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星空Q&A

更新日 : 2019年3月20日

星のこと

星の誕生(たんじょう)について

 宇宙には星のもとになるガスやちりがあります。オリオン大星雲(だいせいうん)のなかでは、あちこちにかたまりができはじめています。かたまりはだんだんまわりのガスやちりの雲を集めて、大きく重くなっていきます。すると中心がおしつぶされて温度が高くなって、約百万度をこえると光りはじめ、新しい星が誕生します。太陽系(たいようけい)の中心の太陽もおよそ50億(おく)年前にこうしてできました。
 さて、できたばかりの太陽の近くでは強い力と熱のため、ちりは蒸発(じょうはつ)し、かるい水素(すいそ)やヘリウムはふき飛ばされ、おもに岩石(がんせき)と金属(きんぞく)からなる「地球型惑星(ちきゅうがたわくせい)」が誕生したとされています。また、できたばかりの太陽から遠いところでは、ガスやちりがたくさん残って、軽いガスを主な材料とする巨大な「木星型惑星(もくせいがたわくせい)」ができました。
 地球などの惑星ができたのは、太陽が生まれてから、比較的(ひかくてき)早い、数千万年ほどの間のできごとといわれています。

どうして星は年をとったら爆発(ばくはつ)するのですか

 太陽の約10倍をこえる重い星が年をとると、外から真ん中の鉄まで重い物質(ぶっしつ)が次々とできていきます。中心の鉄はかたまっても反応熱(はんのうねつ)を出さないので、その重みにたえきれなくなり、重力(じゅうりょく)のバランスをくずして大爆発します。その爆発のとき、鉄よりもっと重い金(きん)・銀(ぎん)・銅(どう)などがつくられます。この爆発を超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)といいます。
 今の地球には、鉄より重い、金・銀・銅などがありますね。
 ということは、今の太陽ができる前に、もっと大きな星があって、その星が爆発して、飛び散ったガスやちりを材料にして、今の太陽や地球ができたということになるのです。

星は何個あるのですか

 地球から人間の目で見える星の数は8500個くらいだと言われています。でも北九州ではまち明かりやもやなどのため300個くらいしか見えません。
 しかし、宇宙全体の星の数はとほうもないものです。
 太陽がある銀河系(けい)には2000億(おく)個の星がかがやいています。その銀河系のような星の集まりがおよそ1000億あるそうです。つまり、宇宙全体の星の数は少なくとも2000億個の1000億倍もあるのです。

1等星、2等星、3等星、どの明るさの星が一番多いのですか

等星 明るさ 個数(億)
1等星 1.4等星より明るい 21
2等星 1.5等星~2.4等星 67
3等星 2.5等星~3.4等星 190
4等星 3.5等星~4.4等星 710
5等星 4.5等星~5.4等星  2000
6等星 5.5等星~6.4等星 5600

星は、どんな形をしているだろう

 じつは、ほとんどの星の形は球(きゅう)なのです。でも、星はあまりに遠くにあるので小さな点になってしまいます。星がきらきらとまたたいて見えるのは地球の空気のゆらぎや人間の脳(のう)のしくみによるといわれています。宇宙飛行士が見る星の光は、空気をとおっていないので、きらきらせずに光っているだけです。
 星の光がまたたくのは、流れているきれいな川のそこの石がいつもゆらゆらと形を変えてみえるのと同じですね。

なぜ星は光るのですか

 星の光り方には二種類(しゅるい)あります。
 自分で光っている星は、恒星(こうせい)と呼ばれ、太陽もその一つで、銀河系(ぎんがけい)の中だけでも、およそ2000億(おく)個もあります。太陽のような恒星は水素原子(すいそげんし)4個がヘリウム原子1個に変わる時にでる、ものすごい核(かく)エネルギーで光っています。
光があたって光って見える星には、たとえば、月などの衛星(えいせい)、水星・金星・火星・木星・土星などの惑星があります。これらのは星は、自分では光らず、太陽の光を反射(はんしゃ)して光っています。

星までの距離(きょり)がどうやってわかるのですか

 (地球の近くにある)同じ天体をちがった場所から見ると、ほんのわずかですが、位置がずれて見えます。これを「視差(しさ)」といいます。 簡単に言えば、物を見るとき、左の目だけで見たときと右の目で見たときの物の見え方のずれのことです。
 この見え方のずれの大きさを使って、太陽や月、惑星(わくせい)など、地球の近くにある星までの距離がわかります。
 また、地球が太陽の周りを回る運動の性質と水星や金星のレーザーによる距離測定からも、地球と太陽の距離を求めることができます。
 視差やレーザーでは、測ることのできない、もっと遠い星までの距離は、違った方法を使います。
 いっぱんに、その星からやってくる光の色の性質(せいしつ)をくわしく調べると、その星のもともとの明るさがわかります。それを地球からみた見かけの明るさとくらべると、その星までの距離がわかります。

太陽に1番近い星、遠い星?

 太陽にもっとも近い恒星(こうせい)のアルファ・ケンタウリまで4、3光年、銀河系の直径(ちょっけい)が約10万光年、一番遠い天体(クエーサー)までがおよそ128億(おく)光年、宇宙のはてまでが約138億光年、と考えられています。
星までのきょりを表すには、「光年(こうねん)」という単位(たんい)を使います。宇宙で一番速い光が1年間かかり進むきょりを1光年とします。光は1秒間におよそ30万キロメートル[地球を7周と半分]進みますから、1光年は約10兆(ちょう)kmとなります。

星座(せいざ)は動いているのに、形がくずれないのはなぜですか

 星が動く理由は、地球が1日に1回転している(自転/じてん)ことと、地球が太陽のまわりを1年で1回転(公転/こうてん)していることにあります。
 星が動いて見えるのは、見ている人が動いているからです。
バスの中の人が景色をながめるとき、遠くの景色ほど、変わらないように見えますが、同じように星のならび方も変わりません。

地球から星までの距離(きょり)?

 光は、1秒間に30万キロメートル、つまり地球を7回り半します。その速さで地球から一番近い、月までがおよそ1.3秒(38万キロメートル)、太陽までおよそ8分19秒(1億5000万キロメートル)、アルファケンタウリ星までおよそ4.3年、シリウスまでが8.7年、北極星まで400年、アンドロメダ大銀河までが230万年かかります。

主な星までの太陽からの距離 (1光年は光が1年間に進む距離)
おおいぬ座 シリウス 8.7光年で、太陽に7番目に近い恒星
こいぬ座 プロキオン 11.4光年で、太陽に16番目に近い恒星
わし座 アルタイル 17光年
こと座 ベガ 25光年
北極星 400光年
オリオン座 ベテルギウス 500光年
さそり座 アンタレス 600光年
はくちょう座 デネブ 1800光年

星の大きさ?

