「自己を向上に思ひ誤り、人を目八分に見落して」
夕雲流剣術書の一文です。
https://www.digital.archives.go.jp/das/image-j/F1000000000000033830
どのような事でしょうか?
「自分は他人よりも高い位置にいて、
他人は自分よりも下にいる。」
という事です。
これにより、特に失敗とか
出来ないことを指摘されたときに、保身(言い訳)に走ります。
自身が高位であると思う事も大切な事です。
オドオドして自信を無くしては人にモノを伝えることは出来ません。
しかし、“何とかと煙” の例にあるように
時に自分の実力を、立ち位置を見直すことが大切です。
己を見つめよ。
これは夕雲流剣術書にも書かれている通り
「自分をお利口さんと思い込み、お相手はおバカさんと決めつける慢心。」
(自己を向上に思ひ誤り、人を目八分に見落して)
これを見つけ修正する事です。
また世阿弥の「花伝書」。
ここに大切な事が書かれています。
簡単にまとめると
「自分よりも下手な役者であっても、すべての面で劣っているわけじゃないので
その下手だと思う役者の良い部分を見つけ、それを学べ。」
もしもこれを怠ったら?
「何かを何年何十年続けているだけのタダの人になる。」
また今の立ち位置に上るまで、
どれだけの失敗を重ねてきたのかを
心で整理をする。
これも無想剣を知るためには、必要となります。