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さやわか氏は、特に『あつ森』のデザイン性の高さを指摘する。
「(あつ森は)着せ替えやインテリアなど、ファッショナブルな要素が女性の間で人気を博しています。『こういう服かわいいよね』と、インスタで映える写真をあげる感覚でSNS上でカジュアルに発信することができます。一方のPS4では、リアルなデーモンを狙撃する『DOOM Eternal』が象徴するように、デザイン的に女性受けするものは多くはありません」
任天堂が取り込んだライトユーザーの中には、臨時休校によってステイホームを強いられていた子供たちも含まれる。一日中家にいて暇を持てあます子どもに苦慮した親が、子どもにゲーム機を買い与えるケースも多かったと思われるが、「何を買うか」は親の印象によって大きく左右される。
「任天堂のソフトは、保護者の理解を得やすいような配慮が見られます」
そう話すのは、ゲームジャーナリストのジニ氏。先述したような小さな子どもでも楽しめる操作性のよさに加え、「暴力的な表現がないことも大きい」と語る。
「リアルさを追求したプレステでは、ゲーム内で血が流れるソフトが多数ありますが、ニンテンドーのソフトで血の流れる描写は見たことがありません。また、プレステの主力ソフトにはリアルな銃で殺し合うゲームも多くみられますが、任天堂のソフトは銃の描写を忌避する傾向が強い」
ジニ氏はこうした「任天堂カルチャー」の象徴として、1999年に発売された『ドンキーコング64』にまつわるエピソードを挙げる。同ソフトを開発していたイギリスの企業はリアルさを追求してショットガンを撃てる仕様にするつもりだったが、視察に訪れた任天堂の上層部が難色を示し、ココナツの形をした武器に置き換えられたのだという。
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