「いいなー、食べたいプイ」
「そんなに作ってないッス」
「前は作ってくれたのに…」
「記憶にないッスね」

○
「……プインパクトはね。ウマ娘の代表でなくちゃいけないの」

口を開けばそれしかないのか耳にタコができるくらいに聞いた言葉。
いい加減に嫌になって逃げ出した。

「あ！待ちなさい！」

本気になった私に追いつけるものなどいるものか。
それに私に「皆の目標になるように」走らせるのがお前らのやりたいことのはずだろう。
私はただ自由に走りたかっただけなのに。

「……どこかしら」

気づいたら私は見知らぬ場所にいた。周りには柵が沢山あり、近づくとバチバチと音を立てている。
まるで猛獣を封じ込める檻みたいだ。明かりも少なく人気もない。
ところがその柵の真ん中にぽつんと、ぼろっちい小屋があった。
後で知った事なのだけれどそれはプレハブというものらしかった。
私は誘蛾灯に釣られる昆虫のように小屋に近づいた。

じゅるじゅる、じゅるじゅる、じゅるじゅる、ぺろぺろ、はんぐ、んぐ、じゅるじゅる、ずずずずずずずずっ！

なにかの音がした。目の前にあるボロっちいコタツに入った女の子がその音の元凶のようだった。

「ん？　帰ってきたんスかik…誰スカアンタ」

ギロリと鋭い目でこちらを睨みつけてくる。

「人に名前を尋ねる時はまず名乗るのが礼儀でしょう？」
「あ゛？　人ん家に上がりこんできてそれはどうかと思うッス。ウチは…あー」

そこで何かに気づいたようで、少し苦笑いをして傍にあったマスクをつける。

「謎のマスクドウマ娘のオルッス。で、何なんスカ、アンタは」

確かに今は私のほうが招かれざる者だった。いつもはイヤでも向こうから来る相手ばかりで忘れていた。

「あ……ごめんなさい。私は……えと……デ……プイプイです」

私はもう自分の名前を名乗るのもイヤになっていた。

「プイプイッスか。知らない子ッスね。ウチはうどん食うのに忙しいッス」

「知らないですって？」

自分で言うのも何だけれど、私は学園どころかウマ娘の象徴みたいな扱いでそこいらじゅうに顔が載せられている。

「ウソでしょう？」
「知らないッス。そんな死にそうな顔したウマ娘は」

「……そんな顔していますか？」

私は私が想像していたよりもひどい顔をしていたらしい。

「そんな顔見てるとこっちまで気分が落ち込むッス。シッシ」
「……お邪魔しました」

私は何をしているんだろう…私は何がしたいんだろう…

「ああ、ちょい待つッス」
「はい？」
「具体的には3分」

空の金色の鍋に何やら色々と液体を注ぎ込んでいる。鍋の下には小さなコンロ。

「何ですか、これ」
「見て分からないッスか？　うどんッス」
「作ってるところ見たことなくて」
「はー、お嬢様なんスかね。知らないッスけど」

しばらく鍋を眺めているとぐつぐつと音を立ててきた。

「美味しそうですね」
「実際上手いッス。これがトレーナー直伝、ホントの鍋焼きうどんッス」
「そうなんですね」
「いやホントのホントは土鍋とか使うんスけど…まあ良いッス。ほら、出来たッス」

