有権者が集まる会合で5千~1万円の「意見交換会費」を配ったとして県議や元県議計21人が公職選挙法違反(寄付行為)容疑で告発された問題で、県議会は16日、十河直議長名で声明を出し、21人全員が同会費を返還する意向を表明した。政務活動費の使途の透明性を一層高めるため、マニュアルを見直す議論を早期に始めるとしている。
告発したのは、市民オンブズ香川。2018~20年に21人が政務活動費から計約1600万円を配ったことについて「対価性がなく、寄付に当たる」などと主張していた。県議会事務局によると、それぞれが返還額を算定し計約1千万円を県に返還する見通し。
声明では、政務活動費の使途はマニュアルに基づき、厳正に運用してきたと説明。今後は疑義が生じるのを避けるため、同種会合の参加費について「会費制の場合を除き、支払いを厳に差し控える」とした。
マニュアルは13年の策定から一定期間が経過していることから、見直しに乗り出す。見直しまでの間、会費制の会議・会合の参加費に政務活動費を充てた場合は、領収書に加え、会費制であることを示す資料などを提出するとしている。
声明では、13年度の政務活動費を巡る訴訟の控訴審についても、当時の県議23人の計約970万円分を返還請求するよう浜田知事に命じた一審高松地裁判決を受け入れ、返還する意向を表明。知事は同日、訴訟継続の意味がなくなったとして控訴を取り下げた。
四国運輸局が16日発表した2021年度上半期(4~9月)の県内観光地の入り込み状況によると、主要15カ所を訪れた観光客数は前年同期比4・7%増の89万2984人だった。今年も新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、感染拡大前の19年同期比では68・5%の大幅減。同じ方法で集計を始めた13年度以降で2番目に低い水準となったが、10月以降は回復傾向も見られている。
月別では、各地に緊急事態宣言が出て、香川もまん延防止等重点措置が適用された8月が19年同期比で70・6%減、9月が同73・0%減と落ち込んだ。
施設別に見ると、前年同期より増加した施設は8カ所。ニューレオマワールド(丸亀市)は開園30周年の記念イベントなどが寄与し、前年同期比59・0%増。前年と比べ開館日が増えた地中美術館(直島町)は同45・2%増、規模を縮小しながら、イベントを継続して開催した国営讃岐まんのう公園(まんのう町)が同34・3%増となった。
一方、減少した施設は7カ所。栗林公園(高松市)は同31・3%減、さぬきこどもの国(同)は同25・5%減、玉藻公園(同)は同21・8%減で、まん延防止等重点措置の期間中などに休園・休館したことが大きく響いた。人数ではニューレオマワールドの20万7805人が最多だった。
10月は新型コロナの感染状況が落ち着いてきたことなどから、県内15カ所の入り込み客数は19年同期比で38・5%減と回復傾向が見られる。
高松市番町の高松高校(中筋功雄校長)で16日、生徒らによる恒例の「第九・歓喜の歌」演奏発表会が開かれた。昨年は新型コロナウイルスの影響で一般公開を中止。今年も在校生や保護者のみへの限定公開となったが、生徒たちの迫力ある演奏と歌声が聴衆に喜びと希望を届けた。
演奏会は今年で34回目。新型コロナの影響で生徒たちの活動発表の場が減る中、今回の演奏で引退となるオーケストラ部の生徒の保護者ら向けに公開を決めた。感染対策として、合唱は例年の全員参加の方式を取りやめ、一部生徒がマスクを着用して行った。
オーケストラ部や吹奏楽委員会でつくる70人の管弦楽団が演奏し、指揮は山田英司教諭が務めた。「歓喜の歌」の合唱では、生徒や保護者約350人が見守る中、校内オーディションで選ばれた4人のソリストや希望生徒ら約90人が心を一つにして高らかに歌い上げた。終了後には大きな拍手が生徒たちを包み込んだ。
高松市は同市浜ノ町のJR高松駅前広場にある花壇の植え替え作業を行った。ポーチュラカからビオラへと装いを一新し、色とりどりのかれんな花が行き交う人々の目を楽しませている。
花いっぱいのまちづくりを推進しようと、市が年2回実施。花の愛好家らでつくるボランティア団体「フラワーサークル高松」(大森芳江会長)の協力を得て、夏にポーチュラカ、冬にビオラを植え付けている。
今回は、同サークルのメンバー18人が参加して13日に実施。約1時間かけて、広場内の花時計と花壇計約85平方メートルに紫や黄、白色などの花の苗約1300株を植えた。
市公園緑地課によると、花は来年4月末ごろまで楽しめるという。大森会長(72)は「作業を楽しみながら、花から元気をもらっている。多くの人に見て、心を和ませてもらえれば」と話していた。
東京五輪・パラリンピックで使われた卓球台1台が県卓球協会(野崎保夫会長)から高松市に寄贈され、16日、同市瀬戸内町の市中央卸売市場で贈呈式が開かれた。紫雲中学校(高松市紫雲町)卓球部の生徒が打ち初めを行い、東京五輪・パラの遺産(レガシー)に触れ、スポーツの祭典に思いをはせた。卓球台は来場者が記念撮影や卓球が楽しめるよう、28日まで同市場に展示する。
卓球台は側面やネットに五輪のマークが入った特注品で、大会では計12台が使用された。東京五輪・パラの遺産を全国に広げようと、大会後に卓球台を管理していた国内プロリーグ「Tリーグ」の事業会社が希望する自治体や団体に譲渡しており、同協会が1台を譲り受けた。