 月の大きさは地球の4分の1、太陽の大きさは地球のおよそ109倍です。
 大きい星では、アンタレスは太陽のおよそ230倍、ベテルギウスは太陽のおよそ900倍の大きさがあります。彗星(すいせい)の本体は数キロメートルしかありません。流れ星にいたってはその正体は宇宙のちりで、1ミリメートルくらいの大きさしかありません。

星の重さ(「質量(しつりょう)」と呼びます)?

 星の重さは大きさと同じで、いろいろです。
 ところが、星の寿命(じゅみょう)は、主に生まれた時の星の重さで決まってしまいます。例をあげてみましょう。太陽をおおもとにすると、次のようになります。

 太陽の20倍   1000万年
 太陽の 5倍   1億(おく)年
 太陽の 2倍   10億年
 太陽と同じ重さ   100億年
 太陽の半分の重さ 2000億年

星の重さはどれくらいだろう

 太陽の重さは地球の重さの33万倍以上、木星は地球の318倍くらい、火星は10分の1くらい、月は100分の1くらいです。

地球上での物の重さと他の星での物の重さはちがうのですか

 その星が重いほど重力(じゅうりょく)が大きくなり、その星の上にある物は重くなります。例えば地球で30キロの物は、月では5キロ、火星では10キロ、木星では75キロくらいになります。

 星はなぜいろいろな明るさがあるのですか

 星の明るさのちがいには二つのわけが考えられます。
 一つ目は星までの距離(きょり)です。とても大きくて明るい星でも、地球からずっと遠いところで光っていたら、他の近くの星よりも暗く見えてしまいます。
 二つ目は星自身の明るさにもちがいがあります。星自身の明るさは主に中心で発生する核反応(かくはんのう)による熱(ねつ)の発生量(はっせいりょう)によります。燃料(ねんりょう)が多いと、どんどん燃えますから、最終的(さいしゅうてき)には、星の明るさはその星の重さによって決まります。
 いっぱんに明るい星は大きく、暗い星は小さいといって良いでしょう。

なぜ、星の色がちがうのですか

 色のちがいは、星の表面温度(ひょうめんおんど)のちがいです。なかには、若いときは、高温で青白く、年をとるにつれて、白、黄色、オレンジ赤と変わっていく星もあります。また、星の明るさは、星の大きさと表面の温度によります。大きな星ほど明るくなり、温度が高いほど青白く、低いほど赤いのです。

星はいつごろできたのですか

 ビッグバンで宇宙ができてから138億(おく)年くらいたっているといわれています。
 星は、重くて大きいほど明るくかがやきますが、燃料の水素(すいそ)をすぐに使いはたしてしまい寿命(じゅみょう)は短くなります。太陽の25倍の大きさの星は200万年の寿命しかありませんが、太陽は100億年の寿命があります。太陽ができてから50億年ですから、太陽はあと50億年も生きるわけです。
 つまり、宇宙ができてから今まで、たくさんの星が生まれて、死んでいっているのです。そして今この時も、宇宙のあちこちで新しい星が生まれているのです。

夜空の星では何色の星が多いのですか

 1等星(1.4等より明るい星)は21個ありますが、

青白 シリウス、ベガ、アルタイル、フォーマルハウト、デネブの5個
リゲル、アルケナー、ケンタウルス座ベータ星、南十字座アルファ星、スピカ、南十字座ベータ星、レグルスの7個
カノープス、ケンタウルス座アルファ星、カペラ、プロキオンの4個
オレンジ アークトゥルス、アルデバラン、ポルックスの3個
ベテルギウス、アンタレスの2個

 1等星にかぎれば、白い星が1番多いようです。
 星座を形作る明るい星を一つひとつ調べていくと、たまたま私たちに近い星が多いのですが、比較的(ひかくてき)遠いけれど大きく赤い星もあります。
 いっぱんには、白や青白い星ほど明るく、赤い星ほど暗いので、夜空にはたくさんの数の白や青白い星が見えますが、実際にはもっと多いはずの赤い星は少ないのです。

北極星(ほっきょくせい)はどうして動かないのですか

 私たちのいる地球は自転(じてん)といって、こまのように回転(かいてん)しています。そのため空の星は、見かけ上、動いて見えるのです。考えてみると、こまの軸(じく)の方向にある星は動きません。たしかに、北極星は、ほぼ軸の方向にあるので、ほとんど動きません。

夏の時期、冬の星座(せいざ)はどこにあるのですか

 じつは、夏の時期も、冬の星座は昼間の空に輝(かがや)いているのです。でも1等星の1200億(おく)倍も明るい太陽が空に見えるため、その光りが大気のちりに反射(はんしゃ)して青空となり、冬の星座は見えなくなってしまうのです。

夜しか、星はでないのですか

 昼間でも星はでています。しかし、1等星の1200億倍も明るい太陽が空に見えるため、その光りが大気のちりに反射して青空となり、太陽に比べてとても弱い光の星は見ることはできないのです。

なぜ毎日、星のでる数がちがうのですか

 地球は太陽のまわりを1年かけて公転(こうてん)していますので、私たちの夜の方向の景色(けしき)が少しずつ変わっていきます。

月や星がついてきているように見えるのはなぜですか

 近くの景色は動いていくけれど、遠くの景色は動かないのとまったく同じ理由で星や月は、見る人からあまりにも遠いので、見かけのずれ(視差/しさ)が小さく、ついてくるように見えるのです。

どうして星に名前がついているのですか

 星にはいろいろな名前が付いていますが、多くはギリシャ語やアラビア語、ラテン語などから神話(しんわ)や歴史的(れきしてき)なことにもとづいてつけられました。デネブ、アルタイル、ベガ、ベテルギウスなど明るくめだつおもな星にはほとんど名前がついています。それぞれ意味(いみ)があり、シリウスは「焼(や)きこがすもの」ものすごく明るいからです。カストルとポルックスはギリシア神話に登場するふたごの兄弟(きょうだい)の名前、アルタイルはアラビア語で飛ぶワシという意味だそうです。また、「すばる(プレアデス星団・せいだん)」や「南極老人星・なんきょくろうじんせい(カノープス)」など日本や中国の名前がついている星もあります。

流れ星や彗星

流れ星は、どうして流れるのだろう

 流れ星の正体は、大きさが1ミリメートルくらいのちいさなちりなのです。宇宙のあちこちに散(ち)らばっているちりと、秒速(びょうそく)30キロメートルの猛(もう)スピード動く地球が衝突(しょうとつ)します。衝突(しょうとつ)し、地球の引力(いんりょく)にひきよせられたちりが、空気とのまさつ熱で蒸発(じょうはつ)し光って見えるのです。ちなみに流れ星は、1秒間に19キロメートルから70キロメートルくらいの速さで、衝突(しょうとつ)、落下(らっか)します。流れ星はとても小さいので空気中で蒸発してしまい、地上には落ちてきません。
また、あるちりの種類(しゅるい)は、彗星(すいせい)の通り道にたくさん残されています。地球がそこを通ったときには、地球が掃除機(そうじき)のようにちりを吸い込んでたくさんの流れ星が飛びます。これを流星群(りゅうせいぐん)とよんでいます。

