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2021

21KUL Emotion ~G 鎌森元吾~

一体何度ボールが自分の上を横を足下を通過しただろう。


たった2メートル程度の枠に向かってくるボールを止めるだけ。

これがゴーリーの主な仕事だ。


ATのように味方や敵の位置を確認してプレーをする必要もない。

MFのように全力でコートを駆け巡ることもない。

LGのように自分の後ろを通る敵に注意する必要もない。


ただ、ゴールに向かってくるボールを止めるだけ。

ボールを見ていれば自然とボールが向かってきてくれる。

非常に単純なポジションだ。


でも、それがとてつもなく難しかった。

針の穴を通すかのように僕とゴールの間をボールがすり抜けていく。

あと数センチクロスを伸ばすのが早ければ、あと一歩足が出せればゴールを防げた場面は数え切れない。

ボールが体に当たり涙が出るほど痛い思いをしたこともあるし、今でもボールが体に当たると痛いし辛い。


また、僕のせいで負けた試合もいくつもある。

初めてゴーリーをした試合では一つもセーブできずに終わったし、僕が出てから失点を積み重ねてしまう試合が幾度もあった。そのたびにチームに迷惑もかけた。


それでも僕はゴーリーがやめられなかった。

自分のクロスに向かってボールが飛んできてセーブしただけでも褒められるし、たまたまボールが胴体に飛んできてセーブできたり、足の指先に当たるだけでヒーローになれた。

それがたとえ運であろうとも嬉しかった。


残す試合もわずかとなった。

僕が試合でショットを受ける本数も数少ない。

僕にゴーリーというポジションの楽しさや難しさを教えてくれたコーチさんや、多くの失点で迷惑をかけた先輩や同期や後輩に京大のゴーリーとして恥じないセーブを見せたい。

多くの人にゴーリーはかっこいいんだぞって言ってもらいたい。


だから僕はKULの砦としてゴールの前に立ち続ける。


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