麻薬取締官はベレッタM85を貸与された厚生労働省所属の特別司法警察職員

この記事では麻薬事犯の摘発に従事するため、身分を隠して密売組織に潜入する麻薬取締官(マトリ)の任務と権限について研究を行った。

記事の要点
  1. 厚生労働省地方厚生局麻薬取締部では違法薬物の取り締まり活動に従事している。
  2. 人員の主体は2020年当時で定員300名前後の麻薬取締官。通称・マトリ。
  3. 麻薬取締官には特別司法警察職員の身分が与えられ、けん銃および警棒の携行が認められる。
  4. 麻薬取締官には薬物事件の捜査に限って、潜入捜査とおとり捜査が認められる。
  5. 警察の薬物銃器対策課とは競合関係だが、場合によっては合同捜査も行う。
  6. 麻薬取締官はベレッタM85を貸与されていることを政府が広報資料で公表。
  7. 最近、ドラマに引っ張りだこ。とりまM85だしとこ!

厚生労働省地方厚生局麻薬取締部公式サイトはこちら↓

麻薬取締官の捜査活動とは

新旧の実物の「麻薬取締官証」(現行名称:麻薬司法警察手帳)画像出典 ライブドア

人々を蝕もうとする覚せい剤や大麻などの依存性のある違法薬物。広くこれらの取り締まりに従事するのは各都道府県警察の『組織犯罪対策局薬物銃器対策課』だが、実は警察庁以外にも違法薬物の取り締まりと捜査を担っている官庁がある。それが厚生労働省地方厚生局麻薬取締部の「麻薬取締官」だ。

現在、全国で約300名の麻薬取締官が日々、違法薬物の捜査や取締り活動を行っている。

一時は定員数が少なく非効率的であるとして、警察との統合案が出されたこともあるものの、2013年には薬事法の改正が行われ、これまで警察が捜査を行ってきた、いわゆる脱法ハーブに対しても麻薬取締官が捜査を行えるよう法改正が行われたことが追い風となり、240名から300名と増員傾向にある。

都道府県職員の麻薬取締員

麻薬取締官以外にも、各知事からの命令を受けて捜査に従事する都道府県職員の麻薬取締員という職員が存在する。麻薬取締員も麻薬取締官と同じく、特別司法警察職員の身分を有し、小型武器、つまりけん銃の携行が認められているが、麻薬取締員は所属がそれぞれの都道府県の地方公務員であり、その任命は検察と協議のうえで知事が行う。

日本政府公式広報物である『政府インターネットテレビ・行政の現場から』などによると、特別司法警察職員である麻薬取締官は薬物事件の捜査に限って、潜入捜査とおとり捜査を行う権限を有している。

警察官には銃器関係などのみ限定的におとり捜査は認められるものの、組織に潜り込む潜入捜査は許されておらず、それが出来るのはやはりマトリの強みと特色と言えるだろう。

また、厚生労働省麻薬取締官の公式リクルートサイトを見ると麻薬取締官は日々の訓練として、逮捕術訓練、射撃訓練、そして、外国人に対処するための語学研修を主に行っている。

彼らには特別司法警察職員の権限が与えられていることから、その身の証を立てるために警察官の持つ警察手帳と同等で黒皮製二つ折り形状の司法警察員の証が発行されている。旧手帳は表紙に『麻薬司法警察』と書かれていたが、現在のき章タイプでは「麻薬取締官」と明記される。

マトリのメディア戦略

マトリによる摘発はもっぱら芸能人などの著名人をターゲットにしていると言えば、やや語弊もあるが、芸能人による薬物使用は青少年に与える悪影響も大きく、麻薬取締部ではとくに力を入れて摘発を行っているのが実情だ。

実際、スポーツ選手、歌手、俳優など相次ぐ著名人の薬物事犯摘発を見てもわかるとおり、麻薬取締部に摘発される者によっては社会が騒然となるケースが少なくない。

センセーショナルに報道させることで、マトリの存在を社会に誇示できれば、予算獲得がしやすい。

また、アニメやゲーム、ドラマなどの創作物で麻薬取締官が題材となり認知度が高まれば、”メディア戦略”は大成功なのかもしれない。


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マトリと警視庁組対5課の大物奪い合いは麻薬対策予算の奪い合いの構図でもある!

