期待外れ? 「タワマン節税」の落とし穴
しかし、片岡さんはすぐに大きな後悔を抱えることになる。
片岡さんがタワマンの購入を決めたのは2017年の年末だったが、実際に物件が引き渡されたのは2018年6月のこと。たった半年の違いが命運を大きく分けたのだ。
タワマン節税は、高層階と低層階で相続税評価額が変わらないため、より高額な高層階を購入した人は結果として相続税対策として“お得”になる、という仕組みだ。
タワマンは同じ間取り・床面積の部屋であっても、階が1つ上がるごとに物件価格が100万円上昇すると言われている。極端な例でいえば、高層階と低層階で1億円ほどの物件価格の差があったとしても、相続税評価額が変わらないということだ。その場合、相続税を3分の1から4分の1ほどまでに圧縮できるというのが「タワマン節税」のカラクリだった。
といっても、これが通用したのも2017年までのこと。タワマンに関しては、長年、その節税効果の高さが問題視されてきたため、ついに2017年の税制改正でメスが入ることとなった。その結果、2018年1月1日以降に引き渡されたタワーマンションから、高層階になるほど固定資産税が高くなるように計算方法が変更になったのだ。
「節税になるって聞いていたのに、こんなのってないですよ。セールストークに流されないで、ちゃんと自分で調べるべきでした。タワマンを買ったゴルフ仲間のように、これで自分も安心だと思い込んでいた……どうして誰も教えてくれなかったのでしょうか」