息子さん大いに語る「レール式スリングライフルの分類」

機関部が完成しそうなこともあり制作欲求が大いに高ぶってます。人間の3大欲求に「制作欲」を含めてもいいんじゃないかな? 近所の家と明日の仕事さえなければ徹夜でフレーム削るんですが。

さて、私がレール式スリングライフルを作り始めて9年が経ちました。
その間に計画倒れ含めて25作品、妄想に留めるのみだったものを合わせると……ちょっと数がわかんないんですけど、まあ大分作ってきました。
9年というとそれなりの歴史があるもので、技術力の進歩によってさまざまなレール式スリングライフルが生まれては物置に消えていきました。
皆様お気づきかと思いますが、私の作品群にはいくつかの転換期があります。 例えば、「木製フレーム」から「角パイプフレーム」への切り替わり、「単発」から「連発」への切り替わりなどです。
それらをざっと振り返ってみて、レール式スリングライフルを大まかにいくつかの世代に分類してみようと思います。
今回の分類はあくまで、レール・フックが一対のものしか分類しておらず、複数のレールを持つガトリング方式や連装式、単一レール内に複数の弾受けとフックがある方式などはまた別のカテゴリに入ると思うので対象外です。





第一世代


特徴
・木製フレーム
・一体型トリガー(T字ステー削り出しトリガー)
・前装式


制作に要求される技術力が最も低いのがこの世代であり、レール式スリングライフルの基礎であります。
フレームを木材で作っているので強度確保のため全体的に太くなりがちで、トリガー位置の調整がシビアで信頼性に欠けます。……信頼性に欠けるっていうか、簡単に暴発する危険極まりないトリガーになるのでトリガー軸の位置決めとフック形状の加工は細心の注意が必要になります。
パーツ点数が最も少なく、金ノコ・金ヤスリ・ナイフ・キリ・ドライバー等、基本的な工具さえあれば作れるのも特徴です。電動工具も必要ないので、騒音問題も発生せず、住環境に左右されず制作可能です。……人力でT字ステーからトリガー削り出すのとM字レールへの溝堀りは苦行以外の何物でもありませんが、出来ないことはありません。
初速や精度といった、「弾を高速で性格に飛ばす能力」はゴム・弾・レールの3点で決まるので、この世代でも(レール式の中では)十分に高初速・高精度のものを作ることができます。そのため、外観や機構にこだわりがないならこの世代を作っとけば間違いありません。



第二世代

特徴
・金属角パイプフレーム
・一体型トリガー
・前装式
第一世代のフレームを木材から金属角パイプに替えたのがこの世代です。
第一世代のフレームは木材だったため上下にM字レールが必要でしたが、こちらはフレームが金属角パイプであるため、M字レールは上下どちらかにしか必要なくなりました。金属角パイプフレームと相まって上下幅を大きく抑えられ、非常にスリムに作ることが可能です。しかし、一体型トリガーであるため信頼性に欠けたままです。
金属を多用するため電動工具を使った金属加工が要求され、第一世代よりも制作難易度は高めで、騒音も発生するので住環境によっては制作不可になってしまいます。
実際のとこ、電動工具で角パイプを削れるなら第三世代も作れるはずなので、開発過渡期の中途半端な構造といった感じですが、「第一世代は太すぎて不格好で嫌いだけどバリバリ金属削って機関部作る気なんてないよ」って人にはちょうどいいかもしれません。
角パイプ・パイプを4本束ねたフレームのスリングライフルもこの世代に該当すると思います。


第三世代



特徴
・金属角パイプフレーム
・分離型トリガー
・前装式
T字ステー削り出しの一体型トリガーから、フック・シアー・トリガーの3パーツで構成された機関部に切り替わったのがこの世代です。
鋼材からの削り出しパーツが多くなり、制作にはそれなりの技術力と電動工具が要求されます。
機関部・ヨーク・弾受けの構造は人それぞれでしょうが、角パイプフレームと機関部があって前装式ならこの世代でいいんじゃないかと。


第四世代

特徴
・金属角パイプフレーム
・分離型トリガー
・後装式手動給弾
第三世代が後装式になったのがこの世代でしょう。しかし自動給弾(コッキングと連動してレール内に弾が送り込まれる)は搭載されておらず、コッキングの後別途で弾込め動作が必要になります。弾倉はあってもコッキングと弾込めが連動してない機種なんかもこの世代でいいんじゃないでしょうか。
木製フレームで一体型トリガーでも、「レールの側面を削って弾の通る窪みを作る」という方法で後装式手動給弾に出来るのですが、あれは第四世代扱いしていいものか……私あの窪みに弾受けが引っかかってレールごと発射しちゃってからあの方式が大嫌いになってんので、あんまり考えたくないのですけども。


第五世代



特徴
・金属角パイプフレーム
・分離型トリガー
・後装式自動給弾
コッキングに連動して弾がレール内に送られる機構を持つのがこの世代で、人力駆動するものの終着点と言えます。
あと、電気やガスなど外部動力を用いて自動でコッキングを行う「自動式」は第六世代になるかと。


ヨークの方式だとか、機関部の構造だとか、使用するゴムや切り方等々、細かく分けるとキリがないのであくまで大雑把な分類です。
製造難易度別というか、要求される技術レベル別というか……私がこれまでの経験上で感じた壁というか段階ごとに分けてます。
木製フレームでも自動給弾だとか、自動給弾でも一体型トリガーだとか、ここで出てない組み合わせについては一切無視させていただきます。

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