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[36309] 【アデクさん参戦記念】オーバー・ザ・サンシャイン【飽きるまで続けたい】    (最後のレスにジャンプ)

1 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 投稿日:2020/11/05 16:49:48 ID:hboWhykQ [1/2] 名前 ID
[リゾートデザート]


「……ぷひ、ぷひぷひゅ」


「ぷ……ぷひゅ?」





────────────────────────────────





ギーマ
「……フム、リゾートデザートか。こうして来るのは2年ぶりだね」

作業員A
「いやぁ、ありがとうございます!なにぶん私たちの手には負えない問題でしてね……」

ギーマ
「構わないよ、こういう事柄は今は私以外に対応できないだろうからね」

作業員A
「へえ、へえ」


「いーやーだー!!」

ギーマ
「……ん?」

作業員B
「何度言ったらわかるんだ!いいからこっちに来なさい!」


「やだやだ!絶対いかないもんね!」


「ぷひゅひゅー!」

ギーマ
「騒がしいね……あれは?」

作業員A
「ああ……捨て子なんですがね、親も見つからなくて可哀想だから我々が保護して可愛がってたんですが……ちょっと今朝になって面倒になってしまって」

ギーマ
「面倒?」

作業員A
「ポケモンを拾っちゃったんですよ……ポケモンの方も懐いちゃって、逃がそうに逃がせなくなっちゃって」

ギーマ
「へえ……少し、良いかね?」

作業員A
「ええ、どうぞ」

ギーマ
「どうも」

作業員B
「いい加減渡さないか、[サン]!野生ポケモンなんだぞ!」

サン
「あたしのポケモンにする!そんで、ポケモンスクールに行くんだもん!」


「ぷひゅ!」

作業員B
「モンスターボールも無いのに何を言っとるんだ!戻って来い!」

サン
「やーだー!!」

ギーマ
(へえ……メラルバか。随分と珍しいが、あの娘によく懐いているみたいだ。離れようとしていない)

ギーマ
(朝に出会ってこれなら、彼女は中々の才能だな)

ギーマ
(面白くなってきた)
2 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/05 17:13:45 ID:hboWhykQ [2/2] 名前 ID
ギーマ
「やあ、君」

サン
「……おじさん、誰?」

ギーマ
「おじさんはね、ここの作業員さんに頼まれてお仕事でここに来たんだけど、君を見つけて興味を持ってしまったんだ」

ギーマ
「君のそのポケモン……メラルバは何処で見つけたんだい?」

サン
「……朝起きたら、寝床でこの子がくっついてたの!あたしに懐いているから、あたしのパートナーはもうこの子って決めたの!」

メラルバ
「ぷひゅひゅ!」

ギーマ
「へえ、それは良いね」

作業員B
「ちょ、ちょっと!サンから引き剥がすんじゃないんですか!?」

ギーマ
「いや、彼女にはここで正式にトレーナーになって貰おうと思ってね。ついでに私の仕事も済むからね」

作業員B
「ええ……」

ギーマ
「ところで、モンスターボールが無ければ君はポケモントレーナーにはなれないよ。わかっているね?」

サン
「し、知ってるもん」

ギーマ
「持っていないのかい?モンスターボール」

サン
「……」

ギーマ
「なら我が儘お嬢様にプレゼントだ。受け取りたまえ」

シュッ

サン
「これ……モンスターボール!」

メラルバ
「ぷひゅ」

ギーマ
「本当にトレーナーになると決意したなら、そのメラルバをボールに収めるといい」

サン
「メラルバを……」

サン
「……メラルバ!あたしと一緒に来てくれる?」

メラルバ
「ぷひゅ!」

サン
「……ようし!行くよ!」

サン
「モンスターボール!!」

メラルバ
「ぷひゅ!」

ボムッ

フォ-ン...

フォ-ン...

フォ-ン...

ポンッ!!

サン
「あ……出来た!」

サン
「メラルバ!捕まえられた!!」

▼おめでとう! サンは メラルバをゲットした!
3 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/06 11:53:36 ID:Z7NHScnQ [1/3] 名前 ID
サン
「やったー!やったー!!」

サン
「あたしの!!はじめての!!パートナー!!」

サン
「メラルバー!!」

メラルバ
「ぷひゅ!」

ギーマ
「おめでとう、これで君は晴れてポケモントレーナーだ」

サン
「おじさんありがとう!これでトレーナースクールに行けるよ!!」

ギーマ
「いやいや。代わりに君には一仕事して貰うよ」

サン
「え」

作業員A
「えっ、こいつに任せるつもりなんです?」

ギーマ
「ああ、彼女はどうやらポケモントレーナーとしての『格』があるようだからね。ディーラーとして長年磨いた観察眼だ、信用に足るはずだがね」

作業員B
「では、お任せしますけど……」

サン
「あたし何やったらいいんですか?」

メラルバ
「ぷひゅ」

ギーマ
「なあに君には苦でもない話さ。ついてきたまえ」





────────────────────────────────





ギーマ
「さあ、着いたぞ」

サン
「あっ……ポケモンだ」

ギーマ
「その子はモノズというポケモンだ。今はここで預かっているのだが、とてもじゃないが手に負えないじゃじゃ馬でね」

サン
「はえー……」

モノズ
「……」

サン
「大人しいですけど?」

ギーマ
「その子は2年ほど前にここに居着いてしまい、ここら一帯を支配してしまったんだが……本来の生息地は別の場所なんだ。つまりここに居てはいけないポケモンだ」

ギーマ
「だからポケモントレーナーの力で捕獲して環境を戻そうとしたんだが、強力過ぎて制御ができなくなってしまったんだ」

サン
「はえー」
4 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/06 12:37:40 ID:Z7NHScnQ [2/3] 名前 ID
サン
「それでその暴れん坊のとこに連れ出してあたしに何やらせるんですか」

