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41st MAXI-SINGLE

食べた愛/あたしたち

  • 発売日2021/09/29
Interview

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長いトンネルの中を進むような、出口の見えない日々が未だ続いている。だが、aikoは決して後退りすることなく、大切な人たちとはぐれることがないようにしっかりと前を向きながら、ホールツアー「Love Like Pop vol.22」で全国各地を大切に巡っている最中だ。
「世の中がガラッと変わってしまった中、みんながいろんなことに気を付けながら会場に足を運んでくれていることをステージ上からいつも感じています。私自身、いつも以上にいろんなことを考えながら、来てくれた人を絶対に独りぼっちにはしたくないという思いを持ってライブをやっていますね。もちろん大変なことも多いんですけど、でもいろんな制限があるからこそ生まれたものもたくさんあるんですよ。会場に来てくれたみなさんはいつも以上にカラダをめいっぱいに使って思いを届けてくれるし、バンドメンバーはたくさんしゃべってくれるようにもなって。それによって毎公演、すごく新鮮な気持ちでライブができているような気がします」

 そんなツアーの最中に「ハニーメモリー」以来、約1年ぶりとなるニューシングル「食べた愛/あたしたち」がリリースされた。ダブルA サイドの1曲目「食べた愛」は、aiko本人もカメオ出演しているカルビー ポテトチップス新CMソングに起用されているナンバー。片想いしているときのワクワクとした気持ちが瑞々しく描き出されている。
「今のタイミングでリリースすること、そして昔から大好きで食べてきたカルビーのポテトチップスのCMで流してもらえること、その両方に合うような楽しい曲にしたいなと思いながら作りました。片想いの曲ではあるんですけど、せつなくて苦しい感情ではなく、相手のことを考えている時間を楽しむ気持ちを書きたかったんですよね。夜中に相手のことを思うと、心の中にいろいろな色が浮かんできてすごく楽しいし、そういうときってだいたいポテチを食べてるなと思って(笑)。歌詞は頭の“あながち間違ってないよ”のところからバーッと一気に書いていきましたね」

 どこか懐かしさ感じさせるメロディがどんどんと輝度を高めていき、サビで一気に弾ける。そんな聴き手の気持ちを柔らかく高揚させていく構成を、aiko自身の感情豊かな歌声が最高の形で彩っているのが印象的だ。アレンジはトオミヨウが手がけているが、レコーディングでは島田昌典が鍵盤を担当、aikoとともに現場でサウンドのディテールを丁寧に作り上げていったのだという。
「元々はドラムが打ち込みで、もうちょっとかわいい雰囲気のあるアレンジだったんですよ。でも、もう少し演奏の年齢を上げたいなと思って、急遽ドラマーの神谷さんに来ていただいてドラムを生にしてみたんです。それによって各楽器のフレーズも細かく変わっていったし、それを聴いた上でトオミさんもまた手を加えてくださったところがあったりもして。島田さんを中心に、みんなが意見を出し合いながら曲がどんどん形を変えていく過程を現場で見ることができたのがすごく感動的でしたね。だからこそ私も、歌っていてどんどんエモくなっていくところがあったりもして(笑)。夜中の3時くらいまで作業していたけど、めちゃくちゃ楽しい時間でした。こんな作り方をした経験は初めてのことだったので、『食べた愛』は私にとってすごく特別な曲になりましたね」

 もう1編の表題曲となる「あたしたち」は、現在放送中のNHKよるドラ『古見さんは、コミュ症です。』の主題歌に起用されている。15年ほど前に友達のことを想って書いた曲だというが、その内容が学生同士のコミュニケーションをテーマにしたドラマにしっかりリンクしていると大きな話題となっている。
「男性とか女性とか関係なく、相手に対して大切だと思っている気持ちを素直に書いたのを覚えていますね。つかず離れずの時期があったりすると、勘違いをして嫌われたのかもって思い込んでしまうことってあるじゃないですか。そんなときの感覚がこの歌詞には入っていると思います。こういうタイプの歌詞はふわっとライトに書けるものでもないので、私としてはすごく大切で。ずっとCDにしたかったんですよね。このタイミングで形にできたこと、そして偶然ではあるけど「古見さん」にちゃんと寄り添える曲になったことが本当にうれしいです」

 アレンジは島田昌典。美しく柔らかなサウンドの上で優しく流れていくaikoの歌に、聴き手は自分にとっての大切な人の存在を強く思い浮かべることになるはずだ。
「せつなくて、ちょっとノスタルジックで尊い雰囲気がありつつ、でもあまり牧歌的にはしたくないっていうイメージはデモの段階からありました。私の中のそんなイメージを島田さんが、小さな穴から光が差しこんでいるような最高のアレンジにしてくださって。オケのレコーディングでは、普段なかなか逢えないホルン奏者の方もいらっしゃったので、すごく緊張していたんですよ。そうしたら“一緒に写真撮ってください”って言ってくださったことで気持ちが和らいだりもしましたね(笑)。本当に素敵なサウンドになったので歌入れを頑張ろうっていう気持ちがより強くなったし、自分の中に元々あった歌のイメージが変わるところもありました」

 そしてカップリングに収録されているのは「列車」。トオミヨウのアレンジが光る、印象的なピアノのフレーズで幕を開ける恋の終わりを描いたせつないアップナンバーだ。
「イントロは踏切の音のイメージで、デモの段階からピアノで入れていたんですよ。それをトオミさんがよりピリッと、ドキドキする感じにアレンジしてくださいましたね。トオミさんにアレンジをお願いする段階ではまだ1コーラス目しかなかったので、2コーラス目は『食べた愛』や『あたしたち』のレコーディング現場で考えたりもして。2コーラス目のAメロでちょっとリズムが変わるところとか、最後のサビ後の“君もどうか忘れてね”というフレーズは、その場で思い浮かんだものを入れました。今回のシングルは現場で出たアイデアが生かされているものが多いかもしれないですね」

 この新たなシングルを携えながら、ツアーは12月まで続いていく予定だ。aikoがたっぷりの想いを込めて作り上げた新曲たちは、ライブという時間をさらに鮮やかな、かけがえのないものにしてくれるに違いない。
「3曲とも早くライブでやりたいですね。ツアーはだんだん終わりが近づいてきて寂しい気持ちにもなっているんですけど、来てくれた人たちに『また次もライブに行けるように毎日を頑張ろう』って思ってもらえる歌を1曲1曲、ここからも大切に届けて行こうと思っています」

取材・文=もりひでゆき
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収録曲

1
食べた愛
作詞/作曲:AIKO 編曲:トオミヨウ
2
あたしたち
作詞/作曲:AIKO 編曲:島田昌典
3
列車
作詞/作曲:AIKO 編曲:トオミヨウ
4
食べた愛(instrumental)
作詞/作曲:AIKO 編曲:トオミヨウ
5
あたしたち(instrumental)
作詞/作曲:AIKO 編曲:島田昌典

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「食べた愛/あたしたち」
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「どうしたって伝えられないから」
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