新作スリングライフルの口径について

新作はダボ仕様で上下コ型フレームの8mm連発式にする予定だったのですが、いろいろ考えを巡らせ,実験を重ねるごとに「ぶっちゃけただのLeopald2でいいのだろうか?」と思うようになったのです。


この設計図なんかは完全に「上下角パイプをコ型フレームに置換しただけのLeopald」でしかないわけで、大学時代のように無限の時間を使えるわけではない現在において、ただのマイナーチェンジを作るのはあまりに時間が惜しい。しかもここにきて、「あれ?9mmダボってそんなに悪い弾じゃないんじゃないか?」と思うようになりました。










この画像は各種ケルダボを比較したものです。10㎜と8mmというこれまでの2大頭を比較すると、10㎜は8mmにくらべ一回り大きく(17mmと13mm)、重量も9.75gと4.80gと、2倍近くあります。
この二つの弾を同じゴムの条件で撃ち出すと、Talon3と4での差のように、低速重量弾と高速軽量弾のような顕著な性格の差が出ます。本当に.45ACPと9㎜Paraのようなはっきりとしたキャラクターの違いがあるので結構面白いところです。つまり.45ACPの欠点である、「デカすぎてマガジン容量を喰う・低初速ゆえの山なり弾道」は10㎜に、9㎜Paraの欠点である「軽量ゆえの低威力」は8mmにそれぞれあると言えます。低初速だの低威力だのいっても、輪ゴム時代の50mpsが基本だったころとは次元の違う領域ではありますが……とにかく相対的にみると10㎜は初速が低く、8mmはエネルギーが低いのが欠点なのです。


私が作るダボ弾仕様のスリングライフルは全て狩猟での使用を前提として設計しています。つまり、11月15日から2月15日という、1年でもっともゴムが性能を発揮できない時期でも十分なパフォーマンスを発揮できねばいけません。これまでの実験から、レール式スリングライフルからダボを発射したときは以下の表のように初速が変化します。

つまり、25℃で70mps・24J出る10㎜ダボでも、猟に使うときは10℃そこらの気温で撃たねばいけないわけで、そうすると推定55mps・14.8Jまで落ちることが予想されます。55mpsってのはかなりの山なり弾道なので、シビアな距離の測定と照準が求められます。
8mmだと10℃で推定67mps・10.7Jと、初速はそれなりの値になりますが、10.7Jってのは結構ショボいのでもうちょっと威力がほしいところですよね。




そこで9mmダボが生きてくるのです。
9mmと8mmでは、全長は1mm、重量は1.65gほどの差しかありません。
新作で「上下コ型フレームを採用する!」と息巻いているのは、レール間の上下隙間を細め、弾の中心軸に配置させることにより弾への掛かりを補正し、3mm・4mmといった細く軽量の弾受けを使用可能にする効果が見込まれるからです。
3mmや4mmの弾受けを使えば現在の5mmから1.65g軽量化するのは容易いので、8mmダボと同じ初速で9mmダボが撃てるのではないかと考えています。
つまり、
6.35/4.80×100=132%
気温25℃のとき21.3J
気温10℃のとき14.1J

と、現状のスリングライフルの中ではかなり高性能になることが予想できます。
8mmのフラットな弾道で10mmに近い威力。理想的ですよね。
そういうわけで、現在作っている新作は口径9mmでいきます。Leopald2でもなくなるのでデザインも替えます。よろしくね。


9㎜ダボが実弾でいう.40S&Wの位置になるといいのですけど。
もっとも、現状は両者のいいとこどりの理想的な弾ですが、軽量弾受けを使えるようになれば8mmも10㎜ももっと高初速になり、中間的な、中途半端な地位に収まるはずです。しかし1年に1〜2挺しか作れない現状では地位が脅かされるのも大分先の話です。


おまけ
酔った勢いでTwitter始めました。スリングライフルで検索かければ一発で出るので良ければ見たって下さい。
ブログだとどうしても文長くなっちゃうので、パッと思いついたアイディアとか制作記録をTwitterのほうでさくっと書いて、検証とか紹介とか詳細的なことは後日ブログで書く感じで行きます。

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