Tansaを知る
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Tansaは探査報道に特化したジャーナリズム組織です。「探査報道」とは、暴露しなければ永遠に伏せられる事実を、独自取材で掘り起こし報じることです。これまでは「調査報道」と呼ばれてきましたが、単なる調査ではなく、より深く取材するという意味を込め探査報道という言葉を使っています。英語では「捜査」の意味合いがある「investigation」という言葉を用い「investigative report」と言っています。
暴露するのは、政府や企業、犯罪集団組織などが隠蔽する不正です。テーマは、大きな力に虐げられている人々のために、何を変えたらいいかという視点で選びます。犠牲や被害の原因となる権力の不正を終わらせ、新たな被害の発生を防ぐため、着手したら事態が変わるまで報道を続けていきます。
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運営資金は読者からの寄付、財団からの助成金、探査報道ジャーナリスト養成学校事業での収入で賄っています。広告収入を受け取らず、スポンサーからの影響に独立した立場を守ります。社会を変えたいと願う誰もが、個々人の経済事情に関わらず、探査報道にアクセスできるよう購読料も取りません。
ジャーナリズムのグローバルスタンダードである、世界規模での連携を重視します。探査報道が挑む国家権力や企業は、すでに国境を越えて広く活動しているからです。Tansaは2017年、探査ジャーナリズム組織でつくる国際的アソシエーション「探査報道ジャーナリズム世界ネットワーク(GIJN)」に日本で初めて加盟し、公式メンバーとなりました。報道機関としては国内で唯一の加盟組織です。2021年現在、82カ国から211組織が加盟しています。
5つの約束
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1.旬のニュースを消費せず、事態が変わるまで報道します
Tansaは犠牲者を救い事態を動かすことを目指しています。読者の興味に合わせて次に移ることはしません。取り上げるテーマは犠牲者を救うために何を変えたらいいのかという視点で選びます。着手したら、事態が変わるまで粘り強く報道を続けます。
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2.手間ひまかけます
隠された事実を発掘するため、手間を惜しみません。「買われた記事」の初報は取材の本格着手から10か月、製薬マネーデータベースの作成には3000時間、消えた核科学者は7年半かかりました。記者クラブに所属して情報のパイを奪い合い、いずれ分かることを早く報道する。このような競争には私達は加わりません。
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3.最高水準の技術で臨みます
TansaはGIJNを通じて、常に世界中のパートナーたちとつながっています。GIJN主催の国際会議には、2017年の南アフリカ大会、2018年のソウル大会、2019年のハンブルク大会と3年連続で参加しました。探査報道を手がけるジャーナリストたちが持ち寄った最新の取材技術を、その都度吸収しています。私たちはこれまで34カ国の報道機関と協力して取材、発信をしてきました。あらゆる問題を国際的な視点で捉え、世界水準の技術を磨き続けます。
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4.顔色をうかがわず、全力でぶつかります
Tansaは常にジャーナリストとしての倫理を最優先して、取材相手に全力でぶつかります。権力や広告主に遠慮をすることはありません。取り得るあらゆる手段を使って、不正の事実と証拠を入手します。
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5.若手ジャーナリストを育成すると共に、技術は社会で共有します
インターネット上で誰もが情報を収集し発信できる時代では、ジャーナリストは職業人としてより高度な仕事が求められます。Tansaが運営する探査報道ジャーナリスト養成学校で、全国の若手ジャーナリストやジャーナリスト志望の学生を育成します。またTansaが日頃の取材で培った技術は社会で広く共有し、市民が的確な情報を収集して発信する手助けをします。
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沿革
Tansaの前身であるワセダクロニクルは2017年2月、早稲田大学ジャーナリズム研究所のプロジェクトとして創刊しました。「大学発メディア」として、ジャーナリズムの実践とジャーナリスト教育の両立を目指しました。創刊から1年後の2018年2月には、ニューズルームとしての責任をより明確にするため、大学から独立してNPO法人格を取得しました。ジャーナリスト教育に力を入れるという当初の目標は引継ぎ、2020年11月に探査報道ジャーナリスト養成学校を開校しました。