ギーマ
「君、トレーナースクールの入学条件は知ってるね?」

サン
「ポケモン持ってること!!」

メラルバ
「ぷひ!」

ギーマ
「違うよ」

サン
「違うの!?」

メラルバ
「ぷぴー」

ギーマ
「正しくは手持ちの3匹を制御できる技量が必須条件だ」

サン
「えー!?!?!?」

サン
「1匹だけじゃ……ダメなの……!?」

ギーマ
「だからこそ君にメリットのある仕事だ」

サン
「え?」

ギーマ
「このモノズを手持ちとして迎えたまえ。それだけさ」

サン
「でもモノズは凶暴なんじゃ……」

ギーマ
「大丈夫さ。君にはポケモントレーナーとしての才能……『格』がある」

サン
「『格』……?」

ギーマ
「私は優れたポケモントレーナーを数多く見て来た。強者となる者たちは皆その才能に『格』があった」

サン
「あたしにもそれがあるってことなの!?」

ギーマ
「だからこのモノズも君は従えることが出来るだろうね。私の目に間違いはない」

サン
「本当かなぁ」

ギーマ
「試しに触れてみるといい、それでわかるよ」

サン
「よぉし……」

サン
「モノズ!」

モノズ
「……?」

サン
「あたし、サン!よろしくね!!」

モノズ
「ムズ……」

ギーマ
(反応が他とは違う。やはり持ってるね、彼女は)

サン
「ねえ、撫でてもいい?」

モノズ
「ムズ……」
5 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/06 12:54:25 ID:Z7NHScnQ [3/3] 名前 ID
【モノズの回想】


『成る程……ワタクシのサザンドラから産まれたモノズですか』

モノズ
『むずず』


『Nのお目付役には相応しいかもしれませんね。彼に渡しておきなさい』

モノズ
『むじゅ?』





────────────────────────────────





モノズ
『むじゅ!むじゅもず!!』


『へえ……君はバトルは好きじゃないんだね』


『わかるよ、傷つけ合うだけがポケモンじゃないよね』

モノズ
『もじゅ!』


『だから……自然のそれじゃない、自分本意な戦いを強いるヒトから彼らを解放しなきゃならないんだ。強力してくれるね?』

モノズ
『もじゅ!!』





────────────────────────────────






『君はもう逃げた方がいい。ボクは彼と戦うと決めた』

モノズ
『じゅ……』


『心配しないで……いつか、君たちに恥じないようにいられるために、彼と決着をつけるから』

ファサァ...

モノズ
『もじゅ……』





────────────────────────────────






『おや、ずっとこんな場所でNを待っていたのですね。全く愚かなものです』


『プラズマ団を新生させる為には、もうNの痕跡は必要ありませんね』


『消えなさい』

モノズ
『も……も……』

モノズ
『もじゅー!!!!』





────────────────────────────────
6 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/06 21:34:59 ID:EvRxpfYs 名前 ID
モノズ
「……」

モノズ
(この人間、においがちょっぴりナチュラルに似てる)

モノズ
(それに……)

メラルバ
「ぷひ?」

モノズ
(一緒にいて嬉しいって気持ちがわかる)

モノズ
「……」

モノズ
「もじゅ……」

ペロッ

サン
「あっ!舐めました!!」

ギーマ
「ふむ、懐いてくれたようだね」

サン
「そうなの?」

モノズ
「もず!」

サン
「ってことは……!」

ギーマ
「そのモノズは君のポケモンだ。さあ、モンスターボールに収めたまえ」

サン
「モノズ!あたしと一緒に来て!!」

モノズ
「もず!!」

ボムッ

フォ-ン...

フォ-ン...

フォ-ン...

ポンッ!!

サン
「い……」

サン
「やったー!!ポケモントレーナースクールまであと少しだー!!」

メラルバ
「ぷひー!!」

ギーマ
「フッ……一件落着かな。では、私はこれで行くとするよ」

サン
「ありがとう、おじさん!色々教えてくれて!!」

ギーマ
「構わないよ。このモンスターボールはおまけだ、3匹目のパートナーは自分で選びたまえ」

サン
「ありがとう!ありがとうおじさん!!」
7 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/08 01:52:23 ID:pvyqHOYY [1/3] 名前 ID
──数日後

サン
「……うーん」

メラルバ
「ぷゅーん」

モノズ
「もーん」

作業員A
「どうしたぁ、難しい顔して」

サン
「3匹目のメンバーにする子が決まんないの」

作業員A
「適当にそこらのポケモンでも良いんじゃないのか?」

サン
「ダメだよ!愛着に偏りが出る!!」

作業員A
「おっ、それもそうか」

サン
「ん~……でもわかんないや、何を仲間にすれば良いのか」

サン
「ちょっと散歩でもして来ようかな。行こう、メラルバ!モノズ!」

メラルバ
「ぴゅ!」

モノズ
「も……!」

サン
「あーあ、ここら辺にクルミルでもフシデでもいればなぁ」

作業員A
「ここは砂漠だ、虫ポケモンが生息しているような環境じゃあねえなぁ」

サン
「ふぅ……」
8 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/08 14:37:48 ID:pvyqHOYY [2/3] 名前 ID
サン
「……というわけでやってきました、古代の城!!」

