Model23R Stargazer 製作記その3

今回は機関部とフレームの一部を作りつつノウハウ公開していきますよ。








厳正な審査の結果こんな上フレームとレールになりました。


この上フレームのメリットは
・レールの取り付け誤差が非常に少ない
・フレームの縦幅がかなりスリムになる
・レールの交換が容易である
・製作が非常に簡単
と、かなりあります。私の設計思想にも合致し、精度の向上も期待できます。従来のM字レールとフレームの構造から移行する価値は充分にあると思います。
上フレームが角パイプでなくなったので想定していたコッキング機構が使えなくなりました。多分オミットします。


……ええ。また計画破綻です。レールに使う予定だったL字アングルが私の実家周辺で売ってなかったのです。
ホムセンの地域格差は嫌になりますね。
機関部辺りのデザインや仕様も変更です。
今回はこのデザインで行きます。

前回提示したデザインでやらないのは製作が面倒だとか出来ないとかじゃなくて、製作中にフレームの縦幅がコロコロ変わったからですね。こちらのデザインの方がフレーム・レールの仕様変更に強いのです。



グダグダ書くのはここまでにして、ノウハウ公開しながらの製作過程紹介に入りましょうか。



今作の下フレームは16mm角パイプです。鋼材の厚さは1.2mmで、内径は13.6mmです。
そういうわけで4.5mm厚の鉄フラットバー3枚重ねで機関部を作ればいい具合になります。



まずは原寸大のデザイン画から各パーツを採寸するなりコピー取って鋼材に張り付けるなりして鋼材にケガキします。

長い直線や精度の必要な直線は鋼材のフチを使い、手作業で作らなくてもいいようにします。キレイな直線を作るのは非常に面倒なのです。逆に曲線作るのは楽です。限度はありますが。



次は穴開けです。
切り出しの前に穴開けると固定とか楽になります。
補強ピンやボルトの穴は5mm、トリガー等の軸穴は5.2mmです。この時、2枚の機関部側面部のうち片方のみに穴を開けるのがポイントです。



穴開けたらいよいよ一番めんどいパーツの切り出しです。
鋼材をクランプでしっかり固定し、ディスクグラインダーの金属切断用の薄い砥石でフチから切っていきます。曲線部分は直線の組み合わせで切ります。

こんな感じ。「フチからの直線の組み合わせで切る」ことを意識してデザインやケガキをするのが重要なポイントです。
フックの凹みはこうやって作ります。

切り出し時はパーツをしっかり固定しグラインダーを両手で保持する事が大事なポイントです。




切り離したばかりのパーツはバリバリで汚いので、切り残しやバリをディスクグラインダーの研磨用砥石で取っていきます。
繊細な作業なので片手にパーツ、もう片方にグラインダー持ってやります。熱くて持てなくなる前に、適宜水バケツに浸けましょう。
力加減を誤るとパーツが吹っ飛んだり手を削ったりするので、グラインダーの取り扱いに慣れるまでは鋼材からの切り出し前に粗削り削りしといて、後から金ヤスリ使いましょう。
磨き終るとこんな感じ

機関部側面部分はまたお預けです。



次は機関部本体の接着です。
接着面にグラインダーで傷を付け足付けをし、メタルロックで着けます。フックが激突する部分はピンを2本
通して補強します。

これで充分な強度になるのですが、今回は更に接着部分を溶接しました。メタルロックを仮止めにする形です。

盛り上がった部分はグラインダーで取ります。



フック、シアー、トリガーにピンを打ち、作動確認です。

良ければ手を付けていなかった方の機関部側面、つまり機関部の蓋に穴を開け、削って仕上げます。「同一のパーツは重ねて穴開け切削する」のもポイントです。

これで機関部の仮組みまで終わりです。
2日間ガッツリ作業すればここまで出来ます。



今回はここまで。
機関部完成までは金ヤスリやペーパーで細部の仕上げした後塗装という工程があるのですが、特に大事なポイントがないのでカットです。
次回からフレーム編に突入です。

  • ゴリラ

    質問になりますが

    ・研削加工時の小物材料保持にバイスプライヤは使わないのでしょうか?手やばないですか?
    ・あとフックやトリガーにもあまり面取りをしないように見えますが
    先ずオフセットでガリガリ丸く削ってディスクペーパー240番320番以上で
    研磨したほうが丸くつるつるしていい気がするんですがこだわりがあるんでしょうか?

    やってること私もほとんど一緒だったんですが私なら指削ってます

  • 隣の息子さん (id:Musuko)

    ・繊細な作業が要らない部分はペンチに挟んでやってますが、シアーの噛み合わせやトリガーの丸みを作るときは素手です。
    不器用なもんですからペンチ越しではうまく削れないのです。
    おかげで親指の皮がくそ分厚くなり、スマホがあんま反応してくれなくなりました。

    ・もちろん指や弾受け掛ける部分は面取りしてツルツルにするのですが、今回カットした部分に含まれます。カット部分は作業可能時間2日間でできなかった部分で、いつもはここから40番と240番で磨いて塗装してます。
    次回の序盤にしれっと完成品出す予定でした。

  • ゴリラ

    なるほど理解できました
    息子さんの職人魂に感服したします

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