【速報】コメ兵がブランドオフ前社長安山勉氏らを刑事告訴
2020年04月01日
コメ兵(愛知県名古屋市)グループ会社のブランドオフリミテッド(香港)は3月30日、同社前代表取締役の安山勉氏及び元従業員ら5名を刑事告訴したことが分かった。
刑事告訴された安山勉氏
ブランドオフリミテッドは、同社内で起きた2つの事案において、香港法に基づき香港警察へ刑事告訴を行い受理された。ひとつは、同社前代表取締役である安山勉氏及び元従業員4名が共謀し、2018年8月から2019年11月にかけ、同社の卸取引において、一部の売上金を簿外現金として他に流用していた不正行為が社内調査により発覚したもの。
簿外現金とは、帳簿上に記録がない現金のこと。今回一部の売上金を簿外現金としていたことは、本来の売上を過少に帳簿に記載し、その差額を流用していたと推察される。流用先や金額の規模感について、コメ兵は「刑事告訴により警察に委ねており、コメントできない」とした。一方、安山勉氏は本紙に対し、「なぜ刑事告訴されたのか困惑している。今後のことは弁護士と相談したい」と話した。
2つ目の事案は、1月22日にコメ兵の内部監査で発覚した、同じ香港子会社で起きた着服事件だ。経理担当を務めていた人物が着服していた件で、コメ兵は2月14日に損失として8300万円を計上したことを発表している。同元従業員は、入社以来10年に渡り、経理担当を務めていた人物で、小口現金を単独で管理していたと言う。
これら2つの事案について、共通の人物が関与していたかどうかは不明だが、2つの件で刑事告訴したのは5名で、1つ目の件で既に5名が関わっており、2つ目の着服した人物が1つ目の件にも関わっていた可能性がありそうだ。刑事告訴に至った理由について、コメ兵は「内部監査で判明したため、適切に対応した。後は警察に委ねる」とコメントした。2つの件について、今後民事訴訟で損害賠償請求を行うかどうかは現在のところ不明だ。
ブランドオフリミテッドは、K-ブランドオフの香港子会社。昨年12月3日にコメ兵がブランドオフを買収した際にグループ会社となっていた。
第485号(2020/04/10発行)1面