Model24RS Matryoshka 製作記その1


デザイン画を現在の技術力に見合うよう書き直しました。
球形弾連発式用のコ型上フレーム使ってレオパルド並みの全長になる予定なので、かなりスリムに見えます。





さて、今作の肝は『5発の球形弾を一度に飛ばす(1度にレール内に送る)』方法です。
レール式で散弾を飛ばす方法は考える限り以下の5つです。
1.弾受けをパイプ状にし内部に弾を詰め込む
2.ショットシェルごと飛ばす(空中分離)
3.ショットシェルごと加速させるが、弾受け止めの後にシェルを分離排出する機構を作る
4.レール内径と同じ径の弾を何個も込める
5.弾受け用の隙間からはみ出さない程度の小さい弾を何個も込める


1〜3はショットシェル方式、4・5は直込め方式とでも分類しましょうか。
ショットシェル方式のメリットは弾受けの通る隙間より小さい弾を使えることや、弾体形状の自由度が高いことです。
デメリットは1だと単発しか作れないことで、2だと分離方法がちょっと不確実なものしか思い浮かばないのと近距離ではシェルが分離しない可能性があること、3はトップヘビーになってしまいそうなのとフレームの真ん中か前方でシェルが排出されカッコ悪いことです(重要)
そして、1〜3すべてに共通するのがショットシェルという無駄なものまで加速させるのでエネルギー効率が非常に悪いことです(超重要)
直込め方式のメリットはショットシェルがない分効率良いことです。デメリットは弾受け止めの隙間より小さい弾を使えない(撃てるけど加速中に弾がレールからはみ出すとか弾受けが通り越す確率が高い)ことで、4はショットガンのメリットである弾の自由度を大幅に下げてしまうこと、5はレール内部で詰まる可能性があるのと連発式には適さないであろうこと、弾受けが弾を通り越す可能性があることが挙げられます。
また、単発式なら4と5は同じ機構(っていうかただのスリングライフルに弾何個も入れるだけ)になりますが、連発式では給弾機構が異なるので分ける必要があります。


となると、今回使うのは必然的に4になります。
昔ながらの先込め式や単発元込め式ならすぐに出来る方式ですが、連発式になると話は別で、任意の数だけ弾をレール内に送り込む機構を作らねばなりません。
これはだいぶ昔、Model20の案を出した時に考えた方法ですが、球形弾仕様の連発式作る上で起こりがちな『弾が何個もレール内に流れ込む不具合』を意図的に起こすことで解決します。
5発まで入る小型のマガジン(子マガジン)を一回り大きなマガジン(親マガジン)に収め、1回のコッキングで5発全てをレール内に流し込み、次のコッキングまでに空の子マガジンを排出って機構です。大容量のマガジンから任意数だけ弾を取り出すのは非常に複雑か安定しない機構になりそうなので。


マガジンの中に小さなマガジンを収めるのでマトリョーシカと名付けたのです。
子マガジンの排出にはプリテンションで発生する残存エネルギーを使います。残存エネルギーでエジェクターを動かすため、ゴムのバッファーとしても機能するはずですね。



とりあえず8mm鉄球5発をレオパルドで撃って、マトリョーシカのコンセプトは実用的か試験してみます。
平ゴム4本の5倍引きがストレスなく引けるギリギリの重さで、それで8mm鉄球5発がヘロヘロ弾道のローパワーだったら最初から使えない物を1年かけて作る羽目になっちゃいますからね。まあ、5発で約11gと弾自体は10㎜ダボと+2g差しかないので、軽量な5mmクレモナ金剛打の弾受け使えば10㎜ダボより速くなる計算です。
1個あたりのエネルギーは74m/s(10㎜ダボ仕様タロンの最高記録)で6Jと、昔の木製スリングライフル並みになります。計算で出た数字だけ見ればまあ実用的かな〜と。



結果

拡散は5mでは十分満足できる結果ですが、10mなんだこれ? 袈裟切りかよって具合に右斜めに散ってます。5mもよく見ると右斜めへの拡散傾向が見えますね。ゴムの引きに偏りがあって弾受け止めに近い弾ほど回転が掛かった? それとも的に対してほんの少し斜めに撃ったので拡散パターンの左側から順に着弾してこうなった? 後者の可能性は少なそうですが……
左右の散りは置いといて、上下に大きく散るのはなぜでしょうかね。5発が発射まで一塊で加速されるなら初速も均等になって発射後の空気抵抗で円形に散ってもいいと思うんですが。
レオパルドのレールはマズル付近で狭くなっているのですが、それが原因なんですかね。(この実験でマズルから弾込めて判明)それとも球形弾を直列に装填するとこういう散りになるのか。はたまた弾の固定機能がなくて発射までに弾と弾に隙間ができて初速差がついてしまったか。


あと初速が糞しょぼいです。10mでは段ボールの1枚目にめり込んで止まっている弾がありましたからね。BB弾かよ。
うーん、テーパー50%の短加速では10mmダボレベルの重量はキツイのかもしれません。明らかにトルク不足です。テーパーが悪いのか短加速が悪いのか。そういえば10mmダボでのテーパー実験ってしてなかったので、ここら辺を解明していかないと次に進めませんね……
とりあえず初速だけは何とかしないと駄作決定なので、次はブラッククイーンをテーパー50%にして10mmダボ撃つのとレオパルドをテーパー0%にして散弾撃つのをやります。

このデザイン画で作れるかなぁ……

  • ゴリラ

    銃口からの距離時間で安易に概算すると(映像と音にて)
    40m/s有るか無いかになってしまうので異様に遅い気がします
    赤点が狙いだとするとドロップベースでも大体上記の値と同様になりました
    レオパルドそんなパワー低かったようにおもえないですし
    今日寒くなったといえ気温20度ギリ切ってないとすると摩擦説?高そうですね

  • 梃子

    昔マルゼンに有った散弾銃のエアガンと同じシステム
    弾着とも同じ結果です、空気で押すのとポウチで押すのが同じ結果って‥
    いや面白いですねー

  • 隣の息子さん (id:Musuko)

    ゴムのトルクが弱いせいで初速が落ちているわけではないとすると、加速中レール内で弾の列がズレて半ば詰まった状態になって摩擦抵抗が上がっていることが考えられますね。
    トルクのせいかを調べるには11gの直径8mmの鉄棒の初速測ればいいかな? それで遅ければトルク、思ったより遅くなければ弾詰まりによる摩擦のせい、と。
    ん〜まあ実験してみないことにはわからんです。
    もし記事のテーパー実験しても初速が改善されないようならタロンを12mmダボ仕様にします。

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