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警察官と一見似ているようで全く違う、厚生労働省所属の特別司法警察職員である”マトリ”。

麻薬取締部とライバル関係にあたる他の取締り機関と言えば組織犯罪対策部。なかでも人員規模も技量も他の県警を凌駕し、やはり頂点に立つのは警視庁組織犯罪対策第5課。通称『組対5課』だ。組織犯罪対策部ではその名の通り、組織犯罪の情報を掴んでおり、5課は係ごとに薬物のみならず銃器犯罪をも捜査している。効率的に捌いてゆく警視庁組対5課に比べると、あくまで麻薬事犯の摘発のみという限定的な捜査権しか持たず、組の情報収集も警察経由とエス頼り、人員も少なく非効率的さえとまで言われるマトリは、そのライバル組織である警察への吸収合併案も行政改革会議で出されたほど。

しかし、非効率的とはいえ、彼らマトリが一発で挙げるのはスポーツ新聞の一面を飾るような芸能人といった大物ターゲット。次いで元芸能人や、二世タレントといった落ちぶれ系の人物たち。組対5課も同様に、つまらない無職を挙げるよりは大物を挙げて自分たちの存在を世間にヤニくわえガン飛ばしで誇示したい考えだ。実際、ある捜査幹部の1人はこんなことを言っている。

「有名人の逮捕はアナウンス効果抜群。犯罪抑止の観点からも有効」

また、小向美奈子事件に際して、別の捜査関係者が以下のような話をしている。

「ASKAは警察に逮捕されていますが、有名人を逮捕すると大きく報道され、世間に警鐘を鳴らすことができる。警察も役所なのでそうしたことを手柄にします。現在は来年度の予算を組んでいる真っ最中。ASKAで手柄をあげた警察に予算を持っていかれないためにも、マトリは“名のある人物”を逮捕しなければなりませんでした」

出典 http://www.asagei.com/excerpt/32329

国民への己らの存在誇示は、薬物犯罪への警鐘、そして予算を分捕るための二つのアピールであると言えそうだ。

実際、そんなマトリと組対5課のライバル関係は大物と予算を奪い合う構図でもある。組対5課が追ってる現場とバッティングすることも多々あるほか、泳がせていた被疑者を事前連絡なしに組対5課が挙げてしまう仁義破りすら起きる。

清原を逮捕したのは警視庁の組織犯罪対策部5課。さらに5課は麻薬取締部がASUKAの薬物情報を10年以上前からキャッチしていたのにもかかわらず、清原に続いてASUKAまで挙げてしまった。

麻取と組対5課は、しのぎを削る関係で知られている。

出典 http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20161210/dms1612101000002-n1.htm

2016年の1月には現職のNHKアナウンサーでありながら、危険ドラッグを自宅で製造していたとして、同職員の塚本堅一(懲戒免職)を関東信越厚生局麻薬取締部が見事に摘発して世間が騒然となったが、一方では2016年の2月に『ASKA、清原を組対5課に持っていかれたマトリに焦りが出ている』という記事も出た。

焦りを出したマトリに火がついたのかは定かではないが、同年10月25日に沖縄県内で大麻を隠し持っていたとして大麻取締法違反(所持)の疑いで厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部に現行犯逮捕されたのが、元女優の高樹沙耶。

なんにもない田舎に都会人がいきなり越してきて奇妙なコミュニティを作り、共同生活。壁に変な落書きをしてライムを飛ばすようなリリックを歌っていると全国から仲間が集まってくる……ということもないだろうが、麻(アサ)クセエとマトリが思慮した時点が捜査の出発点。

