どんなものでも使っているとよろしくない点が見えてくるもので、ちょっとしたものなら改修、どうしようもないものなら部屋の隅に立て掛けられて意識から消えるわけですが、レオパルドは幸いなことに改修です。
実家に帰る用事が出来たのでついでに作業してきました。
さて、改修点は以下の四つです。
1.マガジン上部に弾のガイドを設置
2.フォロアーの削り込み
3.フックの自動復帰機能追加
4.チークピースを削り込み
それぞれ解説していきます。
1.マガジン上部にガイドを設置
ベンガル式の自動給弾システムにはタロンやアップルヘッドと違って、発射前の弾を3点保持するためのガイドパーツが必要になります。これはライフルを傾けても弾が滑り落ちないように保持するためのパーツとは別のものです。
タロンやアップルヘッドでは、発射前の弾は上フレームとM字レールの3点で保持されています。
しかし、ガイドを設けないベンガル式では弾が3点保持になるのはフック解放後、加速の初期段階です。
リボルバーを想像してみると分かり易いと思います。
マガジン直上にレールを設けないと、発射前の弾を保持しているのは上フレームとマガジンスプリングの上下2点しかないのです。つまり簡単に左右にズレます。で、ズレたままレールに侵入するわけです。するとどうなるか。
レール後端に弾の縁が激しくぶつかり、大きくブレながらレールに侵入し、レールによって向きを修正されます。これが精度にどれだけ影響を与えているかは不明ですが、良くないことは想像に難くありません。リボルバーで例えるならシリンダーとバレルの軸がズレている状態です。
どんな給弾機構だろうと加速初期の弾がレール内でブレることは確認済みですが、ガイド無しのベンガル式は発射前からのズレによって初期のブレが大きくなるってことです。
で、それをちょっとでも解消しようってのがマガジン直上のガイドです。これで発射前から弾の3点保持が可能になります。
「ブリーチブロックでも保持できるじゃん?」と思われるかもしれないですが、レオパルドのブリーチブロックは片持ちなので無理です。
事前説明が長くなりましたが、レオパルドではこのガイドをビニールテープを厚く巻いたクッションで代用していました。こうすると発射前に左右の保持は出来ても弾がレールに対して少し下向きにズレます。で、クッション性があるため発射直後のブレは金属製のガイドに比べて大きい。あまり良いとは言えないですね。
というわけでレオパルドにもちゃんとしたガイドを付けました。
精度が上がったかどうかは要検証ですが、レール後端の凹みは小さくなったので効果はありました。
ガイド後端のきったないとこはフックが通るスペースです。接着した後に幅が狭くて引っかかることがわかったのです。
2.フォロアーの削り込み
前に「五発入らないからやっぱり1マガジン=1袋=4発って考え方でいきましょー」って抜かしてたんですけども、あれはフォロアーを調整する時間が無くなっての苦し紛れでした。作業時間が取れなくて妥協し、妥協に理由つけて自分を納得させることは結構あります。
しかし、8mmケルダボの100個入りパック買って状況が変わりました。新しく買ったダボはこれまで使っていたものよりもほんの少し長くて重いのです。
新(左)1発約30円 全長13mm 重量4.86g
旧(右)1発約40円 全長12.5mm 重量4.63g ※ノギスが消えたのでものさしで全長を測ってます
長いのですがレオパルドのマガジンには新旧どちらも問題なく入ります。そして、どっちかというと新しいダボの方がマガジンとの相性がいいのです。数十発撃ちましたが給弾不良はありません。「安い、クリアランスがぴったり」ってことで、これからは新しい8mmダボを使っていくことにしました。つまり「1袋=4発」の前提が崩壊したのです。
ならマガジンフォロアーの下部削って5発にしよっかってことで。5発装填できるようフォロアー下部を削りました。
ついでにビニルテープクッションからガイドに替えても弾ポロしないように、フォロアー上部も削って最終弾でもマガジンスプリングのテンションが良く効くようにしました。
3.フックの自動復帰機能追加
フックのリバウンド問題への対処です。
ベンガルやタロンはフックまわりのクリアランスを大きく取っているため、フックが起きっぱなしになってもトリガー引いたまま鐙を踏めば自重で勝手に倒れていました。
レオパルドはフックまわりに非常に小さなクリアランスしかないため、潤滑油が切れたりトリガー周辺のボルトを締めすぎたりしてしまうとトリガー引いて鐙を下に向けても起きたままになってしまうのです。以前は指先を突っ込んで倒していたのですが、ガイドを付けたことにより指が入らなくなりました。
これを屋外で直すにはトリガー引きながらなんかの棒を突っ込んでフックを倒すという結構面倒な作業が必要で、アップルヘッドと同じようにスプリングを設置して自動的に初期状態(倒れた状態)にしてやりました。
こっちの方が格段に楽です。フックとトリガーボックスのクリアランスが小さいものにはフックの自動復帰要りますね。
4.チークピースの削り込み
リアサイトを「2」に合わせると25℃で10mにゼロインなのですけども、チークピースが高すぎてリアサイトが覗きにくかったのです。というわけでちょっと削りました。
削ったとこだけ塗り直すと色が合わなくなるので表面磨き直しです。
今回の改修でレオパルドは「Model22RA1 Leopald」になりました。ダボ弾仕様の自動給弾スリングライフルとしてはほぼ完成されたデザイン・システムだと思うので、不具合での改修はこれっきりにしたいですね。技術発展による改修なら大歓迎ですけどね。
……コッキングハンドル?
少なくとも巻き上げ機構かテコの原理を利用しなければハイパワーライフルには使えません。どちらもポン付け出来るものではないので、レオパルドには採用できません。
動滑車で引きを軽くする方法もあるにはあるみたいですが、他の人の報告を見る限りでは採用する価値なしと判断しました。プリテンションもテーパー&挟み込みタイプのヨークと相性が悪すぎるので不採用です。
次はパチンコ玉の自動給弾を作りますかね。アップルヘッドは作動不良が多すぎるわ重いわ無駄に長いわでイヤになりました。