隕石(いんせき)はどうやってできたのですか

 流れ星となるちりにくらべて、大きな惑星間(わくせいかん)のちりが、何かの理由(りゆう)で、重力の大きい、地球、月や惑星の影響をうけて、太陽を回る軌道(きどう)をはずれ地球に飛びこんできたものであると考えられます。ふつうは重さが、数百グラム~数キログラムくらいですが、大きいものでは数十トンにたっする(げんざい発見されている最大のものはおよそ66トン)こともあります。また、小惑星(しょうわくせい)が月や火星などにぶつかったとき、月や火星の岩石が宇宙に飛び出して、地球に飛びこんできた、月起源(きげん)・火星起源の隕石もあります。

彗星(すいせい)とは何ですか

 とつぜん、夜空にあらわれて長い尾(お)をたなびかせる彗星(すいせい)は、むかしから悪いことが起こる前ぶれと考えられてきました。彗星の正体がわからなかった時代の人びとにとっては、ボウッとした頭部とそれに続く長い尾、そして夜空を日々動いていく彗星のすがたは、人の心をまどわす不思議(ふしぎ)なものとうつったでしょう。現在では、彗星は太陽のまわりをめぐる太陽系天体(たいようけいてんたい)の一員(いん)であることがわかっています。ハレー彗星や、最近の百武(ひゃくたけ)彗星、ヘール・ボップ彗星などはの天文界(てんもんかい)の大スターです。ハレー彗星は、周期(しゅうき)彗星として何度も太陽への接近(せっきん)をくり返しますが、ほとんどの彗星は1度だけ太陽に近づいてそのまま太陽系のかなたに消えていきます。また、彗星はふつう、地球の軌道(きどう)近くまで太陽に接近すると中心部に核(かく)と、それを取りまくボウッとしたコマ(かみの毛の意味)、そして尾ができるようになります。

彗星は、何年ごとにどんな天体(てんたい)がくるのですか

 彗星は、何度も太陽への接近(せっきん)をくり返すものと、1度だけ太陽に近づいてそのまま太陽系のかなたに消えていくものがあります。ハレー彗星のように、ある周期で太陽のまわりをまわっている彗星のことを「周期彗星(しゅうきすいせい)」といいます。さらに周期200年以下のものを短周期彗星、これ以上のものを長周期彗星と呼んでいます。最も周期の短い彗星は3.3年のエンケ彗星で、有名なハレー彗星は76年、ペルセウス座流星群(りゅうせいぐん)のもとのちりをまきちらすスイフト・タットル彗星は119年、百武彗星は数万年、ヘール・ボップ彗星は数千年の周期で太陽の近くにやってきます。

ハレー彗(すい)星はどうやってできたのですか

 最近、冥王星(めいおうせい)の外側を回る小さな天体のむれが見つかり、カイパーベルト天体と呼ばれています。太陽系(たいようけい)のなり立ちと深い関係(かんけい)がありそうだと注目(ちゅうもく)されています。もうひとつ、太陽系の周囲(しゅうい)に球状(きゅうじょう)にあるというオールトの雲とよばれるものが発見されています。
 カイパーベルトは円磐状(えんばんじょう)の場所にあって、太陽から40天文単位「てんもんたんい」(地球と太陽間の平均きょりを「1天文単位」といいます)から100天文単位のところにあります。これらの天体は、一番大きなもので大きさが200キロメートルくらいあると考えられています。
 これがハレー彗星(すいせい)やエンケ彗星など短周期彗星(たんしゅうきすいせい)のもとになったとも考えらえています。彗星は水素(すいそ)や揮発性(きはつせい)のものが豊富(ほうふ)なことから、太陽系(たいようけい)ができたときの微惑星(びわくせい)のなごりではないかと考えられます。この微惑星とは太陽系初期(しょき)に、衝突合体(しょうとつがったい)をくり返して惑星(わくせい)なったといわれるものです。
 さらに、彗星はカイパーベルトの外側でつながっているオールトの雲からやってきたと考えられます。このオールトの雲は太陽からおよそ1光年のところに球状に分布し、ヘール・ボップ彗星やウエスト彗星など長周期彗星(ちょうしゅうきすいせい)やかえってこない彗星のふるさとであると考えられています。

明るさの変わる星があるのはどうしてですか

 明るさの変わる星のことを変光星(へんこうせい)とよびます。変光星には2種類(しゅるい)あります。
 ペルセウス座のアルゴルのように暗い星と明るい星が対になっておたがいにぐるぐるまわって日食(にっしょく)のような「星食(せいしょく)」を起こすもの(食変光星、しょくへんこうせい)と、くじら座のミラのように、星そのものが大きくふくらんだり、ちぢんだりしているもの(脈動変光星、みゃくどうへんこうせい)です。
 ペルセウス座のアルゴルは明るい星と暗い星がはなれて、二つの星全部が同時に見えているときが一番明るく、くじら座のミラは一番大きくなった時が一番明るくなります。
 ペルセウス座のアルゴルは暗い星が明るい星をかくしてしまうときが一番暗く、反対に、くじら座のミラは一番小さくなった時が一番暗くなります。
 くじら座のミラはおよそ331日かかって、3等星から9等星の変光をくりかえし、ペルセウス座のアルゴルはおよそ2、9日で、2等星から3等星の変光をくりかえします。

太陽についての疑問

なぜ地球と太陽の距離(きょり)がわかるのですか

 (地球の近くにある)同じ天体をちがった場所から見ると、ほんのわずかですが、位置がずれて見えます。これを視差(しさ)といいます。
 かんたんに言えば、物を見るとき、左の目だけで見たときと右の目で見たときの物の見え方のずれのことです。
 この見え方のずれの大きさを使って、太陽や月、惑星(わくせい)など、地球の近くにある星までの距離(きょり)がわかります。
 また、地球が太陽の周りを回る運動の性質と水星や金星のレーザーによる距離測定(そくてい)からも、地球と太陽の距離を求めることができます。

太陽系内の星?