この日の式典には野崎会長や大西市長、同校卓球部の生徒ら約10人が出席。野崎会長は市長に目録を手渡し、「卓球台にはボールやラケットの跡が残っており、まさに大会のレガシーといえる。一人でも多くの人に見て、触れてもらい、あの夏の感動を思い出してほしい」とあいさつした。市長は「かけがえのないプレゼントをいただいた。スポーツの振興に役立てたい」と感謝を述べた。
打ち初めでは生徒同士でダブルスをしたほか、市長もラケットを握った。市長と打ち合った同校2年の東純平君(14)は「すごい選手が使った卓球台で打つことができて感動した。すごくモチベーションが上がった。これからも卓球を頑張りたい」と話した。
卓球台は28日まで、同市場の特設会場に展示。混雑していなければ、実際に打ち合える。展示時間は平日が午前10時~午後4時(28日は同3時まで)、土日が午前9時~午後6時。来年1月12日からは同市塩江町の市健康増進温浴施設「ループしおのえ」で展示する予定。
県は16日、県民限定で県内旅行の費用を割り引く「新うどん県泊まってかがわ割」について、利用対象を22日から徳島、愛媛、岡山3県の在住者に広げると発表した。割引を受けるには、新型コロナウイルスワクチンの接種済証などの提示が必要となる。
新かがわ割は、コロナで打撃を受けた観光・宿泊事業者の支援が目的。隣県への対象拡大は国の補助制度見直しを受けた措置で、香川への誘客促進につなげる。今後、兵庫県も調整ができ次第、追加する予定。
割引費用は、従来通り1人1泊当たりの宿泊費や旅行会社が販売する日帰りツアー料金を半額(上限5千円)割り引く。旅行代金に応じて県内で利用できる地域限定クーポン(千円分または2千円分)を配布する。
割引には、ワクチン接種証などを示すことで行動制限が緩和される「ワクチン・検査パッケージ」制度の活用が条件。県外客には接種済証やPCR検査証明書などを提示してもらうほか、県内在住者も来年1月からは提示が求められる。
コロナの感染拡大を防ぐため、各県の感染状況が政府指標で「レベル3」となった場合、割引の対象から随時外していく。
割引対象の宿泊施設や旅行会社などは21日にホームページに掲載する。予約は22日から受け付け、当日宿泊分から適用する。期限は来年3月10日(同11日チェックアウト分)まで。
また、県によると、香川県在住者は徳島、愛媛、岡山の各県がそれぞれ行う旅行割引キャンペーンの適用対象となる見通し。
「かがわ割」への問い合わせは、同事務局〈087(823)5011〉。
例年、卒業生の半数超が四年制大学に進む。普通とスポーツの2コースを設置。普通コースには、国公立大などを目指す「総合クラス」があり、進学の実績をけん引している。
総合クラスでは、16年度から生徒の理解度を高めるため、タブレット端末を活用した授業を実施。20年度からは1年生全員がタブレット端末を授業や家庭学習に使用している。
外部リンク
県内有数のナバナの産地として知られる琴平町で、収穫が最盛期を迎えている。今年は適度に雨が降ったことで順調に生育し、品質は上々。畑には鮮やかな緑色の葉をつけたナバナが並び、地元農家が作業に精を出している。
県農協琴平集荷場(同町上櫛梨)によると、同町では64軒の農家が約11ヘクタールで8品種のナバナを栽培。今年は例年並みの約60トンの収穫を見込んでいる。ナバナは程よい苦みが特徴で、つぼみや茎の部分を食べる。天ぷらにしたり、塩昆布と一緒にあえたりするのがお薦めという。
同町榎井の三好秀夫さん(74)は約57アールの畑で「花飾り」など5品種を育てており、11月中旬から収穫を開始。冷たい風が吹き付ける中、はさみを入れて手際よく摘み取っている。作業は3月中旬まで続く予定。
ナバナは、関東や県内のスーパーなどに出荷されている。三好さんは県野菜花き生産者研究会なばな部の部会長も務めており、「琴平のおいしいナバナを県民の方に多く味わってほしい。地産地消を進め、消費拡大を図りたい」と話した。
15日午前5時5分ごろ、観音寺市木之郷町の高松自動車道下り線で、走行中に横転したタンクローリーから出火、全焼した。けが人はなかった。
この影響で、下り線の豊中―大野原インターチェンジ(IC)間などで最大約8時間半、上り線も同区間で約4時間通行止めとなった。
丸亀城など香川、岡山、愛媛、高知4県の城や博物館などに傷を付けたとして、文化財保護法違反や建造物損壊などの罪に問われた無職加藤丈晴被告(48)=愛知県清須市=に高知地裁は14日、懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。
吉井広幸裁判官は「いたずらや悪ふざけの度を超えた悪質な犯行」と指摘。公判で被告が「他人の名前が刻まれているのをまねして自分の名前を刻んだ」「お酒を飲んで気が大きくなり、記念にやった」と説明した動機を「子どもじみた短絡的で身勝手なものだ」と批判した。
当初は起訴内容を否認していたが、審理の途中で全て認めたことなどから執行猶予を付けた。
生まれつき聴覚障害があるという被告は判決の言い渡し後、手話通訳を通じて「このようなことは二度と起こしません。信じてください。まじめに正しく生活していきます」とした。
判決によると、被告は昨年12月~今年1月、丸亀城(丸亀市)、金刀比羅宮(琴平町)、岡山城(岡山市)、吉備津神社(同)の柱などに10円硬貨を使うなどして「加藤」と刻んだ。同じ頃、高知県立高知城歴史博物館(高知市)、高知県立坂本龍馬記念館(同)、湯築城跡の関連施設(松山市)の展示物や壁面に線状の傷を付けた。
※写真は丸亀城の天守のひっかき傷