しかし、2014年から始まった危険ドラッグの撲滅作戦のように組対5課とマトリが共通の敵を倒すべく、タッグを組んで共同戦線を張ったコトもある。

「マトリ」VS「組対5課」の構図は微妙な協力関係と奇妙なライバル関係でもあり、ドラマチックですらある。今後もテレビドラマや女性向けスマホアプリなどで再現されるだろう。しかし、メンツとプライド、それに予算獲得争いによって、公共の安全が疎かにならないことを願うばかりだ。

警察やマトリの追う危険ドラッグと薬事法の改正について……芸能人も違法薬物の餌食に

脱法ハーブという言葉をかつて連日のようにテレビのニュースで見聞きした。脱法ハーブは2010年以降から日本国内で爆発的に流通が増加しており、覚醒剤や麻薬以上に危険と言われている。大麻や覚せい剤などと微妙に成分構造を変えることで、違法ではないという建前の下、堂々と販売されていたのだ。売っている店員ですら中身が何なのか知らないという場合もある。2014年、警察では脱法ハーブから「危険ドラッグ」という名称に改めたが、東京都ではこの危険ドラッグを以下のように説明している。

危険ドラッグ(違法・脱法ドラッグ)は、おもに、麻薬や覚醒剤の構造を変えた薬物です。法律による規制が追いつかないため、違法(脱法)と呼ばれています。麻薬や覚醒剤と同等以上の健康被害のおそれがあり、とても危険な物質です。

引用元 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/no_drugs/about/

危険ドラッグの規制強化のきっかけは池袋駅付近での車両暴走事件だった。この事件では運転者が、危険ドラッグを使用していたのだ。危険ドラッグを使用した状態の者が車を運転して事故を起こし、人の命を奪う事例もあった。

危険ドラッグは、一四年六月にJR池袋駅近くで乱用者の車が暴走した事故などをきっかけに、規制強化が進んだ。全国で一斉取り締まりなどが行われ、一五年は、交通事故などを含めた危険ドラッグに絡む事件の摘発は千百件に上った。全国で約二百あった店頭販売はこの年の夏ごろまでに姿を消した。

引用元 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201711/CK2017110902000246.html

そしてこの危険ドラッグは厚生労働省の麻薬取締官も追っている。法改正と取締り当局の摘発によって、2017年までに実店舗での販売例が極端に減少した一方で、販売経路はほぼインターネットに移行した。

アメリカ政府が発表しているUnited Nations Office on DrugsandCrime (UNODC) 2011, p. 13-14.によれば、このようなドラッグ類は覚せい剤や大麻と違って検査で検出がされないため、運動選手、いわゆるアスリート、それに軍人といった公職にある者たちからも人気があるという。

また、消防士など、人の命を救うことを生業(ナリワイ)にしている人間までが、このような薬物に手を出しブルブル痙攣していたとして逮捕されている。日本でこのような危険ドラッグを製造販売しているのは組織暴力集団だ。

危険ドラッグの危険性

危険ドラッグを摂取すると意識障害、嘔吐(おうと)、けいれん、呼吸困難などを起こし、最終的には離世する事例もある。その毒性は大麻の40倍とも言われ、とくに「ハートショット」と呼ばれる危険ドラッグは危険性が強く、わかっているだけで2014年には全国で15人もの離世者が確認されている。

警察官が薬物鑑定で自分の舌を使わない理由とは?

一部の者が使用していたことで有名なラッシュという薬物も、その危険性から、すでに指定薬物として規制対象となっているが、これまで「指定薬物」は、主に販売する店側に対しての取り締まりだった。現在は実際に使用する者に対しても取り締まりが行われるようになった。

平成26年4月1日から、所持、使用、購入、譲り受けた者も罰せられ、これに違反した場合は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその両方が科せられる。

昨今は芸能人や著名人が薬物に手を出すことが多く、週刊文春は”国民的”少女アイドルグループを統括する「総支配人」という男が危険ドラッグを吸っていたと報道しているが、大手マスコミは報道していない。

