日本刀横領、実刑確定へ 福井、刀剣店経営の男
最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は、客から預かった日本刀を返さなかったとして、業務上横領や銃刀法違反などの罪に問われた刀剣類販売修理会社「勝山剣光堂」の経営者、勝山智充被告(50)=福井市=の上告を棄却する決定をした。29日付。勝山被告を懲役3年、法人としての同社を罰金20万円とした1、2審判決が確定する。
判決によると被告は平成23~28年、修理などのため客から預かった刀身を返さず、所有者名義を別人や自分の名前に変更。民事訴訟で返還を命じる判決が出たのに、福井地裁による強制執行の際には客の刀と偽って模造刀を渡すなどした。
昨年9月の1審福井地裁判決は「司法手続きを軽視する態度は厳しい非難に値する」と指摘。今年3月の2審名古屋高裁金沢支部判決も支持した。