 太陽を中心として、惑星、小惑星、彗星、さらに惑星の間に散らばるガスやちりなど、太陽と重力で強く結びつき、起源(きげん)を同じくすると考えられる天体の集まりを「太陽系」といいます。太陽は太陽系のただ一つの恒星(こうせい)[自分で光る星]で、太陽系全体の重さ(質量・しつりょう)の99.866パーセントをしめています。
 今、知られている惑星は太陽から近い順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星(てんのうせい)、海王星(かいおうせい)の8個です。小惑星は、ほとんどが火星と木星の間にあって、発見されているものは7000個をこえています。
 太陽に近い水星、金星、地球、火星は「地球型惑星(ちきゅうがたわくせい)」と呼ばれ、おもに岩石状(がんせきじょう)の物質(ぶっしつ)からできています。
 火星より外側をめぐる木星、土星、天王星、海王星は「木星型惑星(もくせいがたわくせい)」とよばれ、おもに水素(すいそ)やヘリウムなどの軽い気体(きたい)からできています。また、惑星の周りを回っている衛星(えいせい)は数が多く、環(わ)をもっていることも特徴(とくちょう)です。
 もっとも外側を回っている冥王星[惑星ではない]は、とても遠く小さいので、くわしいことはよくわかっていませんが、木星型惑星ではないようです。

なぜ太陽は燃(も)えているのですか

 太陽は大量(たいりょうの)の水素原子(すいそげんし)からなり、たいへん重たいため中心部は、温度1500万度、圧力10億(おく)気圧の高温高圧で、4個の水素原子が1個のヘリウム原子に変わり、超大(ちょうだい)な熱がでてます。この核反応(かくはんのう)を私たちの燃焼(ねんしょう)にたとえて、燃料(ねんりょう)の水素が「燃えて」ヘリウムの灰(はい)になると説明しています。

太陽までの距離(きょり)?

 平均距離(へいきんきょり)で地球からおよそ1億(おく)4960万キロメートルあります。光の速さでもおよそ8分19秒かかります。

太陽の大きさ、温度?

 直径(ちょっけい)はおよそ140万キロメートル(地球の約109倍)です。
 表面の温度は約6000度です。中心部は、1500万度の高温です。

太陽の出る時間が季節によってちがうのはなぜですか

 地球は一日で自分自身も回りながら、太陽のまわりを一年かかって回っています。地球が自分で回るときの軸:じく(こまの軸を思いうかべてください)が太陽を回る面にまっすぐでなく、かたむいたまま太陽の回りををまわっているのです。地球上のあなたのいる場所では、太陽を回る軌道(きどう)の位置(いち)によって、太陽の見上げる方向(太陽の高さ)や太陽の見えている(夜と昼の)時間が変わります。
 地球儀(ちきゅうぎ)に電灯の光をあてながら、実験してたしかめてください。

太陽は爆発(ばくはつ)するのですか

 およそ50億(おく)年後、燃料(ねんりょう)である水素(すいそ)を使いはたした太陽は、しだいにふくれ出し表面の温度が低くなって、赤くかがやく「赤色巨星(せきしょくきょせい)」になります。このとき太陽は、金星近くまでふくらむと考えられています。
 太陽ぐらいの重さの星の場合は、赤色巨星になった後、外側のガスが広がっていき、大部分のガスを宇宙空間(うちゅうくうかん)に放出して、中心には高温で小さな「白色矮星(はくしょくわいせい)」という芯(しん)が残ります。やがてそれも冷えて、光を出さなくなります。太陽は爆発することなしに死んでいきます。
 太陽より10倍以上重い星の場合は、さらにふくれて超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ)を起こします。外側のガスはふき飛び、中心部はおしつぶされて「中性子星(ちゅうせいしせい)」になります。さらに、太陽の10数倍以上も重い星になると、中心部はかぎりなく小さくおしつぶされ、ついに「ブラックホール」になると考えられています。
 こうした星の死によってばらまかれたガスやチリは、ふたたび星を作るための材料になります。一つの星の死は、新しい星の始まりでもあるのです。

地球と月について

地球の自転(じてん)について?

 地球は、北極(ほっきょく)と南極(なんきょく)を結ぶ軸(じく)を中心にして、北から見て、西から東へ時計の針(はり)と反対の方向に一日に一回まわっています。これを地球の自転と言います。
 この地球の自転のために、太陽の光の当たり方はだんだんと変わって、昼と夜ができます。つまり、太陽の光が当たり始めたときが朝で、ま正面から当たるときが昼、太陽の光が当たらなくなると夜になるというわけです。

月の大きさ?

 直径(ちょっけい)は約3500キロメートル(地球の約4分の1)です。

月が形を変えるのはなぜですか

 月は太陽の光を反射(はんしゃ)して光っています。三日月のときは地球から見て月の太陽側、月の西側の一部が光っているのが見えます。半月のときは地球から見て、月の東半分か西半分が光って見えます。これは、月が太陽と西に90度、東に90度はなれた時に起こります。満月(まんげつ)のとき、月は地球からみて太陽の反対側にいて、月の全面が太陽の光に当たっています。

月のクレーターの大きさ?

 大きいものは直径(ちょっけい)が200キロメートルもあります。また、小さいものでは、岩石(がんせき)の表面に顕微鏡(けんびきょう)でなければ確認(かくにん)できないマイクロクレーターもあります。

月のクレーターはどうしてできたの

 多くは過去(かこ)何回かの隕石嵐(いんせきあらし)の衝突(しょうとつ)によりできたものと考えられますが、火山の噴火(ふんか)によるものもあるといわれてます。

昼間の月はなぜ見えるのですか

 昼間の月がよく見えるのは、月の東側がふくらんみ、半分欠けた下弦(かげん)の月です。このころ、月は夜半に東に出て、朝方ほぼ南にあり、昼には西に沈みます。月の輝いている部分は太陽の光を反射(はんしゃ)していて、月面の反射率は低い(7%)のですが、月のみかけの大きさが0.5度と大きいので、青空でも白く輝いて見えます。

月から地球を見たらどのくらいの大きさのですか

 地球から見た月のおよそ4倍の大きさの地球が、空のいつも同じ場所にかがやいていて、地球から見た月と同じようにみち欠けをしています。(地球:半径6400キロメートル~ 月:半径1780キロメートル)

なぜ、月にもようがあるのですか

 月には、アペニン山脈(さんみゃく)のような山の名前や、静かの海や霧(きり)の浅瀬(あさせ)のように、海にかんする名前があります。(これは、ガリレオがはじめて望遠鏡(ぼうえんきょう)で月をのぞいた時、海と思ったといわれるところから起こっているのでしょう。)
 しかし、これは見かけのよび名で、じっさいはそこを作っている石のちがいです。
 山の部分は白っぽい石で、でこぼこしています。海の部分は黒っぽく、山にくらべ平らに見えるのでこんな名前がついたのです。
 海の部分(もちろん水はありません)の黒いところのもようをを日本では「うさぎ」の形に見立てたのです。

月の誕生(たんじょう)?