また、歌手のチャゲアンドアスカのASUKAさんは覚せい剤を悪い人たちから買って使ったあげく、それを盗撮されて脅され、金を要求されていたことも明らかになった。昨今ではなんと、NHKの塚本堅一アナウンサー(2016年2月23日付でNHKを懲戒免職処分)も危険ドラッグで逮捕された。

このように危険ドラッグは恐ろしい依存性があり、自分自身で断ち切ることは難しいとされ、薬物依存からの手助けをする民間の団体など多くの協力が必要とされている。

また、反社会集団はこのような薬物の依存性を利用して、クラブなどで目当ての女とのダンス時に、注射器の針をチクリと刺して、覚せい剤中毒にして性奴隷にしたりしているとも、元刑事の飛松氏がテレビで語っていた。

一方、アサヒ芸能の報道によれば、クラブですごい腰つきの速さでゴーゴーで踊り狂ってるのが本職の麻薬取締官という実例もあるという。それも捜査のための演技なのだろう。

参考文献
アサヒ芸能 http://www.asagei.com/32329
政府広報オンライン「特集 薬物対策」 http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/drug/gohotoitte/

10分で理解する麻薬取締官の行うおとり捜査……本当に洒落にならない麻薬取締官の行うおとり捜査

違法薬物の売買を行うのは主に暴力団構成員等だが、麻薬取締官は薬物事件に限って囮捜査が可能で、売人のふりyakuzaをしてこのような集団に積極的に近づいて、密売の現場に出ることもある。

当然、身なりも反社集団構成員と似たような趣味趣向で臨む必要がある。

公務員は国民から信頼されるような身なりをするのが大前提のため、厳しい身体容儀基準があり、警察官や自衛官などが特にそのような傾向が強いが、麻薬取締官のみは例外で、彼らの場合はおよそ公務員、それも司法警察とはとても思えない異常な風貌もまた特徴だ。

おとり捜査のため、パーマをかけたり、組員の好むスーツを着たり、特注のファーのついたホルスターなどをベルトに付けて、寒い身なりをして麻薬密売組織に潜入をすることは実際にあり、AKB嬢のように髪の毛が茶色に染まった女性取締官もいる。

ただ、密売組織の中での潜入捜査中も、摘発できるのは麻薬事件のみ。たとえ、殺人や人身売買を目撃しても麻薬取締官の捜査権で現行犯逮捕することはできない。その場合、公務員が犯罪を知りえた際には必ず捜査機関に告発しなければならない義務に則り、後日、警察や検察など他捜査機関への告発となるだろう。

『お前も舐めれや。マトリじゃねえなら舐めれるべ』

そんなことを言い出され、正体を探られるとき、組織暴力の構成員のふりをして潜入捜査中の麻薬取締官は『前の組長への仁義』を持ち出して威圧してピンチを切り抜けるそうだ。そのとき勇気をくれるのが、マトリが懐に隠し持つ、そこらの警察官が使わないけん銃だ。

麻薬取締官は自分の好きなけん銃を選べる……ベレッタM85は選択肢の一つに過ぎない

司法警察としての職務を遂行する場合に限り、麻薬取締官は特殊警棒のほか、小型武器、すなわちけん銃を携行できる。厚生労働省地方厚生局麻薬取締部で配備されているけん銃は、警察がかつて広く配備していたニューナンブM60だが、そのほかにも決められた口径の中から自分の好きなけん銃を携行できる。やはり、マトリは身分を隠して組織の中へ潜入する都合上、警察と同じ銃は使用できないだろう。

もし、マトリの正体が組織にばれてしまえば、有無を言わさずに即、反社仲間の土木業者のアスファルト・プラント(3000度の高温)に投げ込まれて肉も骨も残らず処理されてしまい、全国へ道路用アスファルトとして出荷されてしまうだろう。身バレしないように、あえて警察が採用していない銃も独自に採用しているというのも頷ける話だ。

中でも麻薬取締官と言えばベレッタ85だ。日本の捜査機関では麻薬取締部しか採用していないのだ。

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日本では麻薬取締官のみに貸与されるベレッタM85(Beretta 85FS .380 ACP)。単列弾倉で秘匿携帯に向く。 (出典・日本政府が国民に公開している広報資料「政府インターネットテレビ」)

