トキ 25000 積4.0 空1.6
オ トキ 25000 積4.0 空1.6
ワム 70000 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
テム 300 積2.0 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ホキ 8800 積5.5 空1.2
ワラ 1 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
オ トキ 25000 積4.0 空1.6
ワム 60000 積2.0 空1.0
オ トキ 25000 積4.0 空1.6
ワラ 1 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
ワム 60000 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
テム 300 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
ワラ 1 積2.0 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ワム 60000 積2.0 空1.0
ホキ 5400 積5.0 空1.6
ホキ 7000 積4.5 空1.6
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ハ ワム80000 積2.2 空1.0
ヨ 6000 積空区別なく0.8
現車46 延長換算57.9 換算119.9
(現車制限:藤枝到着の時60 定数120)
換算両数の表記は、このときに写し取ったものではありません。特にここに登場している3形式のホキなど、まったく馴染みがない形式で、その外観さえも思い浮かびません。外観・用途はWikipediaで確認して、積空換算の数値は、そこから転記した数値であることをお断りしておきます。
編成表末尾にある「現車」とは、現場では「実現車」とか「ゲンナマ」とか呼んでいましたが、1車両単位の数値なので、書き写した編成が「46車」ということは、数えればわかります。実際の編成をある程度遠くからでも見ることができれば、子供でもその場で確認できる数値であって、車両を特定する場合以外には、列車の運転上においてさほど意味を持つ数値ではありません。
次の「延長換算」はちょっと置いときまして、最後の「換算」のほうは重量を表します。機関車の性能とその線区の勾配などの条件から制限が決まり「10トン=1両」が換算数値です。この「換算」は、車両に換算標記があることはよく知られています。その車両の実際の換算を読み取るには、そのほかに貨車車票の表示も確認しなければなりません。以前から何度もブログ上で申しておりますように、私は当時車票に記載された情報のうち発駅と着駅だけしか拾い出していませんでしたので、ここに正しい換算の内訳をお示しすることができません。
この列車は快速貨物でしたから、速達性と到着日時の明確化を目的とした列車であることを考えると、ほぼすべて積車だと思われます。そこで参考までに、積空区別のない最後尾の「ヨ」のほかはすべて貨車に標記してある積車換算であると仮定して足し算をすると、
2.2×17= 37.4 (ハワム)
2.0×19= 38.0 (ワム・ワラ・テム)
4.0× 5= 20.0 (コキ5500・オトキ)
5.0× 2= 10.0 (コキ50000・ホキ5400)
5.5× 1= 5.5 (ホキ8800)
4.5× 1= 4.5 (ホキ7000)
0.8× 1= 0.8 (ヨ)
――――――――――――――――
計 46…116.2
となりまして、貨車解結通知書で引き継がれた換算両数「119.9」にはなりません。
それでは貨車に表記してあるのは何なのかというと「普通換算両数」と言われるものなのです。以前にも書いたことがありますが、貨車の場合は積載物によっては重量換算の場合と軽量換算の場合があるのです。
普通換算を基準にして、
重量換算⇒2軸車:0.4加える。3軸車及びボギー車:1.0加える。
軽量換算⇒2軸車:0.4減ずる。3軸車及びボギー車:1.0減ずる。