 月の誕生には四つの説(せつ)があります。地球といっしょにできたとする「親子説」、地球の一部が飛び出してできたとする「兄弟説」、遠い宇宙から飛んできて地球の重力にとらえられたとする「他人説」、さらに今もっとも有力視(ゆうりょくし)されている説が「ジャイアント・インパクト説」で生まれたばかりの地球に大きな星が衝突(しょうとつ)し飛びちったかけらが集まって月ができたとする説です。

月の内部(ないぶ)のようす?

 月の内部は、地球の場合と同じ方法で調べることができます。そのうちもっともよい方法は、月の地震波:じしんは(月の地震を月震:げっしんといいます)の伝わり方をしらべる方法です。そこで、アポロ計画では月に月震計(げっしんけい)がおかれ、月震の観測が行われました。これらの月震データから、月内部には、地球ほど明らかではないけれども、いくつかの層(そう)があることがわかりました。
 表層から深さ60キロメートルまでのそうが、月の地殻(ちかく)です。ただし、60キロメートルという地殻の厚さは、月震計の置かれた場所の厚さを表すものであって、これが月の地殻の厚さの平均(へいきん)を表すものではありません。じっさい、その他の観測(かんそく)から、地殻の厚さが場所によって変化(へんか)していることが推定(すいてい)されています。とくに、月の裏側(うらがわ)では地殻の厚さが100キロメートル以上もあると考えられています。
 深さ60~300キロメートルのそうは、月の上部マントルといわれ、地球の上部マントルににていると考えられています。
 深さ300~800キロメートルのそうは、月の中部マントルといわれ、月をつくったはじめの物であると考えれています。
 深さ800キロメートル以上の深さのところはよくわかっていません。深さ1300~1500キロメートルよりあさいそうは、月の下部マントルで部分的にせよどろどろにとけていると考えられています。それより深い層(すなわち中心から半けい400~200キロメートル)は、核(かく)があると考えられています。
 月の核の大きさの情報(じょうほう)は、月がどうやってできたかに深い関係(かんけい)があります。
 日本の月探査計画(つきたんさけいかく)であるLUNAR-A計画では、月にぺネトレーターという月震計などをのせたヤリ型の装置(そうち)を月面に打ち込み、月震の観測を計画しています。

地球は時速(じそく)何キロメートルぐらいで、太陽の周りを回っているのですか

 地球の公転速度(こうてんそくど)は秒速(びょうそく)およそ30キロメートル、時速(じそく)およそ10万8千キロメートルです。

月の回り方と満ち欠け(みちかけ)?

 月はおよそ27日かかって地球の周りを回っています。これを公転(こうてん)といいます。
 そして、1ヶ月(約30日)かけて、満ち欠けをします。これは月が太陽の光を受けてかがやいているためです。また、月はコマのように自分で回っています。これを月の自転(じてん)といいます。地球を回る月の公転する周期と自転する周期が同じため、月はいつも同じ面を地球側に見せています。

太陽系の兄弟星

土星の環(わ)は何なのですか

 土星の環はななめからみるとドーナッツのように土星をとりまいていますね。横からみると1本の線、はばは場所によっては数十メートルしかないそうです。実はこの環、小さな氷のかけらの集まりだそうです。ほとんどが数センチから数十センチの氷や岩石のかけらだといわれています。みかけのすごさとちがい、環にはたいへん小さな物があるだけです。もし環を作っている物を一つのかたまりにかためてしまったら、大きさはせいぜい100キロメートルくらいにしかなりません。環を作っているかけらは、おもに水からできた氷と思われますが、あるいは表面が氷におおわれた岩石もあるかもしれません。
 なぜ環ができたのかは、土星のまわりを回っていた衛星(えいせい)一つが、土星に近づきすぎて、こなごなにこわされた破片(はへん)だとか、もともと土星ができたとき、まわりにたくさんあった小さな氷のつぶがそのまま残ったものだとか、いろいろな説(せつ)があります。

土星の環(わ)の大きさ?

 よく目立つ環(AとB)と、薄く見える環(C)が地球から見えます。(ただし、宇宙探査機・うちゅうたんさきボイジャーの写真は他にも4つのうすい環を示しています)
 土星の環は一番外側からおおよそA環・B環・C環にわけられます。
 A環の直径(ちょっけい)は、27万2000キロメートルです。(土星の赤道面の直けいは約12万キロメートル、ちなみに地球から月までのきょりが38万キロメートル)
 A環とB環の間には約4000キロメートルのすきまがあり、これをカッシーニの間隙(かんげき)とよびます。
 そしてB環の幅(はば)は2万6000キロメートルほどあり、環の中で一番明るくて、環が土星を横切るところには、土星の表面に環のこい影(かげ)ができます。
 最後にC環の幅(はば)は1万6000キロメートルで、土星面から1万4000キロメートルの距離(きょり)まで広がっています。C環はもっとも暗く、「ちりめん環」または「薄環(はくかん)」とよばれています。

惑星(わくせい)の名前の由来(ゆらい)は?

 宇宙の物質(ぶっしつ)のもとは、水、金属(きんぞく)、木、土、火であるとアリストテレスという2000年以上前のギリシャの哲学者(てつがくしゃ)は考えたそうです。惑星(わくせい)の名はそのような大昔の人々の考え方に由来しているのでしょう。

惑星の順じょ(太陽からのきょり)は決まっているのですか

 水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星(てんのうせい)・海王星(かいおうせい)と決まっています。
 海王星(かいおうせい)と冥王星(めいおうせい)[惑星ではない]は順じょが入れかわることがあります。1979年1月22日からほぼ18年間海王星の内側を冥王星が回っていました。今は海王星の外側を冥王星がまわっています。

火星に引力(いんりょく)はあるのですか

 万有引力(ばんゆういんりょく)といって、すべての物は引き合っていますから、火星も引力をもっています。でも、地球より小さく軽いので、表面にあるものを引く力(重力)は地球のおよそ3分の1です。体重30キロの人は10キロになってしまうというわけです。

火星に生物はいるのですか

 太陽系(たいようけい)のどの惑星(わくせい)にも生命の存在(そんざい)は確(たしか)められていません。地球に、一番よくにていると言われる火星でも、その表面の温度は生命にとって低すぎます。また、水も氷になって、地下にとじこめられているようです。大気もたいへんにうすく、地球の百分の一以下です。そして、その大気も95パーセントが二酸化炭素(にさんかたんそ)です。そのため、生命はいないだろうと言われています。
 しかし、火星から大昔に飛んできたと考えられる隕石(いんせき)の中に、大昔の火星微生物(びせいぶつ)のあとがみつかったと、1996年、アメリカのNASAが発表しました。約45億(おく)年前につくられ、約36億年前に火星の土の中にしみこんだ水の中に、火星微生物のあとが見つかったそうです。これが本当なら、大昔、火星が今より温かく水がたくさんあった時に、微生物が生きていたことになります。ただ、確かな証拠(しょうこ)とは、まだ言えません。これからの火星探検(たんけん)によって、本当のことがわかるでしょう。
 もし、火星で、地球とは別の生命が生まれていたとすれば、広い宇宙で、生命はありふれたものだということになります。つまり、この広い宇宙のあちこちで生命が生まれているかもしれないということになり、私たちの宇宙への見方が大きく変わることになるでしょう

