空自の次期戦闘機エンジン、日英が共同開発へ実証事業 来年1月から

松山尚幹
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 航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発について、防衛省は22日、エンジン部分の英国との共同開発に向けて、実証事業を来年1月から始めると発表した。エンジン部分以外の協力についても「実現可能性を検討していく」としている。

 次期戦闘機は2035年ごろまでの配備開始を目指す。開発方針について、政府は18年末の中期防衛力整備計画で「国際協力を視野に、我が国主導」と明記。昨年末に公表した「国際協力の方向性」では、米国との協力を中心としつつ、エンジンや電子機器などの各システムは、米英と「協力の可能性を追求していく」と記していた。

 防衛省によると、エンジン部分の実証事業には日本の重工大手IHIと、英国の航空機エンジン製造大手ロールスロイスの参加を見込んでいて、技術的に共同開発が可能かを確かめる。防衛省関係者によると、費用削減だけでなく、将来の輸出も視野に入れている。ロールスロイスも同日、エンジン実証機をIHIと共同開発すると発表した。

 政府は来年度当初予算案に、次期戦闘機の開発費858億円を計上する。岸信夫防衛相が22日、鈴木俊一財務相と合意した。(松山尚幹)