このように積車でも軽量・普通・重量の3種類の換算があり、2軸車とそれ以外の車両では加減する数値が異なるわけです。このほかにも特定の形式について例外があり、上の4163列車の編成表で13両めに含まれているコキ50000形式の場合、車体標記は5.0とされていますが、それは10トンコンテナを積載したときの換算であって、5トンコンテナを積載した場合は軽量換算を適用し、普通換算から減ずる値はボギー車標準の1.0でなく0,5とし、換算は4.5とすることになっていました。そのほか「コ」・「ス」が冠された一部の無蓋車トラにも積車換算について特殊な取扱がありました。
積荷の種類や重量など積載した駅でないとわからないですから、貨車を見た者がそれを知る手段は「貨車車票」の標記で、そこには積載された貨物が重量貨物か軽量貨物かを即座に判別できるよう、軽量換算の場合は上に赤線、重量換算の場合は下に赤線が引かれていたのです。左は手書きの軽量換算の表示。この例の場合はコキ50000形式ですので、一般のボギー車とは違って5トンコンテナ積載車を意味します。そのため5.0-1.0=4.0ではなく、正しい換算は5.0-0.5=4.5になります。右は事前に印刷された重量換算の表示です。達筆で形式名が読み取り難いですがハワムのようですから、2軸車です。換算は2.2+0.4=2.6になるわけで、車票まで見なければ、正しい換算両数を把握することができないわけです。
私が4163列車をはじめとする貨物列車の編成を記録するにあたって、貨車車票の情報をすべて書き写しておけば、この4163列車の換算両数が「119.9」となることが、ここでお示しできるのですが、残念ながら貨車に表記された数値との誤差がどこにあるのかは解明できないのです。せめて品名くらいは書き写しておくべきでした。
今はどうなのか知らないのですが、現場では積車のことを「エイシャ」と言っていました。言葉でも言われてもサッパリわかりませんでしたが、その昔は「積車」のことを「盈車」(えいしゃ)と言っていたようです。画像はリニア鉄道館に展示してあるホジ6005の換算両数の表示部分です。「盈」は難しい字です。「満たされる、充満する」という意味を持っています。昔からの用語が、規定が変わってもそのまま現場では使い続けられた例だと言えましょう。
最後に、延長換算についてです。こちらは長さの換算です。重さの換算と区別するため、現場では「延ばし」「延べ」という言い方もしていました。貨物列車には、停車駅の線路の有効長内に収まるよう制限が加えられたわけで、これを「現車制限」と言いました。「現車」という言葉が入ると「実現車」のことと混同しそうで紛らわしいのですが、もちろん延長換算率による制限です。出した値は「実現車」に対し「延長現車」という言い方もしました。一般的に「現車」と言われる車両数のことを、現場で「実現車」「ゲンナマ」などというのも、延長換算で使用する「現車」とはっきり区別する必要があったからです。
「現車制限」の類義語で「収車」という言い方もあり、意味的には「停車場での収容可能な延長現車制限値」ということでした。「現車制限」は列車に対する最小制限値であるのに対し、「収車」は停車場ごとに決められた制限値と言えます。業務上の会話で「四日市の上り1番(線)は収車が42両。いちばん短いから、あそこは要注意!笹島の3番の収車は63両ある」というように使いました。長さの制限は入換作業でも必要となり、引き上げる際に「引上げはゲンナマで8つ、ノバシで12」と言えば、構内掛は8両目の後を切り離すことを察知し、列車掛は、引き上げる距離と引上げ線の有効長(引上げ線の有効長による引上制限というものもある。)を考えて機関車を誘導するわけです。
延長換算は「一般的な長さの二軸車(車長8m)=1両」とします。この換算率は重量に対する「普通換算両数」のように車両に直接表記はされていませんので、趣味の世界ではもちろんのこと、私も列車掛の養成課程で勉強するまでは意識することがありませんでした。ところが貨物列車に乗務する場合には、いちばん気を付けるべき数値なのであって、重量のほうは、万が一計算間違いで少しオーバーしたくらいなら(もちろんそれでもあってはならない事故ですが)決められたダイヤどおりに速度が出せず列車が少し遅れる程度ですむ可能性が高く他の列車に影響することは少ないわけですが、延長換算オーバーの場合は、オーバーした数値の大小にかかわらず、他の列車との行き違いや追い越されができなくなり、大幅な間違いをやってしまった場合と同じ結果になります。少しの計算ミスによって列車ダイヤが大きく乱れることになるわけで、2年ちょっと前にもJR東海管内で、ダイヤが乱れた状態の中で、延長換算両数の確認がされないまま臨時に貨物列車の行き違い駅を変更したところ、その駅の有効長内に貨物列車が収まらず行き違いができなくなるという事故が発生しました。その結果、行き違うはずだった旅客列車のほうが一つ手前の駅まで退行するはめとなり、2時間遅れたという報道がされています。
