【事例インタビューNo.8(前編)】WOWOWコミュニケーションズのデジタルマーケティング~効果的なSNSの活用でファン化を実践~

【事例インタビューNo.8(前編)】WOWOWコミュニケーションズのデジタルマーケティング~効果的なSNSの活用でファン化を実践~

親会社であり、有料放送事業を運営するWOWOWのカスタマーセンターとお客様の声に、20年以上にわたり対応してきたWOWOWコミュニケーションズ。お客様からのコール内容やコンタクトデータなどの分析のみならず、現在ではデジタルマーケティング分野においても企業様を支援しています。

今回はWEBソリューション推進課の廣本鞠衣さんと営業課の清水可南子さんの二人に、WOWOWコミュニケーションズのデジタルマーケティング領域における企業支援の実際や強みなどについて聞きました。

前半は、SNSの効果的な活用方法や、ご要望をいただくことの多いお客様の業態などについてのお話です。

複数のチャネルを活用しリアルタイムでの施策を実行

――はじめに、お二人の現在の担当業務と、過去に扱われてきた案件について、簡単にお聞かせください。

廣本「現在、私は主にトイ・ホビーメーカーや大手小売り企業様を中心として、キャンペーンページ制作・運用、SNS運用など、デジタルマーケティング全般を支援しています。支援業務には施策の企画やアクセス統計などの分析も含まれます。作成した分析結果レポートや、KPI設定とその進捗に応じた施策提案などの業務も担当しています。また、過去に扱った案件としては、WOWOWと複数の民放局が共同で設立した、動画配信サービス企業のWeb制作などがあります」

清水「私は、入社直後からごく最近まで、親会社であるWOWOWのデジタルマーケティングを担当していました。当時の主な業務は、廣本と同様に、Web制作とSNS運用業務です。また、廣本の話にもあった動画配信サービス企業案件も担当しました。現在は営業課という部署で、主にコンタクトセンター運用代行の営業を担当していますが、これまでの経験を生かして、大手外食チェーン企業様のSNS運用サポート業務も担当しています」

――WOWOWを対象としたデジタルマーケティング支援業務について、詳しい内容をお話しいただけますか。

清水「私は主に、公式サイトであるWOWOWオンラインに掲載するオリジナルドラマのWebページやアカデミー賞特設ページの制作・運用、また、WOWOWが保有するTwitter、Facebook、Instagram、LINEなどの15のSNSアカウントを活用した、サイト流入数向上施策の検討・実施などを行っていました。こうしたWOWOWのデジタルマーケティングの主たる目的は、【コンテンツ単体の加入者数増加へ如何に貢献をするか】【解約抑止へ繋がる他のコンテンツへの接触機会を如何に増やしていくか】です」

――WOWOWのデジタルマーケティングにおけるSNS活用について、詳しくお聞かせください。

清水「WOWOWではオリジナル番組制作、特にドラマ番組制作にかなり力を入れています。オリジナルドラマは加入者数増加のキーコンテンツのひとつであり、第1話の無料放送回の前には、必ずSNSで視聴促進を目的とした番組宣伝のツイートを投稿しています。プロデューサー用のアカウントを活用するだけでなく、演者さんにご協力いただくことも少なくありません。

試写会の舞台あいさつ登壇直前に、演者さんにスマートフォンを持っていただき、ファンからの質問に答えるシーンをInstagram で生配信しました。このInstagram の生配信では、数時間後にTwitterでも登壇の模様を流すことなどを告知していただき、複数のSNSチャネルを活用した集客を行いました。

複数のSNSチャネルの中からどのアカウントを活用するかについては、各演者さんのどのSNS アカウントにどういったフォロワーが多いかなどのデータを見て、総合的に判断します。活用するアカウントが決まったら、ハッシュタグなどで上手に一般ユーザーの注目をひき、WOWOWオンラインのURLへ誘導して加入を促していきます。

また、こうしたSNS 運用のコツのひとつに挙げられるのが、トレンド情報の有効活用です。例えば、放送予定の映画・ドラマに出演している演者さんにおめでたいニュースなどがあった場合には、チームでだれかしら情報を共有しますので、タイミングを逃さず、関連番組の放送日時を確認して迅速に動きます」