女の子はぶっきらぼうにこちらに箸を投げつけてきた。
慌ててそれを受け取る。

「食べていいんですか？」
「ウチはもう満腹ッス」
「……」

つまりそれはわざわざ私のために作ってくれたということだ。

「いただきます」

軽くお辞儀をして麺を口へ運ぶ。

「………」

ああ、これは美味しい。

「………」

うん、普段食べるものと違ってこれは本当に……

「……………………」
「いやそんな食い方してたら絶対不味いッスよ！？どんな教育受けてんスカ！」

だというのに女の子はものすごく不満そうに怒鳴りつけてきた。

「ええ？美味しいですよ？」
「いーや！！！絶対不味いッス！！！いいッスか！うどんっちゅーのはずぞぞぞーって音を食べて食べるから美味いんス！」

「でも……」

『……プインパクトは音を立てて食事をするなんて、はしたない真似をしたりしないの』

「うっせーッス！いいから騙されたと思ってやるッス！」
「……どうやって音を立てたらいいの？」
「こうッス！」

じゅるじゅる！

「……こう？」

……ずず

「もっと勢いよく！激しく！バキュームっするッス！」

ずずずずず！

「そう！　もっと激しく！いいッスよ！」
「……ほんとだ、美味しいです」

音が響くと、楽しい。

「もっと！もっとッス！どんどん吸うッス！」
「はい！」

●
「むかーしプイを連れ込んでいかがわしいことを教えたって変な噂でオルちゃんがURAに怒られたの覚えてないプイ？」

じゅるじゅる、じゅるじゅる、じゅるじゅる！

「なーんも記憶にないッスね。カレンの姉御がうどん食ってるだけの音声が何故か高値取引されてるのは知ってるッスけど」

結局プイ先輩に押されてうどんを作ってしまった。まあうどんが余ってたしついでッスついで。

じゅるじゅる、ずずずずずずずずっ！

「むう…プイには素敵な思い出なのに…」

そりゃあウチも覚えてないわけがないのだけれど。
アレで変に懐かれたし語尾をつけてみたらどうだと提案したらその通りにするし。
気づいたらうちのプレハブに入り浸ってるし。
何で懐かれたんだろうなあ、ウチ。

「あ」

足音が聞こえた。

「そろそろそこ退いとくといいッス」
「プイ？」

プイ先輩がコタツから出たとほぼ同時くらい。

「🥶 寒いー！ごっつ寒いわー！」

ガチガチと震えたトレーナーがプレハブに飛び込んできた。

「呼ばれるのは嬉しいけどごっつ寒くてなー？　寒くて参るわ参るわ言うてたら『マイルじゃないの？』『ﾏｲﾙﾖ』って一体何の話やーって😂」

喋りながらコタツに足を突っ込もうとしたところでプイ先輩と目が合う。

「あ……どうも😅」
「お邪魔しております」

ペコリと会釈するプイ先輩。さっきまでプイプイ鳴いてたのと同じ生き物とはとても思えない。

「ハハ…ほんと寒くて…お！うどんやん！🤣」
「……たまたま先輩と一緒に食ってたとこッス。ナイスタイミングッス」
「……」

ええい先輩、その生暖かい目を止めるっす。

「食べてええかオル？」
「いいッスよ」
「ほないただきます！」

トレーナーはそりゃあもう豪快に音を立ててうどんをすすりはじめた。

「……ちょっと、プイ先輩もいるんスから」
「オル、うどんっちゅーのはずぞぞぞーって音を食べて食べるから美味いんやで！　前も教えたやん！😄」
「へえー、そうなんですかー」

あー、今日のうどん、辛子利かせすぎたかもしれないっッスね。失敗ッス。


どうにも顔が熱くてしょうがないッス。


「……kmi……krs……」
「なんでや！？」

酒を飲んでる人の影響で怪文書書きました

プレハブ怪文書増えたな…

オルプイｷﾃﾙ…

>じゅるじゅる、じゅるじゅる、じゅるじゅる、ぺろぺろ、はんぐ、んぐ、じゅるじゅる、ずずずずずずずずっ！
卑猥なあれかと思った

絵文字でなんか笑った

(YouTubeに投稿されるきったない食べ方で鍋焼うどん平らげるディープインパクトの動画)

>>じゅるじゅる、じゅるじゅる、じゅるじゅる、ぺろぺろ、はんぐ、んぐ、じゅるじゅる、ずずずずずずずずっ！
>卑猥なあれかと思った
>「なーんも記憶にないッスね。カレンの姉御がうどん食ってるだけの音声が何故か高値取引されてるのは知ってるッスけど」
卑猥だよ！

このkmi顔文字のトレーナーは…！

>(YouTubeに投稿されるきったない食べ方で鍋焼うどん平らげるディープインパクトの動画)
めっちゃ人気出るやつ

カレンがうどんをすするだけの音声?（時価）

>「呼ばれるのは嬉しいけどごっつ寒くてなー？　寒くて参るわ参るわ言うてたら『マイルじゃないの？』『ﾏｲﾙﾖ』って一体何の話やーって😂」
こんなん笑うの会長くらいっスよ…

姉御の音声は時々んっ💗って声が入ってるんだろうな…

>カレンがうどんをすするだけの音声�（時価）
🐲買います

プイプイは食べるのが遅いから麺が伸びてそう

キボンヌはそこのプイプイ言ってる生物どう思ってるんだろうか…

>ぺろぺろ
この一ワードで急に卑猥になる…

>キボンヌはそこのプイプイ言ってる生物どう思ってるんだろうか…
（あとでユタカさんとこ連絡しとこ…）

>キボンヌはそこのプイプイ言ってる生物どう思ってるんだろうか…
>ペコリと会釈するプイ先輩。さっきまでプイプイ鳴いてたのと同じ生き物とはとても思えない。
だからトレーナーの前では皮被ってると思われる