ただし、現車制限では機関車1両分はもちろん、余裕距離(20~35m)が加味してあるものですから、「現車制限による連結両数=線路の有効長」ではありません。
わずかなことでも制限をオーバーすると、そのような事故になるので、小数点の端数処理の考え方は、延長換算では、たとえば60両の制限の場合、計算結果が0.1オーバーして60.1となればアウトでした。逆に重量の換算で120両の制限があった場合では、計算上120.9であっても切り捨てて120とされセーフでした。
では、車両に直接表記されていない延長換算をどのように計算するのか。それは意外に簡単で、車両の形式を見ればよいのでした。
(画像は亡父の遺品です。なぜこのようなものが保管してあったのは不明です。)
2軸車ではハワムは1.2。ボギー車は基本2.0だが、ホキの場合は1.5。タンク車のうちで短い車長(12m以下)の形式に「コ」が冠され、逆に長い車長(16m以上)の形式には「オ」が冠され、ホキのうち長い車長(12m以上)の形式には「オ」が冠されるということと、車運車は3.0、コンテナ車は2.5と知っておけば、ほぼ用が足りました。ボギー車には車長によって換算1.5・2.0・2.5の形式が混在して紛らわしいので、現場では「イチハンボギー・ニーマルボギー・ニーハンボギー」と言って区別しました。
ただし、貨車の記号に冠される「オ」「コ」は、すべて車体長を区別するものかと早合点してはなりません。紛らわしいことこの上ないのですが、先に少しふれたように、無蓋車のトラに付される「コ」「ス」と、トキに付される「オ」は長さの制限には関係がなく、積載可能重量に由来しました。その場合はまったく別の意味になり、特に「コ」「ス」には2軸車の重量換算(0.4加えるという規定)の例外的な扱いがありました。
列車掛養成課程では、車票と編成を見て重量と延長の換算両数を算出する現場実習は必ずやりましたし、修了試験でも必ず出題されました。
それでは、上の4163列車編成表で、はたして延長換算57.9になるか計算してみましょう。
1.2×17=20.4 (ハワム)
1.0×20=20.0 (ワム・ワラ・テム・ヨ)
1.5× 3= 4.5 (ホキ)
2.0× 4= 8.0 (オトキ)
2.5× 2= 5.0 (コキ)
――――――――――――――――
計 46…57.9
こちらは、間違いなく解結通知書どおりになりました。
この計算方法でお気づきかと思いますが、二軸車ばかりなら誤差は極小ですが、ボギー車の場合は0,5刻みでかなり大雑把で、相当な誤差が生じます。ボギー車の貨車は、その形式によって長さはまちまちですから、キチンと長さを計算すれば、列車によっては余裕が生じて列車によっては余分に連結できる可能性が出てきます。そこで、タンク車やコンテナ車を連ねた専用形式を用いた一部の列車では、換算率の特例を用いることがありました。そういう列車では形式別に特に定めた延長換算率を使いました。一例として
タキ35000=延長換算1.6 (2.0)
コキ5500=延長換算2.3 (2.5)
ク5000=延長換算2.6 (3.0)
オホキ2200=延長換算1.6 (2.0)
(右カッコ内は通常使う0.5刻みの延長換算)
などがありました。現在の貨車は形式数が少なくなり、専用列車・コンテナ列車が大多数ですので、おそらく形式別に定めた延長換算を使用して貨物列車を組成していることでしょう。
現在は貨物列車に列車掛または車掌が乗務しませんが、それは列車無線をはじめとする通信機器と連携した列車防護対応策が採られ、運転上の保安要員としての必要性がなくなったことによるわけですが、そのほかに、現在の定型輸送では、途中決められた駅で、決められた数の、決められた行先の貨車しか連結解放しないですから、国鉄時代にあった解結貨物列車とは性格が変わったことで、乗務する必要がなくなったことにもよるわけです。先週ご紹介した快速4163列車は解結を伴わなかったのですが、解結貨物列車では、車掌(のちに列車掛)が、どの駅でどの車両を切り離し、どこ行きの車両をどれだけ、どの位置に連結されるのか駅と打ち合わせながら列車を組み立て、その結果が(延長)現車制限と(重量)換算両数以内に収まるよう、車掌(のちに列車掛)が解結通知書とにらめっこをしながら考えていたのです。