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受賞歴
- 2017年
- 日本外国特派員協会 「報道の自由推進賞」
- 2018年
- 反貧困ネットワーク「貧困ジャーナリズム大賞」
- 2019年
- Linked Open Deta チャレンジ Japan 2019 アプリケーション部門「優秀賞」
- 2020年
- 一社オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構「最優秀賞」
ジャーナリズム支援市民基金「ジャーナリズムXアワード大賞」
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チームメンバー
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渡辺 周
編集長
朝日新聞の社会部や特別報道部で16年間働いた後、独立しました。探査報道は、手間暇がかかる上に儲からず、訴訟リスクまであります。大手メディアも手を引きがちです。それでも「パンドラの箱を開けたい」という思いに駆り立てられています。趣味はマラソンと、住まいがある東京・赤羽でホッピーを飲むことです。
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アナリス・ガイズバート
リポーター
Tansaで国際コラボレーション、英語版ホームページなど担当しています。社会的なインパクトと豊かなストーリー性が両立する報道を目指します。読者が「遠く感じている」テーマに対して、新しい気付きや関心を抱いてもらえるよう頑張ります。
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辻 麻梨子
リポーター
強い力のかげで被害を受けている人のために、状況を打破できる事実を伝えます。大学時代にジャーナリズムを専攻し、現在は東洋経済でも記者をしています。全く新しいモデルで始まったTansaが継続的に質のいい記事を届けられるよう、広報面の運営も主導しています。
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中川 七海
リポーター
社会をより良くするために自分のエネルギーを使うことにワクワクします。大学時代は、東日本大震災の被災地で音楽イベントを立ち上げたり、ヒッチハイクで旅をしたりしていました。卒業後は世界最大の社会起業家ネットワークASHOKAで働き、不正義と闘って本当に事態を変えちゃう人たちに勇気づけられました。次は私がそうなります!大阪・堺出身。
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学生インターン
Tansaでは探査報道に興味を持ち、自発的に行動する高校生・大学生のインターン生を受け入れています。インターン生には情報の集め方から記事の書き方まで、スキルの全てを伝えます。卒業時には自身の探査報道作品を残すことを目標にしています。
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佐野 誠
ボランティア
理不尽な現状を変えようと奮闘するTansaの活動に共感し2020年に加わりました。私は大学で演劇学を学び、8ミリ映画を作り、音楽、美術、文芸にも親しんできましたが、探査報道と芸術は似ていると考えています。芸術もまたある種の真実を示すことで人々を変えていきます。そしてどちらもヒューマニズムを固く信じています。応援よろしくお願いします。
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国際アドバイザリーボード
・スティーブン・バトラー、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)アジアプログラムコーディネーター(米国)
・花田達朗、社会科学者(日本)
・ゲルト・コッパー、ドルトムントTU大学名誉教授(ドイツ)
・チャールズ・ルイス、探査報道ワークショップ 編集⻑・アメリカン大学コミュニケーション学部教授(米国)
・林怡蕿(リン・イーシェン)、立教大学社会学部教授(日本)
・松井香、一般財団法人JAPAN革新継承基金代表理事・JAPAN革新継承株式会社 代表取締役(日本)
・ロバート・J・ローゼンタール、探査報道センター(Reveal)元事務局⻑(米国)
・矢部寛明、認定NPO法人底上げ 理事⻑・東北芸術工科大学教員(日本)
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著作権および内容についての責任
当サイトに掲載されている著作物に対する著作権は、特定非営利活動法人Tansaに帰属します。 編集長は、当サイトに記載された事実関係や表明された意見に関して責任をもちます。特定非営利活動法人Tansaの法律顧問は公益社団法人自由人権協会代表理事の喜田村洋一弁護士です。
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