人間の住める星が地球以外にあるのですか

 太陽けいの中には、そのままで人間の住める星は一つもありません。なぜなら、温度・空気や水の存在(そんざい)など、どの環境(かんきょう)も人間にとって過酷(かこく)だからです。でも、火星の地下には氷として水が存在しているといわれ、(地球の100分の1以下ですが)うすい大気や季節の変化もあります。
 「そう遠くない将来(しょうらい)、人類(じんるい)はこの地球に住み続けることができなくなる!?。」という人もいます。地球温暖化(おんだんか)などでそんな危機感(ききかん)が高まる今、科学者たちは他の星に移り住むための取り組みを本格的(ほんかくてき)に始めています。
移住(いじゅう)の候補(こうほ)にあげられているのはもちろん火星。
 他の惑星(わくせい)を地球のように改造(かいぞう)していく取り組み――「テラフォーミング」によって、火星に大気や海をよみがえらせ、人類が宇宙服をぬいで、ふつうにくらせるような環境(かんきょう)を作り上げようというのです。
 不毛(ふもう)の赤い星・火星は、テラフォーミング開始から百年から数百年で、地球と同じような水の惑星、青い星に変わっていくと考えられています。しかしこのころになっても、火星の大気は二酸化炭素(にさんかたんそ)が中心。――人間は酸素(さんそ)マスクをつけなくては生きてはいけません。
 どうしたら酸素を作れるのか。酸素を作る木々はどうしたら育てられるのか。テラフォーミングを進めることは、地球の複雑(ふくざつ)さを読みとくことでもあります。火星をテラフォーミングすることで、ぎゃくに地球の機能(きのう)がよくわかり、これによって地球をうまくコントロールできるようになるかもしれない、とも考えられています。
 そしてさらに、地球の三分の一の重力の火星に移り住むことは、人類の身体にどのような影響(えいきょう)をあたえるのか。それはかつて、人類が二足歩行を始めたときと同じように、人類にとって新たな進化の始まりになるかもしれません。
 地球人類から宇宙人類への進化。
 その第一歩を、私たちはすでにふみ出しています。
 西暦(せいれき)3000年には、人類はもうひとつの地球となった火星で、新たな文明をきずいているかもしれませんね。

星座のこと

星座はどのようにして見つけるのですか

 街(まち)明かりのない暗い場所で、15分くらい目をならし、方位を調べて、星座早見盤(せいざはやみばん)を使って見つけましょう。

四季でどのような星座が見えるのですか

 春─ おとめ座、しし座など
 夏─ さそり座、こと座など
 秋─ ペガスス座、アンドロメダ座など
 冬─ オリオン座、ふたご座など

いちばんたくさんの星からできている星座は?

 私の調べたところでは、はくちょう座とケンタウルス座の190個(6等以上)が最高です。

夏の大三角など、季節ごとの目印になる星のならびについて知りたいのですが

 春の大曲線では、北斗七星のひしゃくの形のえ(持つところ)のカーブを、南の方に自然にのばし、まず、うしかい座の一等星アークトゥルスを見つけます。そして、さらにカーブをのばすと、おとめ座の一等星スピカを見つけることができます。
 春の大三角は、春の大曲線で見つけた、うしかい座の一等星アークトゥルスとおとめ座の一等星スピカを結んだ線と、しし座のしっぽの星デネボラをつないでできる大きな三角形です。
 夏の大三角は、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブをつないだ三角形です。
 秋の四辺形は、秋の代表星座ペガスス座のどう体にあたる、四角形の星のならびで、秋の星座さがしの目印になります。
 冬の大三角は、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを結んでできる三角形です。

星座の数はどれくらいあるのですか

 はじめて星座を作ったのは、メソポタミア(今のイラク)あたりに住んでいた羊飼い(ひつじかい)の人々でした。それがギリシアに伝わり、神話(しんわ)や英雄(えいゆう)の物語と結びついたのです。今の星座は、1930年代に、世界中の天文学者が集まって決めたもので、全部で88個あります。
 星座のおこりは古く、紀元前3000年(およそ5000年前)の古代バビロニアの時代にまでさかのぼります。メソポタミアの羊飼いは、羊の番をしながら夜空を見上げ、明るい星に名まえをつけたり星のならびを結んで、天空に絵や図形をえがきました。これらのイメージは後にギリシャに伝わり、神話や伝説と結びついて、現在の星座のもとと星座神話ができあがりました。
 これらの古い星座は、紀元(きげん)2世紀ごろにアレキサンドリアの天文地理学者(てんもんちりがくしゃ)プトレマイオス(トレミー)によって48個にまとめられました。これを「プトレマイオス(トレミー)の48星座」といい、今の星座のもとになっています。その後、1930年にこくさい天文連合(てんもんれんごう)で正式に全天88星座が決められました。ただ、このときに正式に決められたのは、星座の名前とその境界線(きょうかいせん)だけで、星座のつなぎ方や星座絵については正式なものはありません。

月ごとの星座はどのようにしてきまるのですか

 たん生日の12個の星座は、1年の太陽のとおり道にあたる12個の星座を太陽が通る順番にならべたものです。でも、たん生日のころはその星座の近くに太陽があるため、その星座を見ることはできません。例えばさそり座は10月と11月のたん生星座ですが、7月頃、南の空に見えます。つまり、自分のたん生の月から3か4ヵ月引いた月が、自分のたん生星座の見ごろとなるわけです。

たくさんの星座の中で誕生日(たんじょうび)の星座が決まっているのはなぜですか

 天球上の太陽の通り道である黄道(こうどう)に沿って12の星座(おひつじ、おうし、ふたご、かに、しし、おとめ、てんびん、さそり、いて、やぎ、みずがめ、うお)が決められています。せいかくには、へびつかい座をふくめた13の星座となりますが、ふつうはへびつかい座は入りませんね。誕生日の12星座は何千年も前に決められたので、今の太陽の通り道からは少しずれてしまっています。今の太陽の通り道に従うと星座と誕生日の関係は次のようになります。

うお座 3月13日~ 4月19日 てんびん座 11月 1日~11月23日
おひつじ座 4月20日~ 5月14日 さそり座 11月24日~11月30日
おうし座 5月15日~ 6月21日 へびつかい座 12月 1日~12月18日
ふたご座 6月22日~ 7月20日 いて座 12月19日~ 1月19日
かに座 7月21日~ 8月10日 やぎ座 1月20日~ 2月16日
しし座 8月11日~ 9月16日 みずがめ座 2月17日~ 3月12日
おとめ座 9月17日~10月31日    