下は、貨車解結通知書の(重量)換算の内訳欄です。その右は延長換算の内訳欄です。
そういう解結を繰り返す貨物列車の仕事内容については、しばらく先になりますが、またご紹介してみようと思っています。
今回は小難しい話になってしまいましたが、次週は首都圏と関西を結ぶ直行貨物列車の乗務例について書いてみます。
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この記事へのコメント
NAO
これまた私の下らん知識ですが、阿川弘之著「南蛮阿房列車」を読んでいたとき、氏がどこかの国の客車列車牽引の機関車に乗られたストーリーがあったのですが、先に到着している対向貨物列車が長過ぎて、後ろが本線にハミ出ていたのです。有効長に納まるこちらの客車が信号所に入って停車したのち、対向貨物列車が先発してゆき、こちらの先の道が空いて発車、という情景が書かれていたので、貴殿から以前コメントでご教示いただくまで、これが万国で通じる単線離合だと思っていました。
しなの7号
そういえば、「A社」とはイントネーションが違いました。
本線路には軌道回路なるものがあって、電気的に安全を保障していますから、単純にはいきません。私も武豊の入換作業でハマったことは、かつて書きました。
http://shinano7gou.at.webry.info/201203/article_4.html
対向列車がオーバーランして接触衝突の危険があれば、対向列車に対しての場内信号機は電気的に停止信号を現示します。JR東海の事例では貨物列車を場内信号機外方に停めて、先に旅客列車を停車場内に入れなければなりませんでした。
飯田線とかローカル線の行違いでご経験がおありかと思いますが、対向列車が遅れていて、乗っている電車が駅に入れず場内信号機で停められることがよくあります。とりあえずこちらを先に(または同時に)駅に入れてくれればいいのにと思うのですが、同じようにオーバーランによる接触や正面衝突を避けるため、安全側線・警戒信号現示・長い過走余裕距離のいずれかがある停車場でないと同時進入そのものができないよう制限しているわけです。
TOKYO WEST
出札や改札などの営業職場で今でも使われている慣用語に「一算(いちさん又はいっさん)」というのがあります。発売実績と現金あり高が一度の計算でぴったり合うことをいいますが、その語源ははっきりしません。「一致算」からきているという説もありますが・・・・
北恵那デ2
しなの7号
国鉄退職後に勤務した会社で、一日の収入を集計する部署に数年おりましたので、「イッサン」は普通に使っていました。
集計は担当の女性がしてくれましたが、一算で合わないことがよくあり、そういう日はなかなか帰れませんでした。現金を私が銀行の夜間金庫へ持って行くからです。
他の部署にいた時も、報告書の作成で、縦横計算が一算でぴったり合いますようにと願いながら慣れない手つきで加算機を叩いて残業したものですが、計算ソフトが登場したのは革命的でした。今では報告書もシステムに連動化されていて「一算」はあまり聞かなくなりました。
しなの7号
こんなことを知りたいと思う方が多くはないことは承知していますが、昭和の時代に当たり前にあったのに、今の日本の鉄道から消え去ったり、あるいは消えるであろう仕事は多いと思います。それを知りたいと思われる方と、実際に類似の仕事に就かれていて懐かしいと思われる方が居られるのであれば、わかる範囲でお伝えしたいと思っています。
しかし、規定本を閲覧できるような施設が身近にないのがお困りです。現場にいた自分が、どのような規定に基づいて仕事していたか怪しく、要するに、規定に基づかず慣行でやっていたことも多々あると思うからです。
北恵那デ2様は、本文末尾に掲載している「59-2ダイヤ改正」の本を買われたそうですが、ヤード自動化システムがあった郡山操について書かれています。(106ページ~)
あの時代にそういうシステムがあったことは知ってはいたものの、実際にいかなるものであったかというのは、初めて知った次第ですが、あれだけのシステムを廃棄したことに、50系客車とか91系気動車、DD54といった車両の運命と同じものを感じます。
天鉄竜機
昨日コメントをと思いながらGW前でバタバタしてました。
客車列車と貨物列車はブレーキ構造の違いから、制動方法が違います。
客車は大きく減圧し階段緩めで位置合わせをします。貨物列車(コンテナ列車除く)は、小さく減圧し追加・追加で位置合わせです。