>1640353063692.png
読売巨人軍の寮みたいになってる…

>こんなん笑うのズブウマトレーナーくらいっスよ…

なんでこんなプレハブ組は筆が速いんだ……

顔文字が入るキボンヌのセリフいいな…なんかそれっぽい

読んでくれてｱﾘｶﾞﾄｳ
イラストもとてもｳﾚｼｲ…

私ばっか言われてるけどオルフェちゃんもトレーナーさん来ると前髪めっちゃ弄る回数増えるプイ

つまりこたつで溶けてるときに誰かしら知らないひとが訪ねてきたらプイプイとディープインパクトを行ったり来たりする様を楽しめるわけか…

>キボンヌはそこのプイプイ言ってる生物どう思ってるんだろうか…
自分の担当バと仲良くしてくれてるトレセンの一生徒かな…

キボンヌはウマ娘第一だから分かってても何も言わないでくれるんじゃないか

>つまりこたつで溶けてるときに誰かしら知らないひとが訪ねてきたらプイプイとディープインパクトを行ったり来たりする様を楽しめるわけか…
見たい……めちゃくちゃ見たい……

それはそれとしてでした。が心配してたら心配を解きに行く気もする

>それはそれとしてでした。が心配してたら心配を解きに行く気もする
まあLANEなりで連絡はしとくだろうよ

息抜きさせといてって言われてそう…

レーン使って連絡を！？

レーンちゃんを使うなッス

タイホ。

慣れたらキボンヌのとこに行ってきますくらい伝えてるだろう…

小柄と溢れるスタミナを駆使して秘密の伝令をするレーンちゃんか…

最後に強烈なikオルをくらって死んだ
こういうのが読みたかったありがとう「」…

むぅ…NINJAレーンちゃん…

スペとかキタちゃんが最近ディープさん顔つき柔らかくなりましたよねーなんて言ってそう

舎弟にとってはなんでもない事が何よりも大切な思い出になってるプイプイはいいものだしクソボケトレーナーに対する舎弟を揶揄うプイプイもいいものだ

>むぅ…NINJAレーンちゃん…
もちろんシロニィが牽引してプレハブ小屋に行く

自分からはデレないけど不意を突かれて自爆するのが似合う愚妹よ…

読んだ
これからも気が向いたら書いて欲しい

きしめんを食べるカレンチャン…
「わぁーふとぉーい❤」

>きしめんを食べるカレンチャン…
>「わぁーふとぉーい❤」
龍王！！（バシィ

>きしめんを食べるカレンチャン…
>「わぁーふとぉーい❤」
(ヘッドホンで聴いてる🐉)

>きしめんを食べるカレンチャン…
>「わぁーふとぉーい❤」
こんなに太いの見たことなぁーい💚

>>きしめんを食べるカレンチャン…
>>「わぁーふとぉーい❤」
>こんなに太いの見たことなぁーい💚
(うどんASMRで悶々とするお兄ちゃん)

シロニイとクーちゃんは今頃袋抱えて走り回ってそうだ

>カレーうどんを食べるカレンチャン…
>「わっ❤️服についちゃった❤️」

ウマ娘うどんASMR……

葦毛食事ASMRですか…これは大きなシノギの予感がしますね…🐴

足音だけで誰かわかる舎弟はさあ…
そういや確かな情報か知らないけどバイクの音で原作の舎弟もikzeが来たって気付いたってﾋで見たな

「えっ？舌でお迎えするの？はしたなくないかなぁ…でもわかった♥」

怒涛の顔文字ラッシュでダメだった

姉御分かっててやってないッスか？

>シロニイとクーちゃんは今頃袋抱えて走り回ってそうだ
シロニィとソダシは雪の中走ると迷彩効果すごそうだなって

(掛かる🐉)

バカ売れしたあとにこっぴどく叱られそうなうどんASMRだ…

>葦毛食事ASMRですか…これは大きなシノギの予感がしますね…🐴
お
葦
誰

ウマ娘世界なんだからikzeだって美少女になってて良いだろ！
なんでこんなにおじさんなんだよ

そういえば腰痛「」師は元気にしているだろうかあのプレハブ小屋の続きが見たくなるわい...

>ウマ娘世界なんだからikzeだって美少女になってて良いだろ！
>なんでこんなにおじさんなんだよ
調子が良いときは芦田愛菜か橋本環奈

※なおikzeにはあまり効果がない

今だってジャニ系やし…

でもikze美少女になってもオッサンくさいと思う

>今だってジャニ系やし…
調子に乗るなっス

ハヤヒデバナナビデオとか岡部君が許すとは思えないし…

トレーナーが現れる怪文書は珍しいな……

出遅れた…いい馴れ初めだぜ