メラルバ
「ぴゅ!!」

サン
「ん?どったの?」

メラルバ
「ぷゅ!!ぷゅ!!」

サン
「え?やだ?やなの?」

メラルバ
「ぷっぷゅ!!」

サン
「え~……しょうがないな、じゃリゾートデザート探索でもしますか」

メラルバ
「ぷゅ!!」

モノズ
「も!」

サン
「いや~でも懐かしいねえ、ここあたしが産まれた場所っぽいんだよね~」

メラルバ
「ぴゅ?」

サン
「あたし捨て子だしさ、親見つかってないんだよね。まあこんな場所にあたしを置いてくくらいだから観光客か古代文明の研究者だろうっておっちゃんたちは言ってたけど」

サン
「あたし赤ん坊のまま砂に埋もれてたんだって!よく死ななかったねー!!」

メラルバ
「ぷ~」

モノズ
「もじゅもじゅ」

サン
「でもな~、なんかあったかかったな~。誰かに守られてたみたいな~」

サン
「……あれ?誰にだっけ?」

ドガ-ン!!!!

サン
「おわっ!?なになに!?」

メラルバ
「ぷ!?」

モノズ
「も?」

サン
「よーし!行ってみよう!!」
9 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/08 15:07:46 ID:pvyqHOYY [3/3] 名前 ID
サン
「音のなる方に来てみたけど……一体何が?」

バビュ-ン!!

サン
「ぉうわッ!?」

ビュン!!ビュン!!ビュン!!

サン
「なんかが飛び回ってる!これは……!?」


「ぎぃぃぃ!!ぎぃぃぃ!!」

サン
「違う、飛んでるんじゃない!!」

サン
「跳んでるんだ……サナギラスが!!」

サナギラス
「ぎぃぃぃ!!ぎぃぃぃぃぃん!!」

サン
「この辺にサナギラスはいないはずなのに……なんで」

ガツッ

サン
「ん?これは……砕かれた石?」

サン
「あっ……これ、イシズマイの石だ!サナギラスが跳び回って暴れているから、巻き添えを喰らったんだ!」


「かぁぁぁーっ!!」

サン
「この鳴き声はマラカッチだ!マラカッチがサナギラスと戦ってる!」

マラカッチ
「かぁぁぁーっち!!」

▼マラカッチの ギガドレイン!

サナギラス
「ぎぎぎー!!」

▼サナギラスの じだんだ!

マラカッチ
「マッ!?」

マラカッチ
「マァァァ~……」

▼マラカッチは たおれた!

サン
「負けちゃった……あのサナギラス、レベルが高過ぎるよ!」

サン
「これは多分、トレーナーがいたんだよね……こんな高レベルでこの辺にいない種族なのにいるってことは、元はトレーナーがいてここに訪れた時に放したっていうのが自然なはず」

サン
「だとしたら、許せない!ポケモンを捨てるなんて!」

サナギラス
「ぎぃぃぃ!!」

ズガ-ン!!ズガ-ン!!

サン
「けど、その前に!」

サン
「あのサナギラスを止めないと、ここにいるポケモンたちの生態系が崩れちゃう!」

サン
「それは、防ぐ!!」
10 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/09 22:54:32 ID:SUKAsCp6 [1/2] 名前 ID
サン
「サナギラスー!やめなさーい!!」

サナギラス
「ぎー!!ぎー!!」

サン
「聞こえてないっぽいね……よし!行くよメラルバ、モノズ!初めてのバトルだ!」

メラルバ
「ぷ!!」

モノズ
「も……!!」

サン
「まずは動きを止めるよ!“いとをはく”!!」

メラルバ
「ばぁっ!!」

サナギラス
「ぎっ!?」

サン
「からの、“かみつく”!!」

モノズ
「もっ!!」

ガブッ!!

サナギラス
「ぎぃ~やぁ~!!」

▼サナギラスの げきりん!

モノズ
「も"ッ」

▼モノズに 効果は バツグンだ!

サン
「モノズ!?モノズ大丈夫!?」

メラルバ
「ぷ、ぷ……?」

モノズ
「ずっ……う"っ」

サン
「良かった……持ち堪えてくれた」

サン
「流石に迂闊過ぎたね……けど糸で身体の自由は奪われているはず」

サン
「距離を取るよ!モノズはメラルバの後ろに!」

モノズ
「もぅ……」

サン
「メラルバ、頑張るよ!連続で“ひのこ”!」

サン
「モノズは“りゅうのいぶき”!状態異常を起こせば、捕獲のチャンスが出てくる!」

サン
「バトルで倒せないなら、捕獲で大人しくさせる!!」
11 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/09 13:28:19 ID:0TnH53Jg 名前 ID
サナギラス
「ぎっ……ぎっ……」

ブチブチッ..

ブツン!!!!

サナギラス
「ぎいあああああ!!」

▼サナギラスの いわなだれ!

サン
「!?」

サン
「にげろおおおお!!」

メラルバ
「ぷ……!?」

モノズ
「もっ……!!」

ズドドドドドドド!!!!