長大重量列車は迫る列停・出発に新米機関士はビクビクしてました。「出発抜きよった。ケツ換らんと対向列車遅れさせた。」と言われないよう。換算・延長は気になりました。
1年もすると、発車引出時に換算両数が後部確認で延長両数も把握できるようになります。
でも臨港線浪速貨物駅から大阪環状線・関西線・城貨線経由吹六行の夕方の貨物は重くて嫌でした。
初心(うぶ)やったんですね~。可愛な~。
しなの7号
牽く立場からのコメントありがとうございました。
旧形客車はA制御弁、一般貨車はC制御弁、とブレーキ装置が異なっていました。車掌では必要ない知識も列車掛となれば運転中に故障したら応急処置くらいはしなければなりませんでしたから、どちらも教習所(私の場合は中部鉄道学園)で、その作用と構造を教え込まれました。今では忘れちゃいましたけど。
A制御弁の「階段ユルメ」という言葉、懐かしいです。
自分は貨物の列車掛は1年半くらい経験しただけで、初心で可愛いうちに旅客列車オンリーの車掌区に転勤してしまいました。
NAO
しなの7号
そのとおりです。空車と同じです(^^)v
hicky
私も天王寺駅で勤務していたころ、長い貨物列車を見ていました。お昼頃通過の貨物列車で浪速行き、編成は
DD13(竜)貨車41両 ワキ5000 6両苫小牧発
銀色タンク車形式不明速星発
晩22時過ぎの列車 DD51貨車41両もありました。
行き先は不明でしたが、ワキ5000がつながれていました。
三重県に住んでいた頃、夕方18時過ぎ井田川を通過する列車で次のような列車がありました。
DD51稲一
ヨ
パワム80000 5両 発駅清州 着駅熊野市 新宮 古座
積荷がビールおよびジュース
オトキ25000 6両 発駅加佐登
積荷がコンクリート電柱
オタキ25000 2両 発駅南四日市 着駅野田
積荷が液化プロピレン
オタキ 3両 発駅南四日市 着駅桜島
積荷が過酸化水素
タキ車 6両 発駅四日市 着駅二条 石山など
積荷が石油類
黒ヤネ車ワム・ワラ18両 発着駅積荷不明
ヨ
現車41両で換算はどのくらいになるのでしょうか?
かなり重そうで井田川を30キロくらいの低速で通過していました。この列車は時々加佐登でオトキ車を連結できず翌日の貨物列車で発送されていました。
この編成では加佐登駅ではオトキ車連結後、亀山方の踏切が閉まりっぱなしになっていましたね。有効長は大丈夫だったのでしょうか。教えてください。
しなの7号
その列車は、自分が列車掛をしていたころに、
53.10で265列車 稲沢12:24 亀山操18:35
54.10で261列車 稲沢12:35 亀山操18:35
として存在していました。ベテランが乗務していた列車で制限にかかる危険性が高い列車で、一度だけ予備勤務のときに乗務したことがありますが、幸いにも日曜日だったため、発送車がほとんどなくて助かりました。
貨物列車が加佐登駅構内の下り方「庄野踏切」を長時間ふさぐ場合、通路分割と言って、踏切部分で列車を切り離して分割することになっていました。
ところで、ご披露いただいた編成ですが、延長現車で62.5となり、その当時の亀山操の収車制限(一番長い線で52)を大きく超えてしまいます。一方で加佐登亀山間のDD51の普通貨物の定数は90でしたので、こちらも換算を軽く見積もったとしても、それを超えそうな勢いです。私が知っているのは列車掛だった時期の1年半足らずだけで、そのほかの時期の制限や特認事項は不明です。機関車はもちろん設備面でも変わった様なことは聞いていませんが。
いずれにしても、そうとう厳しい条件下の列車だったことは確かです。
ちなみに、この列車の反対(上り)に当たる列車はよく乗務しました。
しなの7号
hicky
また亀山を午前1時ごろ発車する3272列車もありました。
DD51
オトキ25000材木積み
パワム80000発駅 鵜殿 着駅 品川
用宗
白鳥など
ヨ 現車41両
この列車はどこかの駅で紀州5号を運転停車させて先行する列車で地域間急行という車標が入った貨車がありましたね。貨物列車の指定席列車で一般の貨車は連結できず指定された貨車で編成されていたと聞いたことがあります。
しなの7号
鵜殿のハワムは長く生き延びましたね。時刻を見ますと紀州5号を運転停車させたのは、河曲駅でした。それは昭和50年3月改正時刻でしたが、私が紀州5号のほうに乗務してました。急行のほうを停車させる理由は、収車の関係があった可能性が大ですね。その貨物列車に乗務したことはありませんが、この記事の実例となっている「快速貨物」は昭和53年10月改正で、それまであった「地域間急行」を統合したものでした。電算によって列車指定された貨車で編成されており途中のヤードをパスした列車でした。
