【事例インタビューNo.7(後編)】 コールセンター向け「WOWCOM Collegeオンライン」研修~理論を背景に実践的なテクニックを学ぶ~

【事例インタビューNo.7(後編)】 コールセンター向け「WOWCOM Collegeオンライン」研修~理論を背景に実践的なテクニックを学ぶ~

WOWOWコミュニケーションズは、2020年10月より、これまで対面型で行っていたコールセンター向けの研修をオンラインで提供する新サービス「WOWCOM College オンライン」の提供を開始しています。事例インタビューの前半では、WOWOWコミュニケーションズ マーケティング事業本部・営業部 WOWCOM Collegeの富樫雄太課長に、WOWCOM College オンラインの概要と特色、オンライン化によるメリット、講師陣について伺いました。

後半は、WOWCOM College オンラインの具体的なプログラム内容と特徴、今後のサービスの展開などに関するお話です。

良いサービスの本質を明確にし、具体的スキルを学ぶ

――オンライン研修の具体的な内容と特徴について教えてください。

富樫「WOWCOM Collegeのオンライン研修は、『クレーム応対研修』、『電話応対基礎スキル研修』、『メール応対スキル基礎研修』、『チャット応対スキル基礎研修』、『フィードバック研修』、『サービスサイエンス基礎研修』、『コミュニケーションのコツ研修(顧客応対とマネージメントをラクにする[ソーシャルスタイル理論]の活用法)』など、テーマごとのお申し込みが可能です。

『フィードバック研修』は特に人気のコースで、スーパーバイザーやマネージャーを対象としています。コールセンターのマネージメント担当者が、オペレーターに対して若干厳しい内容のフィードバックをしなければならない際のポイントなどを、効果的な7つのステップを通して学んでいただきます。マネージメント担当者の方々は、自分なりに考えたフィードバックのやり方がうまくいかないと悩んでいることが多いようです。『フィードバック研修』を受講いただいた皆さまは、『こうすればよかったのか!』と、確かな手法を知ることができたことで、晴れやかな表情を見せていらっしゃいますね」

――『サービスサイエンス基礎研修』についてお聞かせください。

富樫「『サービスサイエンス』はもともと、さまざまな学術分野が融合した、サービスについての研究を行う新しい学問の名称です。『サービスサイエンス基礎研修』は、このサービスサイエンスの考え方を応用し、個々のオペレーターの応対品質のばらつきを解消することを目的とした講座です。どのオペレーターでも高品質の応対ができるコールセンターを実現するためには、個々のオペレーターが良いサービスとは何かを知る必要があります。サービスサイエンスの核となる考え方のひとつに『事前期待』がありますが、これは言葉どおり、何かをする前に人が抱く期待を示しています。この概念をコールセンターの応対業務に適用し、良いサービスの実現につなげます。

まず、お客様がコールセンターに電話してくる際に、どのような事前期待とともに電話をしているのかを想定します。そのうえで、お客様の事前期待に合わせた対応を行うという発想で業務に臨むのです。たとえば、あるお客様がATMにキャッシュカードを置き忘れ、大慌てで銀行のコールセンターに電話をしてきたとします。お客様はとにかく急いでいるのだから、自分の気持ちをくみとって簡潔で迅速な応対をしてほしいという事前期待を持っています。これに対して、オペレーターが非常に懇切丁寧に時間をかけた説明をしてしまうと、事前期待に反する対応になってしまうのです。
『サービスサイエンス基礎研修』はオペレーターを対象とした講座で、事前期待などの考え方と、これをベースとした実際に使える具体的なスキルを学んでいく内容になっています」

 

翌日から実践できる、WOWOWカスタマーセンターのノウハウを学ぶ

 