サン
「ああああ!!やばいよ!!やばい!!」

サン
「アレが当たるのはダメだぁぁぁぁぁ!!」

ズボッ

サン
「おあああああなになになになになに」

ボトッ

サン
「ぐえっ!!」

メラルバ
「ぶっ」

モノズ
「も"っ」

サン
「いってえ……なに!?なんなの!?」


「コァァァー!!」

サン
「うわっ!?……なんだメグロコか」

メグロコ
「きしゃー!」

サン
「落ちたのはメグロコの掘った穴……あっ、そうだ!」

サン
「ねえあたしたちに協力してよ!“すなじごく”、出来るでしょ!?」

メグロコ
「シャ?」

サン
「ほら、あそこのあいつに技掛けるだけで良いから!ね!ね!」

メラルバ
「ぷゅっぷゅ!」

メグロコ
「シャァン……」

メグロコ
「シャァァ~」

ドボンッ

サナギラス
「ギ?」

メグロコ
「シャーッ!!」

▼メグロコの すなじごく!

サナギラス
「ギッ!?」

▼効果は バツグンだ!

サン
「よっしゃ!活路が開けた!!」
12 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/09 23:07:08 ID:SUKAsCp6 [2/2] 名前 ID
サン
「“すなじごく”に囚われている今なら、よーし!」

サン
「メラルバ、“いとをはく”!」

メラルバ
「ばぁっ!!」

サナギラス
「ぎぎぎぎぎ!?」

サン
「はっはー!!“すなじごく”が糸を勝手にお前の方向に絡め取ってくれるからな、もう身動きは取れないぞ!!」

サナギラス
「ぎっ!!ぎっ!!」

▼サナギラスの じだんだ!

▼しかし なにもおこせない

サン
「畳みかけろー!“りゅうのいぶき”!“ひのこ”!」

メラルバ
「ばぁっ!ばぁっ!ばぁっ!」

モノズ
「もおおお!!けおおお!!」

サナギラス
「ぎいいいいい!!」

サン
「……よし、体力は十分に減らした!!いよいよ捕獲だ!!」

サナギラス
「ぎっ!?」

サン
「行け、モンスターボール!!」

ポ-ン

パシッ

▼ひとのものを取ったら 泥棒!

サン
「……え?」

サン
「モンスターボールが弾かれた?そんなこと……」

サン
「……いや、モンスターボールが弾かれるってことは、このサナギラスがまだ誰かを「おや」って認識してるってことでしょ?」

サン
「まさか……このサナギラスは捨てられたポケモンじゃないってこと!?」

サン
「ってことは、どういうことなの……?」

サナギラス
「ぎっ……ぎっ……」

サン
「あたしの勘違い……!?」


「ドラピオン、“つじぎり”!」

サン
「えっ!?」

モノズ
「もっ!?」

ドンッ

ザシュッ!!

モノズ
「もーッ!!」

サン
「モノズ!?あたしを庇って……っていうか、何!?」


「残念だが、お前のような子供に“解放”の邪魔をされるわけにはいかないんでな」

サン
「誰ッ!?」


「プラーズマーッ!!」
13 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/10 13:33:03 ID:suIODDmw 名前 ID

「イッシュ地方にその名を轟かせる組織、プラズマ団!」

したっぱ
「その構成員の1人が俺!したっぱよ!」

サン
「プラズマ団!?確か2年前にポケモンを野生に還そうって活動してた、あのプラズマ団!?」

したっぱ
「その通り!だがプラズマ団は2年前とは最早別物!更なる解放活動の為に力も規模も目的も大幅リニューアルよ!」

したっぱ
(……ま、俺は2年前のプラズマ団は知らねえけど)

サン
「それがなんであたしの邪魔をすることになるわけ!」

したっぱ
「そのサナギラスは我々が解放したものだ!今、そいつはトレーナーという呪縛から解き放たれて野生に還ろうとしているのだ!」

したっぱ
「それを貴様が邪魔したのだ!」

サン
「はぁ!?サナギラスの本来の生息地に還さないと、ここら一帯の生態系が崩れちゃうでしょ!それだけの力がサナギラスにはある!ここで暴れちゃうと、リゾートデザートのバランスが崩壊しちゃう!」

サン
「それを省みられずに解放なんて、やめなさいよ!!」

したっぱ
「黙れ黙れ!邪魔をするならガキだろうと容赦しないぞ!」

サン
「くっ……!やるっきゃない!」

サン
(けど、モノズは戦闘不能でメラルバだけ……)

サン
(勝てるの……?トレーナーの的確な指示を受けている高レベルのポケモンと……)

サン
(……いや、やらなきゃ!あたしがここを守らなきゃ!!)

サン
「行くよ、メラルバ!“いとをはく”!」

メラルバ
「ばぁぁぁー!!」

したっぱ
「はっ!拘束出来るとでも思ってんのか!ドラピオン、“つじぎり”!」

ドラピオン
「ぴぃやァーッ!!」

スパァッ スパァッ スパァッ

サン
「ダメか!なら“ひのこ”だ!」

メラルバ
「ばぁっ!!」

したっぱ
「チャチな炎で勝てると思ってんじゃねえ!“かみなりのキバ”!」

ドラピオン
「ピャース!!」

サン
「ああっ、掻き消された!?」

したっぱ
「今度はこっちの番だなぁ、“クロスポイズン”!」

サン
「“いとをはく”をワイヤーにして後方へ退避!」

メラルバ
「ばっ!!」

したっぱ
「悪くない策だが爪が甘い!“ミサイルばり”!」

ドラピオン
「ピピピピァ!!」

ドシュシュシュシュ

メラルバ
「ばぁぁぁっー!?」

サン
「メラルバ!くそっ……手強い!!」
14 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/11 10:37:44 ID:qrylX6BY 名前 ID
サン
(遠近ともに完璧とでも言いたげでいけすかない!初心者相手にやることじゃないでしょ!)