石橋そーけん
アップされてからしばらくしてからの質問で恐縮なのですが、前からお詳しい方に一度お聞きしてみたいことがありましたので、お尋ねさせていただきます。
しなの7号さま現職当時の貨物列車を想定していただいて、主要駅又は操車場X-Y間を結ぶ、解結貨物列車があるとします。途中駅aで貨車の増結があり、延長換算又は換算が定数をオーバーすることになりました。このとき、オーバーしないように、置いていく貨車に決まりとかはあったのでしょうか。またこの先途中駅cまで解結がないとすると、途中駅bからの発送貨車も次列車まわしになると思います。これが1日ならいいのでしょうが(現在なら許してもらえない話ですが…)連日発生するような場合、どのような対応がとられたのでしょうか。
以前国鉄の貨物現場で働いていらっしゃった方と話した際、「昔の貨物列車は暢気でサ。いつまでも発車できない貨車があったんだよ」ということを聞いたことがあったので、質問させていただきました。
長くなってしまいましたが、教えていただけますとありがたいです。
しなの7号
途中駅は組成駅(X駅)の配車係に連結両数を事前に予約しておき、X駅側が、各中間駅の予約を元に解結通知書を作成します。この予約時点で中間駅からの貨車数は調整され連結不能になることがわかりますから、中間駅は滞貨になった貨車は次(又は翌日)の列車を予約したのでしょう。電算管理の列車指定貨物は最優先でしょうが、それ以外はどのような優先順位であったかは中間駅員や各駅の割り振りをする組成駅の配車係でないとわかりません。が、列車掛としては組成駅で作成された解結通知書に示された連結車数は最低限確保してあげる必要があり、解結通知書上にb駅での予約数があるならば、その数を確保できない車数の増結はa駅では認めません。列車掛は自らその予約車数の増減について、必要に応じて中間駅へ電話で事前確認しましたから、a駅で1車キャンセルがあれば他駅分に回し、b駅で「もう1車お願い」と言われれば応じることはできました。
連結しろ!だめだ!という中間駅と乗務員、あるいは組成駅と中間駅の攻防はあったといいますが、私が乗務していた昭和55年ごろには到着日時が不確実な一般貨物がかなり減少するとともに、快速貨物からみなど列車を指定した電算管理の貨物の増加もあって滞貨になって困ったという事例を私の場合は駅から聞くことはありませんでした。
わずかに残っていた解結貨物列車のことは、いずれ日を改めて記事としてアップしようとは思っています。
明確な答えにならず申し訳ありません。
石橋そーけん
さっそくにお返事いただきましてありがとうございます。そして、すぐにお礼できませんで申しわけありませんでした。
丁寧なご説明、ありがとうございました。
成る程。発車時点でこの先の解結予定を把握してしまうのですね。車扱列車、特に解結貨物と聞きますと、到着日時が不明確、ゆえに終焉を迎えた的な説明がよくあります。そのため、自分の中では(先輩の話を聞いたことがあるにせよ)、闇雲に貨車を抱えて出発、途中駅でスッタモンダがあって、目的地に到着するような、アナログ?な列車だと思っていたのです。お話を伺いまして、ある程度のシステム化はされていたんだと理解を進めることができました。ありがとうございます。
…でも、足の長い列車、中間駅の多い列車の場合、発駅の配車係さんは大変そうですね。中央西線方面ですと、稲沢から塩尻まで分断はなかったのでしょうから、打ち合わせする駅もかなりあったのではないでしょうか。今後また、解結貨物のお話があるとの由、楽しみにしております。
しなの7号
解結貨物列車については、まだしばらく先にしかアップできませんが、予定はしております。
私の貨物列車での乗務範囲は、中央西線では稲沢~中津川だけでしたが、配車係がいて解結通知書を発行すべき駅は、多治見と中津川がありました。多治見と中津川では自駅の貨物取扱以外にも、解結貨物列車の配車業務を行っていました。もっとも、EL化され、専用列車化が進み、駅設備も改良され、小駅での貨物取扱が廃止されつつあった昭和55年ごろの中央西線での実態はといえば、昔ながらの慢性的な輸送力不足状態にあった解結貨物列車のようなことはなく、その逆の状況下にあった関西本線には、それらしい列車が残っていました。