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source : 文藝春秋 2022年1月号

genre : ビジネス, 企業, テクノロジー

「決してEVに否定的な立場ではない」

 また、国内の全乗用車をEV化した場合の必要な電力量を試算したところ、電力ピーク時での発電能力でもまかなえず、原子力発電なら10基、火力発電なら20基の増設が必要になるのです。

 カーボンニュートラルにおいて、あくまでも敵は炭素であり、内燃機関ではありません。トヨタはEV、ハイブリッド、FCVなども手掛けるフルラインナップメーカーであり、長年にわたって技術やノウハウを蓄積してきました。各地のエネルギー事情に応じ、どの車が良いかを決めるのは市場やお客様だという考えで、決してEVに否定的な立場ではないのです。今後もこうしたトヨタの考え方を根気よく丁寧に説明していくつもりです。また年内にはカーボンニュートラルに関する新たな取り組みを発表しようと考えています。

ウーブンシティ(写真提供:トヨタ自動車)

――自動車工業会の会見では、「カーボンニュートラルは雇用問題である」とも発言されていました。

豊田 自動車を完全EV化するということであれば、クリーンな電力の量も少なく、コストも高い日本での生産は難しく、必然的に海外に生産拠点を移すことになる。そうなると国内の自動車産業に従事する550万人の雇用の多くが、一気に失われかねない。ひいては日本の自動車産業の存続危機につながることを危惧しています。

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 12月10日発売の月刊「文藝春秋」1月号では豊田社長のインタビューを23ページで一挙掲載。12年にわたる社長人生を振り返り、2010年の米公聴会や創業者である喜一郎氏への思いに加え、メディアへの不信、日本製鉄との訴訟、後継者問題などについて率直に語っている。

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