平成12年に放映されたマトリの密着ドキュメンタリー番組の中で「警察とは別の射撃訓練場」においてマトリたちが射撃訓練を行う様子が紹介されていた。

装備品の秘匿のためか画面上に修正をかけられたうえで、マトリたちの手に鈍く光る自動式の黒い小型けん銃が映ったのを記憶している。

当時はその中型けん銃のシルエットから、ダブルカラム弾倉のベレッタM84ではないかと推測され、長らくそう思われてきた。

しかし、昨今になって厚生労働省が「政府インターネットテレビ 行政の現場から」という広報資料で、麻薬取締官がベルトにナイロンホルスターを装着のうえで特殊警棒を吊り、銃にシングルカラム弾倉を装填したうえで、着装する場面を公開した。

その結果、その鈍く光る銃の正体はM84ではなく、.380 ACP弾を8発装填できるベレッタM85であることが判明したのだ。

全長172mm、重量620gと小型軽量であるM85は、とくにヨーロッパで女性の護身用ハンドガンとして人気があり、雪平夏見ちゃんが貸与されていることでも知られるスミスのM3913レディスミス(9ミリ)と同様エレガントで、古くからやんごとなき貴婦人たちに愛用されている。

もちろん、厚生労働省がすでに社会一般に自ら装備品の詳細を公にしてしまっており、捜査に支障が出ることも考えられるため、すでに新たな銃種が調達されていることも推測できる。

近年、トカレフに代わって押収量の多いマカロフや、グロックに代表される流行のポリマー製けん銃などならば、反社集団もよもやマトリとは思わないだろう。

マトリと銃のエピソードで面白いものはもうひとつある。人気テレビアニメ「ルパン三世」の大塚康生監督の前職は麻薬取締官事務所職員だったというもの。法の番人がアニメ業界に入るなど異色の経歴だが、氏によれば、当時はブローニングを使っていたという。

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言わずと知れた峰不二子の愛用品というわけだ。

ドラマ題材度

★★★☆☆

このようなマトリたちの『おとり捜査』の特色から、2014年には女性取締官が主役の2時間ドラマ『マトリの女 厚生労働省 麻薬取締官』が放映されている。

また、刑事ドラマのわき役としてマトリが登場することは意外と多い。2016年に放映された人気シリーズの『警視庁捜査一課9係』の第8話において、麻薬取締官がベレッタM85とともに登場したことは、ある意味刑事ドラマ史上でも快挙と言えるだろう。しかも、日本の公的機関では麻薬取締官のみが携行するベレッタM85や、そのモデルガンが物語の重要なキーアイテムとなり、それが幾重にも絡み合う複雑な人間模様を映し出し、父と子の絆が描かれるという興味深い演出には思わず唸った。悔やまれるのは日本のトイガンメーカーでベレッタM85をモデルアップしている会社は実際にはないことか。

残念ながら、本作で捜査一課9係係長の加納を演じた渡瀬恒彦氏が2017年3月14日に鬼籍に入られた。本作のみならず、多くの刑事ドラマで名演技を魅せてくれた渡瀬恒彦氏のご冥福を心よりお祈りする。

麻薬取締官のまとめ

2013年に薬事法が改正され、これまで主に覚せい剤や大麻といった違法薬物の乱用防止と摘発に取り組んできた麻薬取締官も、今後は危険ドラッグの捜査も可能になっている。

2014年には政府閣議で麻薬取締官の29名増員が決定し、厚生労働省では新規募集をかけているほか、退職者の再雇用も検討している。

麻薬取締官の多くが大学の薬学部で薬剤師の有資格者とされており、採用への道はやや険しいと言えるが、鈍く光るダブルアクション・ベレッタM85を手に、警察官では味わえないスリルとチャンスを甘受できる麻薬取締官は日本の特別司法警察職員の中でも特筆に値する。

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