銀河系のこと

銀河(ぎんが)の中心は、どのようになっているのですか

 ふつうの銀河の中心は、星やガスやちりがたくさん集まっていてす。
 活動銀河(かつどうぎんが)[電波銀河(でんぱぎんが)・クェーサーなど、ふつうの銀河に比べて、強い電波やX線を出していたり、中心がきわめて活発な活動を示している銀河]の中心にには巨大ブラックホールがあるといわれています。活動銀河のエネルギーは、巨大ブラックホールにまわりからガスが落ちこんだ時に放たれる、重力エネルギーでまかなわれていると考えられてれています。

宇宙の誕生

宇宙はいつどのようにしてできたのだろう

 宇宙は、時間も空間も物もなんにもない「無」だっと言われています。ところが、およそ150億(おく)年前、宇宙の1点でゆらぎおこりました。そして、それはビッグバンとよばれる大爆発(ばくはつ)につながりました。宇宙は1000億度という超高温(ちょうこうおん)で広がりはじめたのです。
 ビッグバンによって、宇宙がどんどんの広がってくると、宇宙はだんだん冷えはじめました。30万年がたつと、宇宙の温度は3000度~4000度まで下がり、水素(すいそ)やヘリウムという、星をつくっているガスができてきました。光もまっすぐに進めるようになり、宇宙が透明(とうめい)になってきました。これを「宇宙の晴れ上がり」といっています。
 「宇宙の晴れ上がり」のあと水素やヘリウムのガスのかたまりから、銀河がつくられました。赤ちゃん銀河の誕生(たんじょう)です。そして赤ちゃん銀河は、やがて1000億個以上といわれる、さまざまな銀河に成長しました。私たちが見る天の川(銀河系)は、この1000億個の銀河の一つです。
 そして、それぞれの銀河の中にたくさんの星が誕生(たんじょう)しました。
 私たちの太陽は、天の川(銀河系)の中の2000億個の恒星・こうせい(自分で光る星)のうちの1個にしかすぎません。

なぜ、ビッグバンが起きたのですか

 ビッグバン宇宙論(うちゅうろん)だけで、どうしても説明(せつめい)できないのがこの問題です。「なぜビッグバンが起きたのか」という疑問(ぎもん)に答えられないこと、また、宇宙誕生(うちゅうたんじょう)の瞬間(しゅんかん)、「時間ゼロ」の時、宇宙の大きさもゼロなのに、そこに、無限(むげん)といってもよいほどの大きさのエネルギーがつめこまれてるというのは、とてもおかしいことです。
 そこで登場したのがインフレーション理論(りろん)でした。今のところ、宇宙誕生のモデルはビッグバン理論に、インフレーション理論を合わせたものとされています。インフレーション理論とは、ビッグバンの一しゅん前に、「無」から誕生した原子(げんし)や素粒子(そりゅうし)という今知られているもっとも小さいつぶよりも、もっともっと小さいミクロサイズの宇宙が、急激(きゅうげき)なスピードでふくらんでいたとする考えです。そして、そのすぐ後に大爆発(ばくはつ)「ビッグバン」が起きたというのです。

宇宙には何が存在しているのですか

 太陽系(たいようけい)には太陽・惑星(わくせい)・衛星(えいせい)・小惑星・彗星(すいせい)など
 銀河系(ぎんがけい)には、およそ2000億(おく)個の恒星・こうせい(太陽と同じ自分かがやく星)、たくさんの星団・星雲(せいうん)、気体やちりの巨大分子雲(きょだいぶんしうん)などの星間物質(せいかんぶっしつ)があります。
 そして、銀河系の外には、約1000億のべつの銀河などがあります。

宇宙についての疑問

スペースデブリはどうしてできるのですか

 人類が打ち上げたロケットや人工衛星(じんこうえいせい)の残骸(ざんがい)が宇宙のごみとして、地球のまわりを回り続けているそうです。4000トン以上にもなるこの宇宙ごみが「スペースデブリ」の正体です。
 大切な役割をしている放送衛星(ほうそうえいせい)や気象観測衛星(きしょうえいせい)などをどうやってスペースデブリとの衝突(しょうとつ)から守るかが重要な問題になっています。また、スペースデブリを残さないロケットや人工衛星の研究も進められています。

宇宙にいくとなぜ浮(う)くのですか

 スペ-スシャトルの中でふわふわと体や物が浮くのは、エレベーターで一気に下の階(かい)におりる時のフワッとする感じずっと続いてからです。地球の回りをまわる続けるということはちょうど良いスピードで作る遠心力(えんしんりょく)と引力(いんりょく)がつり合い続けているということです。その時、スペースシャトルの中は無重力(むじゅうりょく)になっています。もし、エレベーターもずっと落ち続けることができたら、ついには無重力になって、中にいる人や物はふわふわと浮き上がることでしょう。

なぜ宇宙服を着るのですか

 宇宙船の中では、空気の供給(きょうきゅう)がうまくコントロールされていますが、船外に出る時はとく別の防護服(ぼうごふく)が必要です。
 宇宙空間には、生きるのに必要な圧力や酸素(さんそ)を供給する大気がないので、船外の探査(たんさ)やその他の作業をするためには、船内と同じ環境が必要です。十分な気圧がないと、体内の液体は熱せられて沸騰(ふっとう)してしまいます。酸素がないと、呼吸(こきゅう)することができません。太陽にあたるところは高温となり、影は低温となります。
 スペースシャトルの外で作業するときは、船外活動ユニット(EMU)を身につけます。このユニットは、いろいろな飛行士の体形に合うように色々組み合わせができるパーツがあります。こうすることで、再利用(さいりよう)ができるので経済的(けいざいてき)です。EMUには、液体冷却服(えきたいれきゃくふく)が取りつけられています。これはスパンデックス(ゴムににたポリウレタン製の合成繊維・ごうせいせんい)でできたつなぎ服で、着ているとすずしく感じます。この他ヘッドフォン、マイクロフォン、水を入れるバッグ、酸素が入った生命維持装置(せいめいいじそうち)、集尿器(しゅうにょうき)があります。また、グローブ、ヘルメット、サン・バイザー(日よけ)もついています。これらはすべて、宇宙飛行士を宇宙のちり、日射、赤外線、気温と気圧の変化、そして酸素の欠乏(けつぼう)などから守るために必要です。
 宇宙遊泳中の宇宙飛行士は自由に動きまわれるように、有人軌道(ゆうじんきどう)ユニット(MMU)をつけます。MMUは窒素(ちっそ)ガスで推進(すいしん)するバックパック(せおいばこ)で、これで飛行士は正確に動くことができます。また、遊泳中に写真を撮れるよう、MMUには35ミリのカメラが取りつけられています。
 地球上では、EMUとMMUの重さは、それぞれ48、6キログラム、140、7キログラムですが、無重力の宇宙では、重さは問題にはなりません。

