ミフェプレックス(MIFEPREX)(わが国で未承認の経口妊娠中絶薬)に関する注意喚起について
米国等で妊娠初期の中絶に使用されている「ミフェプレックス」(一般名:ミフェプリストン)については、ときに手術が必要となる出血等の危険性があるため、米国食品医薬品局(FDA)では、インターネットや個人輸入により入手することのないよう、注意喚起を行っています。
そこで、この注意喚起を一般の方が容易に正しく理解することができるよう、特に重要な事項の邦文訳を掲載いたしました。
※ ミフェプリストンについては、数量に関係なく、医師の処方せんまたは指示書に基づき必要な手続きを行わない限り、個人輸入することはできません。 |
一般名:ミフェプリストン(MIFEPRISTONE)
商品名:ミフェプレックス(MIFEPREX)(開発時の名称である「RU486」とも呼ばれています。)
欧州においては ミフェジン(MIFEGYNE) の商品名で販売されています。
中国では 息隠(米非司酉同片) の商品名で販売されています。
台湾では保諾(Apano)の商品名で販売されています。
ミフェプレックスに関する情報
(米国食品医薬品庁(FDA)の公表する、一般消費者向け注意喚起(Mifeprex (mifepristone) Information)(2021年4月13日)より抜粋
・ | インターネットを介して、ミフェプレックスを購入すべきではありません。 |
・ | ミフェプレックスには、その流通に関して、特別な安全性上の制限が設けられています。 |
米国食品医薬品庁(FDA)の公表する、ミフェプリストン(ミフェプレックス)に関する患者向け情報(MIFEPREX Medication Guide)(2016年3月)より抜粋
Q. ミフェプレックスは何の薬ですか?
A. ミフェプレックス(ミフェプリストン)は、ミソプロストールという別の医薬品と併用されて、妊娠初期の中絶の用途で使用されます。妊娠初期とは最後の月経開始日から70日以内を指します。最後の月経開始日70日後以降の妊娠の中絶の用途では承認されていません。ミフェプレックスは妊娠状態を保つために必要なホルモンの働きを抑える作用があります。
中絶したとき、通常の生理よりも重い出血及び腹痛が見られます。ミフェプレックスを服用した女性100人中2~7人程度が、中絶を完了するため又は膣からの多量出血のため、手術を必要とします。
Q. ミフェプレックスを服用してはいけない人は?
A. 次のような人は、ミフェプレックスを服用してはいけません。
・ 最後の月経開始日から70日以上を経過している妊娠している人
・ 子宮内避妊具(IUD)を装着している人(ミフェプレックス服用前にIUDを外す必要があります。)
・ 子宮外妊娠(卵管妊娠)と診断された人[注(添付文書より訳出):子宮外妊娠(卵管妊娠)に対する中絶効果はない]
・ 副腎に障害がある人
・ 抗凝血薬を服用している、又は出血傾向がある人
・ ステロイド剤を服用している人
・ ミフェプリストン、ミソプロストール又は同種の薬に対するアレルギーがある人
該当するかどうか不明な場合は、薬剤を服用する前に医師に確認してください。
Q. 服用後どのような症状に注意すべきですか?どのような副作用がありますか?
A. 腹痛や出血は中絶時に予想される症状です。しかし、流産、手術による中絶、薬剤による中絶又は出産の後に、まれに重篤で生命を脅かすような出血、感染症又は他の問題が起こる可能性があります。このような状況では、できるだけ早く医師の診察を受ける必要があります。重篤な感染症により、ごく少数ですが、死亡した女性もいます。ミフェプレックスとミソプロストールの使用がこれらの死亡の原因であるという情報はありません。質問や懸念、問題がある場合、副作用や症状が心配な場合は、医師に連絡してください。
次のような症状が見られた場合は、必ず速やかに医療機関に連絡してください。
(1) 膣からの多量出血 (約100人に1人の割合で、重度の出血のために手術を要する場合がある。)
(2) 腹痛、吐き気、おう吐等(重篤な感染症、その他重大な問題(子宮外妊娠含む)の兆候の可能性がある。)
(3) 発熱 (重篤な感染症、その他重大な問題の兆候の可能性がある。)
腹痛と膣からの出血は、薬剤による中絶において予想される症状です。通常、これらの症状は薬剤の効果があることを示します。しかし、時には腹痛や出血が認められても、中絶が完了せず、妊
娠が継続していることがあります。このため、使用者はミフェプレックス使用後約7~14日後に医師を受診し、フォローアップを受ける必要があります。
最も一般的な副作用は、吐き気、脱力、発熱、悪寒、おう吐、頭痛、下痢、めまいです。
気になる副作用や治らない副作用については医師に連絡してください。
※平成16年当時に実施した、我が国におけるミフェプリストンの個人輸入に関する措置について、当時の発表資料はこちらをご覧下さい。(米国で承認されている用法等、現在の知見等とは異なる点が含まれています)