――やはりこうした学術的な要素が、御社の研修プログラムを優れたものにしているのでしょうか。

富樫「確かにWOWCOM College オンラインの一部は、学術的な理論を背景としています。たとえば『チャット応対スキル基礎研修』は、近年のDX化を受け、特に問い合わせが増えている研修ですが、この講座にも事前期待という考え方は反映されています。また、『コミュニケーションのコツ研修(顧客応対とマネージメントをラクにする[ソーシャルスタイル理論]の活用法)』における『ソーシャルスタイル理論』は心理学をベースにしています。人を話し方や言動などをもとに4つのスタイルに分類し、各人のスタイルにあったコミュニケーションをとっていく方法です。タイプ別に人を分類する手法はほかにも多数存在しますよね。しかしソーシャルスタイルは、あくまで話すことを手がかりにし、リアルタイムで人を分類していく手法です。現場のオペレーター業務に有効に活用できるという視点から、弊社の講座に採用されているのです。

実際、WOWCOM College オンライン研修の本当の良さは、学術的な要素を含んでいることだけではありません。なんといっても、短時間の研修で、実際に応対品質を向上させるスキルを学ぶことができ、学習したことをすぐに現場で活用できる点にあります。サービスサイエンスもソーシャルスタイルも、オペレーターの実体験を集約したものです。WOWOWカスタマーセンターで十分な実験・検証を繰り返し、手ごたえをつかんだ事例が豊富にあるもので、研修はあくまで実務に即した内容となっています。

『チャット応対スキル研修』についても事前期待の考え方を参考にしてはいますが、現場で活用できる具体的なテクニックを学べます。端的にいえば、オペレーターがどのようなチャットの使い方をすれば良いサービスが提供でき、お客様との間に生じやすいチャットならではのトラブルを回避できるのかを学べる内容です。ここで、弊社が積み上げてきたノウハウについて、チャットの例で説明させてください。
弊社ではチャットにおけるお客様とのトラブル回避に、『途中改行』を採用しています。実はチャットサービス開始直後のWOWOWカスタマーセンターでは、ご案内を続けている途中でお客様が早合点をされ、チャットを閉じられてしまうケースがよくありました。ご案内が途中で終了してしまったことで、のちにトラブルが生じてしまう事態を防止するため、『WOWOWのご契約では月ごとにお支払いが必要です。具体的な月額費用は―』と、文章をあえて途中で改行し、その後に『税抜き2,300円です』、と続けることにしました。途中で改行することにより、『この後もチャットは続きますよ』というオペレーターの意向を暗に示すことができます。チャットに限らないことですが、一連の研修では、オペレーターの体験をもとに生み出された、実践的テクニックを学ぶことができ、実務を知りつくした講師が指導します。

 

なお、WOWCOM College オンライン研修のサービスは、他の弊社提供サービスと同じように、新しい試みを行う場合、まず徹底して社内で実験を繰り返し、十分に手ごたえの得られたもののみ、お客様へサービスとして提供しています。弊社は、このプロセスを踏むことで、社会により貢献できるサービスが提供できると考えています」

コロナ禍でも学習効果の高いオンライン型研修で、LTVや企業収益への貢献を!

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――最後に、本インタビュー記事を読まれている企業担当者様にメッセージをいただけますか。

富樫「従来と働く環境が変わってきたコロナ禍の現在、各企業におけるコールセンターの運営担当者様、オペレーター育成担当者様は、日々試行錯誤されていることと思います。継続して研修を行えば、LTV(Life Time Value: 顧客生涯価値)は向上し、企業収益にも良い影響は必ず出てくると思います。オンライン研修は、対面式に比べコストパフォーマンスが良いだけではありません。
これまでに受講いただいた方からの感想などを分析した結果、インタラクティブで退屈させない内容であれば、オンライン型でも学習効果の高い有意義な研修が可能です。積極的にオンライン型研修を利用していただきたいですね。

本日お話してきましたプログラム以外にも、『CS(Customer Satisfaction: 顧客満足)向上研修』『KPI(Key Performance Indicators: 重要業績評価指標)改善研修』『指導育成研修』『マナー研修』など、弊社には長年対面研修で提供してきたコンテンツが豊富にございます。
こうしたプログラムにつきましても、個別にご相談いただくことで、オンラインでの提供が可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

今後、研修のオンライン化はさらに進むと思われますが、WOWOWコミュニケーションズはこれからも提供サービスの内容を磨き、質を向上させていきます。WOWCOM College オンラインがコールセンター業務のDX化時代における、品質応対向上の選択肢のひとつとなれば大変嬉しいです」

 

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