宇宙でトイレはどうするのですか

 スペースシャトルのトイレは空気吸引(きゅういん)式、しくみはそうじ機に近いものです。
 無重力(むじゅうりょく)では水が流れませんから、シャトルのトイレも水洗ではありません。ミッドデッキの一角に男女兼用(けんよう)のトイレがあり、形は地上のものとにていますが、トイレにはちょっとしたしかけがあります。飛び散ったりしないように、空気で吸引して、そのあと真空(しんくう)にして乾燥(かんそう)させてしまうのです。

宇宙はどうして暗いのですか

 こんなに星がいっぱいあるのにどうして宇宙は暗いのでしょう。それは星と星がおたがいにものすごくはなれていることと、宇宙がものすごいいきおいで広がっていることもかんけいしているようです。

宇宙に空気がないのはなぜですか

 地球に住んでいると空気があることが当たり前のようですが、(宇宙という入れ物が、あまりに大きいため)じつは「空気がある」ということの方がめずらしいことなのです。
 空気は地球の重力(物をひっぱる力)によって、広大な宇宙に散って行かず地上に残っているのです。もし、地球の重力がもっと小さかったら空気は宇宙へと散ってしまい、月のようにまったく空気のない世界になってしまうことでしょう
 また、一番地球によくににていると言われる火星には、地球の百分の一以下のたいへんうすい大気があります。でも、その95パーセントが二酸化炭素(にさんかたんそ)です。酸素(さんそ)はありません。植物が存在していないからです。地球の酸素は、地球の植物たちが何十億年もかけて、二酸化炭素を酸素に変えて、作り出した物なのです。

宇宙の温度は?

 宇宙はとても冷たい世界です。今の宇宙の温度は、-270.4度と観測(かんそく)されています。太陽のような恒星(こうせい)の温度がいくら高くても、それぞれの星をとりまく星間(せいかん)はあまりにも大きいので光は薄(うす)まります。したがって、宇宙は冷たいのでしょう。

宇宙人は本当にいるのですか

 銀河系(ぎんがけい)には2000億個の星が輝いています。その銀河系のような星の集まりが1000億あるそうです。つまり、太陽のように自分でかがやく星が少なくとも2000億個の1000億倍もあるのです。この数をみると、だれにも未知(みち)の生命体が宇宙にいることを否定(ひてい)できません。また、地球人のように高度な文明を持った生命体のそんざいも十分に考えられるのではないでしょうか。

宇宙は永遠(えいえん)に続くのですか

 遠い宇宙のきょりは光年という長さではかります。
 1光年は光が1年間かかって進む長さです。
 地球から見てもっとも遠い天体は14000000000光年の遠くにあります。ここが私たちの宇宙のはてだと考えられています。
 ところが、私たちの宇宙の外には、またべつの宇宙があると考えられています。この外の宇宙はどんなに大きな望遠鏡(ぼうえんきょう)ができたとしても、私たちには見えない宇宙なのです。

 例えば、1枚の画用紙を用意したとします。画用紙にまるを書いてください。今度は、画用紙をうら返してバツを書いたとします。まるとバツをいっしょにみることはできせまん。ところが画用紙のはしを丸めてみれば、まるとバツの一部分を同時に見ることができます。そうなのです。宇宙より大きな人がいて、その人が宇宙を丸められるとすれば、その人は両方の宇宙を見ることができます。
 このように、宇宙の外から宇宙を見ることを、次元(じげん)を超(こ)えるといいます。
 次元を超えなければ本当の宇宙の広さはわからないのです。

ブラックホ-ルはどのようにしてできたのですか

 星の表面にある物が、星の重力(じゅうりょく)をふりきって外に出て行くには、あるてい度の速さが必要です。このための最低の速さのことを脱出速度(だっしゅつそくど)と呼びます。たとえば地球表面の脱出速度は、秒速(びょうそく)およそ11キロです。地上から秒速11キロ以上で上にほおり投げられた物は、地球からはなれて宇宙空間へ飛び去ることができます。
 星が重くなるほど重力は大きくなりますから、脱出速度は星が重いほど大きくなります。脱出速度が光の速さ(秒速30万キロ)をこえるような星も存在(そんざい)すると考えられますが、そのような天体では、光さえも外に出ることができないことになり、その星は決して外からは見えないことになります。このような天体をブラックホールと呼んでいます。
 ブラックホールはふつう太陽より10倍以上大きな星が爆発してできますが、銀河の中心にもブラックホールがあることが確かめられています。

ブラックホ-ルに入ったらどうなるのだろう

 ブラックホールは星の墓場(はかば)です。近づいた物をうずをまいてすいこみますが、すいこまれたものは決して出てくることはありません。ブラックホールの中にすい込まれた物は、おしつぶされ、重さはあるけど形がほとんどないということになってしまします。すい込む力はそのものすごい重さによる重力(じゅうりょく)が生み出すのです。

ブラックホールは本当にあるのですか

 ブラックホールの存在(そんざい)は、ハッブル宇宙望遠鏡(うちゅうぼうえんきょう)によってたしかめられています。もちろんブラックホールが見えたのではなく、すいこまれていく星が出す強力な電波をとらえたのだそうです。ブラックホールは、太陽の30倍以上の大きな星がばく発した後や銀河(ぎんが)の中心にできるそうです。
 また、1995年には、日本の国立天文台野辺山(のべやま)宇宙電波観測所がM106銀河の中心に巨大ブラックホールを発見しました。これはふつうの銀河に発見された最初の巨大ブラックホールで、以後多くの銀河に巨大ブラックホールが発見されています。巨大ブラックホールがなぜできるのか、今研究が進んでいます。

ブラックホールの大きさ?

 太陽と同じ重さのブラックホールの大きさは、およそ3キロメートル(ちなみに、太陽の大きさは、半径およそ70万キロメートル)で、かぎりなくぎゅうぎゅうづめです。そして、そのブラックホールからおよそ9キロメートル以内に入ったものはすべてとじこめられてしまいます。これが、太陽の10倍くらい以上の大きさの星がばく発したあとにできるといわれているブラックホールです。
 ところが、ハッブル宇宙望遠鏡(うちゅうぼうえんきょう)がとらえたM87銀河(ぎんが)の中心部には太陽の24億(おく)倍の重さの集まっていることがわからました。これは中心に巨大ブラックホールが存在(そんざい)する証拠(しょうこ)だと考えられ、巨大ブラックホールの大きさは太陽系(たいようけい)くらいの大きさにあたる70億キロメートルと推定され、銀河の中心にあるといわれています。

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子ども家庭局子育て支援部児童文化科学館
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