サン
(効果抜群の技でもあれば少しは変わってるだろうけど……)

サン
「ええい考えてもしょうがない!メラルバ、まだまだ“いとをはく”!」

メラルバ
「ばぁ~!!」

シュルルルルル...

したっぱ
「何度やったって無駄なんだよ!“つじぎり”が全てを切っちまうんだからな!」

ドラピオン
「ピピピピヤァーッ!」

スパパパパパ

サン
(このままじゃジリ貧だ、どうすれば……!)

サン
(地面タイプのポケモンの助けがあれば……!!)

したっぱ
「さあ、トドメと行くか!“かみなりのキバ”!!」

ドラピオン
「ピシャァ~!!」

サン
「くっ……南無三!!」

ガブッ!!

したっぱ
「……あ?」

したっぱ
「野生のメグロコが盾になったって言うのかぁ!?」

サン
「え!?」

メグロコ
「シャファ~」

サン
「きみ、さっきのメグロコ!?助けに来てくれたの!?」

メグロコ
「シャ?」

サン
「またお願いしていい?一緒に戦って!」

メグロコ
「……」

メグロコ
(さっきから外が騒がしくて出てきたらいきなり噛まれただけなんだよな)

メグロコ
(でもこのまま無視したらゆっくり寝れないんだろうな……)

メグロコ
「シャ!」

サン
「ありがとぉぉぉ~!!」

したっぱ
「ハ!そんな雑魚1匹増えたところでどうなるってんだよ!」

サン
「試してみなよ!あたしが勝つ!!」
15 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/12 13:17:41 ID:kWz7aIOo 名前 ID
したっぱ
(ああは言ってみたが、恐らくあいつが狙っているのは“すなじごく”によるハメ技だろうな)

したっぱ
(だが“すなじごく”は発動し、砂の牢獄に閉じ込められるまでにラグがある。更に言えば物理技だ、近付かなければ攻撃を成功させることはできない)

したっぱ
(甘いんだよなぁ!!大人の俺をそんなチープな作戦で倒せるわけがないだろうが!!攻撃を仕掛けたところでドラピオンのクロスポイズンを喰らわせてやるぜ!!)

したっぱ
「やれドラピオン!“ミサイルばり”!」

サン
「“ひのこ”で相殺!突っ込め、メラルバ!」

メラルバ
「ばっ!!」

ドラピオン
「ピャピャピャピィヤ~!!」

ズドドドドド

したっぱ
「すばしっこいだけの雑魚が!接近したところにクロスポイズンを叩き込んでやれ!!」

ドラピオン
「ピィィィヤァァァ!!」

サン
(まだだ……まだまだ、タイミングを見計らうんだ!)

したっぱ
(さあ近付け!近付かないと負けちまうぜぇ!!)

したっぱ
「そこだ!殺れぇ!!」

ドラピオン
「ピッ!!!!」

ブオンッ

サン
(今ッ!!)

サン
「メグロコ、“すなかけ”!」

メグロコ
「シャアッ!」

ブシ-ッ

ドラピオン
「ピャア!?」

スカッ

したっぱ
「何ィ!?」

サン
「からの、メラルバ!!“はいよるいちげき”!!」

メラルバ
「ばあああーッ!!」

ドゴオッ!!

ドラピオン
「ピ"ッ……!?」

ドシュ-ン!!

したっぱ
「な!?」

ドシ-ンッ!!

したっぱ/ドラピオン
「「うぎゃあああー!?」」

サン
「やったぜ!!」

メラルバ
「ぷひ!!」

メグロコ
「シャッシャッシャッ!!」
16 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/14 17:30:41 ID:sLi.pkVU 名前 ID
サン
「よっしゃあー!!参ったかー!!」

したっぱ
「ぐええ……このクソガキが!俺を本気にさせたな!!」

サン
「頼みの綱のドラピオンは既に戦闘不能!往生せえや!!」

したっぱ
「バカが!!誰が手持ちが1匹だけっつったんだよ!!」

サン
「はっ!!!!????」

したっぱ
「やれマニューラ!!」

ボムッ

マニューラ
「ニャア~!!」

サン
「ウッ、ウワァ~!!嘘でしょお!?」

サン
「メ、メラルバ!メグロコ!」

サン
「逃げるよ!」

メグロコ
「シャッ!」

メラルバ
「ぷひ!」

したっぱ
「“れいとうビーム”で退路を塞げ!」

マニューラ
「ニャア!」

カチコ-ン

サン
「ギャアア!!閉じ込められた!!」

したっぱ
「ハハハァ!!往生するのはお前の方だったようだな!!」

したっぱ
「これからいたぶり嬲ってやるぜ!マニューラ、殺れぇ!!」

マニューラ
「ニャア!!」

サン
「ウワーーー!!南無三ーーー!!」






「そこまでだ!!」

サン
「えっ!?」

したっぱ
「ああん!?」

したっぱ
「ああ!?」

したっぱ
「お、お前は!!?」
17 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/16 22:29:19 ID:KDxIaTc6 [1/2] 名前 ID
ジャック
「俺のサナギラスが倒されている……どういうことだ?」

