地主で資産家の片岡圭太郎さん(77歳・仮名)は、相続税対策に余念がない。一人娘に少しでも多く財産を残すべく、これまで入念に準備を重ねてきた。そんな折に不動産営業マンから「タワマン節税」の話を聞いて、俄然興味を持ったのは【前編】『節税のため「高級タワマン」を購入し、逆に「痛い目」を見た70代・資産家の大誤算』で紹介した通りだ。
ベイサイドのタワマンは品薄状態
ここ数年、首都圏のタワマンは供給不足の状態が続いている。タワマンに適する広い用地の確保が少しずつ難しくなってきているうえに、東京オリンピックの影響で建材や建築業者の手配が追いつかなくなってしまい、需要に比べて供給が少ない状態なのだ。“駅直結”など希少な立地のタワマンは販売開始と同時に申し込みが殺到、高倍率の抽選を勝ち抜けなければ買えない、という状況が当たり前のように続いている。
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片岡さんの住む横浜エリアも同じような状況だ。みなとみらいのタワマンは、10年前の販売価格の1.5倍にもなっているうえに品薄状態が続いている。ベッドタウンが広がる横浜市はもともとファミリー層が多く、さらに有名企業の本社や開発拠点、大学のキャンパス移転・校舎の新設が相次いでいる。
つまり、人がどんどん増えるのに住宅の供給数がなかなか増えず、横浜の人気エリアの住まいの希少価値はますます高まるばかりなのだ。