アクティブサポートで企業のファンを育成

――WOWOWコミュニケーションズによるSNS運用の特徴はどのような点にあるのでしょうか。

清水「弊社が積極的に行っているSNS活用法に、『アクティブサポート』が挙げられます。Twitter上で『WOWOW』などのワードを検索して、肯定的なツイートをしている一般アカウントを見つけたら、こちらから積極的にリプライを入れていく試みです。例えば『番組を見逃した』というツイートがあれば『再放送あります!』とリプライします。ケースによってはアカウントのプロフィールを確認したうえで、関連番組の放送日をリプライするなどし、視聴継続の動機に繋がる要素をやんわりと後押しします。さきほど触れた演者さんに関する報道についても、ニュースが出たら、即座に熱狂度の高そうな一般アカウントを中心にツイートを確認し、放送予定日などをリプライで入れていったりもします。

WOWOWの場合、アクティブサポートは、基本的に加入者の促進・維持を目的としていますが、この地道なコミュニケーションの最終目的は、企業そのものを好きになっていただくことにあるのです。WOWOWの場合、特定の番組や著名な演者さんを通じて契約していただくこと、解約を防止していくことは確かに重要です。しかし、それだけではLTV向上にはつながりませんし、弊社デジタルマーケティングの視点においてそれだけでは十分といえません。やはり、企業自体を愛していただくことがなにより大切であり、あくまでこれを念頭に置いてリプライを行っています。一般ユーザーからのツイートへの反応も多く、ときにはこれがTL上で盛り上がるきっかけとなり、実際にWOWOWアカウントの存在自体やその活動の面白さ、企業としての活動の豊かさを広く知っていただくことにつながっています。SNSのアクティブサポートは、非常に有効な試みだと考えています。

このアクティブサポートは、WOWOWのみならず、他の企業様のSNS運用支援においても行っています。

ただし、運用への姿勢は、WOWOWアカウントでのプロデューサーレベルで入り込んだ運営とは異なり、あくまで俯瞰(ふかん)した立場で慎重に行っています」

エンターテインメント業界のみならず、多様なお客様のご要望に幅広く対応

――清水さんと異なり、廣本さんは一般企業の支援を主に担当されてきたわけですが、現在どのようなお客様にどういった支援を行われているのでしょうか。

廣本「エンターテインメントの括りですと、私はトイ・ホビーメーカー系企業やアミューズメント施設の運営企業さま等の業務を担当しています。キャラクターの周年記念日のキャンペーン特設サイトや謎解きをテーマとしたアミューズメント施設に関するWebサイトの制作・運用、これに伴う動画制作などをしています。」

――進行過程において、注意されていることはありますでしょうか

廣本「はい、作品やコンテンツ毎に特有の世界観があるので、そのイメージは制作時に注意しています。また、それぞれにファンの方々がついているので、しっかりとファンが楽しめる設計や難易度になっているか?などは特に時間をかけて思考するようにしています。こうした商品の場合は権利の関係で利用承諾というプロセスがありますので、この意図の部分は丁寧にご説明しバランスがとれるよう心掛けています。」

――WOWOWはエンターテインメントを柱とした放送事業を運営する企業であり、華やかで明るいイメージが強いですが、やはりエンターテインメント系のお客様へのご支援が多いのでしょうか。

廣本「確かにエンターテインメントにかかわるお客様からのお問い合わせは、比較的多いかもしれませんね。WOWOWのデジタルマーケティング推進では、映画、音楽、ドラマ、スポーツなどのそれぞれが持つ権利問題をクリアし、また、ジャンルごとのファンに関して分析が必要です。同様に、エンターテインメント系企業のデジタルマーケティングでは、それぞれクリアすべき権利の部分があって、キャラクターならどんなファンに支持されているか?を分析をする必要もあります。これはWOWOWに非常に近い立場といえます。弊社はWOWOWのデジタルマーケティングでの経験を豊富に有しており、この点が、エンターテインメント系のお客様から特に信頼を得ている要因となっていると思います。

一方で弊社は、エンターテインメント系企業に限らず、非常に幅広い分野のお客様と取引させていただいています。私の場合現在、大手流通グループが販売する情報通信機器およびその契約に関するサイト制作・運用、それから社会インフラを管理・運営する大手企業のお客様のLPページなども担当しています。弊社にご相談いただく企業のタイプとしては、特に会員情報を多く保有しているお客様、契約継続やLTV維持を重要視しているお客様が多いと言えます。ウェディングの分野など『とにかくお客様に喜んでもらいたい』と考えている企業からもご相談をいただきますね」

――ありがとうございました。後半では、WOWOWコミュニケーションズの企業としての強みや人材について伺います。

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