ゼオライトに存在するカチオンが入れ替わります。例えば、Na含有ゼオライトをCa2+を含む水溶液中に投入すると、ゼオライト中のNa+イオンが水溶液中に放出され、代わって水溶液中のCa2+イオンがゼオライト中に入ります。
この性質を活かして、溶液中のカチオンを特定種に交換したり、除去することができます。
Si、Al、Oで構成されるゼオライトの結晶骨格は負に帯電していますが、電気的中性を保つために結晶骨格外にカチオンが存在しています。カチオンは任意に交換できる特性(イオン交換特性)があり、吸着特性、酸・塩基性などの発現に重要な役割を果たしています。
ゼオライトのイオン交換容量はAl原子数に依存するため、Si/Al比の小さいゼオライトほどイオン交換容量は大きくなります。例えば、ゼオライトの中で最大のAl原子数であるNaA型ゼオライトのイオン交換容量は7.0mmol/gとなります。
ゼオライトにはカチオンの選択性があり、これは結晶構造によって異なります。具体的なイオン交換平衡データは、"Handbook of Zeolite Science and Technology"(Marcel Dekker, Inc.出版)に詳しく掲載されています。
ゼオライトのイオン交換特性は、洗剤用ビルダー、農林水産分野、放射性汚染水の浄化、有害重金属イオンの除去などに利用されています。
放射性汚染水の浄化イメージ |
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