サン
「ボーマンダに乗った……トレーナー!?」

メラルバ
「ぷひ……」

メグロコ
「シャ?」

したっぱ
「な、なんでここにいやがる!」

ジャック
「お前が俺のサナギラスを解放だとか言って奪ったからここまで追ってきたんだよ!ふざけた真似しやがって!」

サン
「あのサナギラスの元のトレーナー!?」

したっぱ
「くっ……冗談じゃない!シンオウリーグ到達経験者なんかと戦えるかよ!?」

サン
「え!?あの強豪って噂のシンオウリーグ!?」

サン
「あのトレーナー、とんでもない強者じゃん!!」

ジャック
「俺のことを知っているなら尚更意味不明だな、俺のポケモンを盗むなんて」

したっぱ
「う、うるさい!お前には恨みがあるんだ!晴らしても晴らせないような恨みがな!!」

ジャック
「ならかかって来い、俺を恐れずにな」

したっぱ
「こうなれば……マニューラ、やっちまえ!!」

マニューラ
「ニャー!!」

ジャック
「出番だ、エンペルト」

ボムッ

エンペルト
「……ペ」

したっぱ
「“れいとうビーム”だ!」

ジャック
「“アクアジェット”」

エンペルト
「……ペ!」

したっぱ
「は!“アクアジェット”の水なんかは、“れいとうビーム”が全て凍らせ……!」

ガッ!!

したっぱ
「は?何の音……」

マニューラ
「ニャ……」

バタン!!

したっぱ
「は、はぁ!?何やってんだよ、オイ!?」

サン
「今の、“アクアジェット”……だったよね!?」

ジャック
「見えなかったか?」

ジャック
「そりゃそうか。俺のように一流のトレーナーが育て、高み合ってきたポケモンとのコンビネーションも、戦略も」

ジャック
「お前のような三流トレーナーの眼では霞んで見えやしないだろうな」
18 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/16 22:50:15 ID:KDxIaTc6 [2/2] 名前 ID
したっぱ
「クソォ!!何故だぁ!!何故勝てない!!」

ジャック
「お前……思い出したぞ。確かギンガ……」

したっぱ
「そうだ……お前が組織を潰しさえしなければ!」

したっぱ
「俺はこんなところで、したっぱとして燻ることも無かったんだ!!」

ジャック
「それがお前の恨みの元か。なんともつまらない、みみっちくてしょうもない」

したっぱ
「なんだとぉ!?」

ジャック
「そもそも、お前たちのボスを倒したのは俺じゃない。的外れにも程がある」

したっぱ
「なん……!?」

ジャック
「この世界には、俺の才気をも凌ぐ若き芽が満ち溢れている」

ジャック
(……そう、あの2人のような奴が。新しい天才が俺を追い越していく)






『……!』


『なぁんだ、お前俺たちと同郷の癖にこの程度かよ!』


『……』


『悪いがお前じゃ俺の相手にならねえんだよな!精々鍛え直してきな!バイビー!!』





ジャック
「……だから」

ジャック
「俺はお前なんかには負けていられない」

したっぱ
「くそっ!!くそっ!!」

したっぱ
「うわぁぁぁ~!!」

ジャック
「……さて、サナギラスは無事か?」

サナギラス
「ぎー♪ぎー♪」

ジャック
「そうか……良かった。お前が俺を見捨てないでくれて」

ジャック
「本当に良かった」

サン
「あ……あの!」

ジャック
「……ん?」
19 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/17 08:39:22 ID:sW08Mx3A [1/2] 名前 ID
ジャック
「君はサナギラスを倒したトレーナーか」

ジャック
(この破壊痕からして、トレーナーから離されたサナギラスが暴走していたようだな。それを彼女が止めてくれたのか)

ジャック
(進化したばかりとはいえ、高レベル帯の存在とされるサナギラスを倒したとは……これはまた、恐ろしい才能だな)

ジャック
「ありがとう。君がサナギラスを倒し、プラズマ団を留めておいてくれたから俺が間に合うことが出来た。サナギラスを取り戻すことも」

ジャック
「君は俺にとって恩人だ。何か礼をさせてくれ」

サン
「お礼なんてそんな……あっ、だったらあたしのモノズを回復させてください!お願いします!!」

ジャック
(謙虚な子だな)

ジャック
「それくらい当然、お安い御用だ。メラルバとメグロコも回復させておくよ」

サン
「ありがとうございます!!」

ティン ティン ティロリン♪

メラルバ
「ぷひ~!」

モノズ
「も!」

メグロコ
「シャア~!」

ジャック
「これで回復は完了だ。他に俺に出来ることはないか?」

サン
「え?お礼じゃないんですか、これ」

ジャック
「これくらいじゃお礼の範疇にも入らないよ。君には本当に助けられたし」

サン
「う~ん……あっ!じゃあ!!」

ジャック
「なに?」

サン
「お兄さん、旅の人でしょ?シンオウリーグにも行ったんでしょ!?バッジ、見せてください!」

ジャック
「そんなことで良いなら、幾らでも」

パカッ

サン
「ふ、ふわあああ~!!」

サン
「シンオウだけじゃない、カントー・ジョウト・ホウエンも揃ってる!!すっごーーーーーい!!!!」

ジャック
「これでもそれなりに旅はしてきたからね。その証さ」

サン
「イッシュも途中まで集まってる!もしかして、リーグにも!?」

ジャック
「毎回出場はしてるんだけど……どうしても負けちゃうんだ」

サン
「えっ!?あんなに強いのに!?」

ジャック
「それ以上に強い人がどの地方にもいるってことさ」
20 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/17 11:01:27 ID:sW08Mx3A [2/2] 名前 ID
サン
「はぁ~、世界って広いんだぁ」

