サングラス
さんぐらす
sunglasses
紫外線などの有害光線から目を守る保護眼鏡の一種であるが、おしゃれ用として若い男女に使われるものもある。すなわち、眼鏡はよく見るためだけでなく、見られるという面も備えたものが要求されるようになり、とくにサングラスは顔のアクセサリーとして使われる傾向が強く、いろいろな種類のものがつくられている。サングラスには、目の健康な人が夏の強い太陽光線下あるいは冬の雪山などで用いる紫外線よけを主にしたものをはじめ、角膜、虹彩(こうさい)、網膜などの眼疾患があるときに治療的な意味あるいは羞明(しゅうめい)(まぶしさ)の不快感を和らげるために用いるものがある。特殊な場合としては、職場などで、赤外線や紫外線、強い可視光線などの有害光線から目を保護する目的でも使われる。
サングラスには、近視用など度のついたものや偏光フィルターを応用したものもあり、室内では普通の透明レンズであるが戸外では紫外線の強さに応じてレンズの濃淡が自然に調整されるもの、すなわちハロゲン化合物の添加によって光線に当たると着色するフォトクロミックレンズやフォトグレイレンズなども普及している。なお、一般に虹彩の青い白色人種は、茶褐色ないし黒色の有色人種よりも、まぶしさに敏感なためにサングラスが愛用されるが、日本人の場合は夏の海や山、冬の雪山以外に必要とすることはほとんどない。
[大島 崇]
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サングラス
保護眼鏡の一種。主として太陽光線から目を保護するのが目的。普通はニッケル,鉄,クロム,セリウム等の酸化物で着色した色ガラスを用い,時に偏光ガラスを用いる。近視・遠視用などもある。塩化銀の感光性を利用し,明るい場所でのみ光線を減弱するフォトクロミックガラスを使ったサングラスも市販。紫外線,赤外線,可視光線の減弱作用の差により各種の製品があり,登山,スキー,海水浴時や,結膜炎等の眼疾時など使用目的に合わせて用いる。
→関連項目眼鏡
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サン‐グラス
〘名〙 (sunglasses から) まぶしさを防いだり、強い太陽光線から目を保護するための、色つきのレンズを用いた眼鏡。また、アクセサリーとしても一般に普及。色めがね。《季・夏》 〔アルス新語辞典(1930)〕
※自由学校(1950)〈獅子文六〉鮎料理「夫人は、青いサン・グラスをかけ」
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サングラス【sunglasses】
紫外線や赤外線,また可視光線でも通常より大量の光線を眼に受けると,結膜,角膜,網膜に炎症をひき起こす。それを防御するために用いる色つきレンズの眼鏡をいう。海辺や雪山など紫外線の多い戸外で用いられることが多いが,溶接など産業の分野で保護眼鏡として用いられることもある。角膜や網膜の疾患で,羞明(しゆうめい)(まぶしさ)の強い場合や,美容の目的で日常的に用いられることもある。レンズの色は,茶,青,紫,グレー,ピンク,黄,緑などで,透過率も種々である。
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