ジャック
「君も旅をすると良い。旅の途中で、君のやるべきことが見つかるはずだよ。君はまだ若いからね」

サン
「はいっ!!バッジ、見せてくれてありがとうございます!!」

サン
「ポケモントレーナーになる為にも、まずはトレーナースクールに行かなきゃ!」

ジャック
「ポケモンスクール?」

サン
「うん!ヒオウギシティに行って、ポケモントレーナーになるんです!!」

ジャック
「成る程ね。頑張ってくれ、応援しているから」

サン
「はーい!!あっ!!」

ジャック
「うん?」

サン
「そういえばあたし、ここに3匹目のパートナーを探しに来たんだった!」

ジャック
「なら答えは決まっているね」

サン
「えっ?」

ジャック
「そこのメグロコ、君に着いて行きたそうな顔をしているだろ」

メグロコ
「シャー!」

サン
「メグロコ……あたしと一緒に来て!」

メグロコ
「シャ!」

ボムッ

フォ-ン...

フォ-ン...

フォ-ン...

ポンッ!!

サン
「んんんん~!!」

サン
「やったー!!これでトレーナースクールに入学出来るー!!」

ジャック
「フ……じゃあ、俺はそろそろ行くよ。やることがあってね」

サン
「ありがとうございました!!あの、名前!!教えてください!!」

ジャック
「俺の名前、か」

ジャック
「ジャック。俺はジャックだ」

サン
「あたしは!!サン!!です!!」

ジャック
「よく覚えておくよ、サン。行くぞ、ボーマンダ!!」

ボーマンダ
「バオオオッ!!!!」

バサッ バサッ バサッ バサッ...
21 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/18 11:31:12 ID:0eYp5GP6 名前 ID
[ヒオウギシティ]

アデク
「おお!よく来たな、ジャック!」

ジャック
「アデクさん、チェレンさん、ありがとうございます。俺にこんな重大な事を任せてくれるなんて」

チェレン
「いや、僕たちとしても他地方を巡ったトレーナーとの交流は貴重だ。むしろ感謝したいくらいだ」

ジャック
「そう言われるなんて……嬉しいです」

チェレン
「そう硬くならないでほしい。僕と君は同い年だろう?」

ジャック
「はは……こういう敬語、慣れてないもんで。バレてたか」

チェレン
「なら、今からバトルしてみないか?もっと自分たちの事を知って欲しいんだ」

ジャック
「だからバトルか……良いね、やらせてくれ」

アデク
「なら、わしが審判を勤めよう。2人とも、存分に自分を見せ合うと良い!!」

チェレン
「では……!」





────────────────────────────────





ジャック
「エンペルト!!」

チェレン
「ダイケンキ!!」

「「“アクアジェット”!!」」

エンペルト
「ペエッ!!」

ダイケンキ
「ダァーイ!!」

ブワシャアアア...!!

ズガン!!

アデク
「そこまで!!」

ジャック
「む……ッ!」

チェレン
「ン……ッ!」

アデク
「2人とも、良いバトルだった!だが、お互いのことはもう十分に理解しただろう」

ジャック
「はい、全てわかりました」

チェレン
「良い勝負だった。また機会があれば、是非手合わせして欲しいな」

ジャック
「ああ、俺もまた勝負したい」

グッ!!

ジャック
「……ところで、チェレンはトレーナースクールの教師を務めているんだよな?」

チェレン
「ああ、未来のトレーナーの卵を育てるのが、今の僕の仕事だ」

ジャック
「そうか……なら」

ジャック
「推薦したい子がいるんだ」





【第一話 旅立ちの前の日の出】
22 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/20 16:21:29 ID:rYsTHeBk 名前 ID
[トレーナーメモ]

〈サン〉
性別:♀
年齢:7歳
出身:イッシュ地方 リゾートデザート
好きなモノ:いかりまんじゅう
趣味・特技:食べ歩き
手持ちポケモン:メラルバ Lv.15/モノズ Lv.17/メグロコ Lv.19

赤子の頃にリゾートデザートに捨てられた過去を持つ少女。しかしそんな過去に縛られることなく、4番道路の作業員たちに明るく育てられた。
ポケモントレーナーになる為にトレーナースクールに入学することを目標としており、将来の夢は凄腕のポケモントレーナーとなって古代の城に住むこと。馬鹿である。
作業員たちによって昼間の休みだけは面倒を見てもらっていたものの、勉学を学ぶ余裕は無かったため学習はほぼ独学で行なっている。特にバトル知識のラーニングは目を見張るものがあり、渡された専門書物の内容はほぼマスターし、更には脳内シミュレーションから戦術を独自に発展させている。
それ故に正式にトレーナーになっていないにも関わらず、プラズマ団のしたっぱのポケモンを撃破する高い能力を発揮している。
因みに手持ちは悪タイプが多いが、本人の好み及び適正タイプは虫とされている。

〈ジャック〉
性別:♂
年齢:13
出身:カントー地方 マサラタウン
好きなモノ:ニビあられ
趣味・特技:スケッチ
手持ちポケモン:エンペルト Lv.50/バシャーモ Lv.50/クロバット Lv.50/ボーマンダ Lv.55/サナギラス Lv.30

数多くの地方を巡ってきた若きポケモントレーナー。とある有名な3人のトレーナーと同郷、更には同じ年の同じ日に旅立ったことが誇りであり、コンプレックスらしい。
今までカントー地方・ジョウト地方・ホウエン地方・シンオウ地方を旅し、その何もで8つのジムを制覇してポケモンリーグに出場する高い実力を誇る。更にはその地方の全てで悪の組織と接触し、交戦した経験も持っている。
しかし悪の組織とは激戦を繰り広げたものの、どの地方でも壊滅させたのは別の、彼よりも年下のトレーナーらしく、そしてそのトレーナーとの戦いに敗れたことでリーグを敗退している。
それを彼がどう受け取っているかは彼のみぞ知ることである。
飛行タイプのポケモンを多く所持しており、スピードに特化した戦術を得意としている。
23 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/23 10:35:15 ID:iPKHXx7s 名前 ID
──1ヶ月後

[ヒオウギシティ]

サン
「つ・い・にぃ~!!」

サン
「来たぞーーーーー!!!!」

サン
「トレーナースクールーーーーー!!!!」

サン
「筆記試験で本当にマジでヤバかったけど、推薦枠があって良かった~~~~~!!!!」

サン
(でも、あたしを推薦してくれたのは誰なんだろ?)

サン
「まいっかあ!!!!よろしくなぁ!!!!」


「ちょっと、そこの貴方。うるさいんですよ、静かにしてください」

サン
「およ?誰?」


「貴方……今日しっかりクラスメイトとして紹介されたでしょう?まあその知性の足りなそうなおつむじゃ覚えられなくても仕方ないでしょうがね」

サン
「なんだとー!?」


「とにかく、僕の前に立たないでください。邪魔なので」

サン
「……うー!!なんなんだよアイツわ!!」

クラスメイト
「知らないの?ビートくんのこと」

サン
「アイツの名前?」

クラスメイト
「ビートくん、各地を転々としてずっとあんな感じで人当たりが悪いんだ。推薦枠が2人いたってことは知ってるでしょ?」

サン
「うん」

クラスメイト
「そのうちの1人だからね。自分がエリートだって憚らないんだ」

クラスメイト
「もしかしたら、もう1人の推薦枠の子ならビートくんをぎゃふんと言わせられるかも知れないけど」

サン
「あたしその推薦枠なんだけど」

クラスメイト
「え?」

サン
「え?」
24 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/11/30 07:56:29 ID:RNs/TKL2 名前 ID
──それから

サン
「ビート!おはよう勝負しよう!!」

ビート
「は?何言ってるんですかあなた……しませんよ」

──サンは

サン
「ビート!いい天気だな勝負しよう!!」

ビート
「こんないい天気なんですよ貴方みたいな頭までお天気な人に構っていられないんですよ僕は」

──しつこく

サン
「ビート!今日は雨だけど勝負しよう!!」

ビート
「ちょっと、豪雷雨警報が鳴っているのに勝負なんてするわけないでしょう」

──ビートに

サン
「ビート!ビート勝負しよう!!」

ビート
「いや意味がわからないんですけど」

──付き纏った

サン
「ビート!いいから勝負しろよ!!」

ビート
「嫌ですよ」

ビート
「というか貴方ここ数日しつこいですね、なんなんです?」

サン
「は?」

ビート
「は?じゃないですよ、なんで僕を追いかけ回すのか聞いてるんですよ」

サン
「お前をぶっ倒せばあたしが唯一の推薦枠となって偉くなれるからだ!!」

ビート
「は???(理解不能)」

サン
「勝負しろー!!ラップバトルでも良いぞ!!」

ビート
(この人ヤバいですね……寝てる時にも寮に来るしもうそろそろ解放されたいです)

ビート
「……わかりました、良いでしょう。貴方と僕の格の違いというものを見せてあげますよ」

サン
「そう来なくちゃ!!」
25 : 世紀王ウルガモスサン◆cF73yUix5w 2020/12/02 12:04:33 ID:qRFKx21o 名前 ID
サン
「じゃあこのマイクを手に取れ!」

ビート
「ラップなわけないでしょう、ポケモンバトルですよ」

サン
「あっそっか!!じゃあ早速行け、モノズ!!」

モノズ
「も!」

ビート
「ちょっ、ダイレクトアタックはダメでしょ!」

ビート
「狂人ですかこの人は……ミブリム、行きなさい!」

ミブリム
「みぃ……」

サン
「なに?あのポケモンは確か……ガラル地方の!」

サン
「エスパータイプを持つポケモンを出すなんて好都合!モノズ、“かみつく”攻撃!」

モノズ
「もっ!!」

ビート
「……僕を見くびらないで欲しいものですね」

ビート
「ミブリム、“チャームボイス”!」

ミブリム
「みぃ~!!」

モノズ
「もっ!?」

サン
「モノズ!?立てるか!?」

モノズ
「もっ……ず!」

サン
「よし!手痛い一撃は喰らったが、これでわかったことがある!」

サン
「あいつ手強い!」

ビート
「当然ですよ。なんと言っても僕はエリート、エスパータイプのエキスパートとなる為に日々精進し、勤勉に励んでいるのですから」

ビート
「貴方のような直情的なお馬鹿さんとはここが違うんですよ」

サン
「まだまだ勝負はわからないぞ!お前を倒して、あたしはクラスの王になーる!!」

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