『ムシュー』をコンパで出した時はかなりビクビクしておりまして、どれだけコメントで突っ込まれるかドキドキだったものです(´∀`*)
天野くんが「マデューはよく『マドモワゼル』とか言うよなぁ」なんて言い出したら不自然ですからねぇ。
『アルカナ編』も残りわずか!
まだまだ見どころあります!
最後までお付き合いいただけますように!
ではでは、いつも応援やコメント、本当にありがとうございます!(´vωv`*)
天野勇二
ミルクよ。
お前だ。
お前が『
ミルクちゃんはため息を吐きながら言った。
ミルクちゃん
フフッ……。
キミは何を言ってるのかな。
呆れたように肩をすくめる。
ミルクちゃん
ボクが『
『アルカナの黒幕』だって?
たったそれだけのことで、か弱いボクのことを殺人者呼ばわりするのかい?
ムシュー、それはあんまりだよ。
天野は指を「パチン」と鳴らした。
天野勇二
そう、それだ。
それが3点目の疑念だ。
指先を偉そうに振り回し、ミルクちゃんの顔に突きつける。
天野勇二
お前は涼太と一緒に『コンパ』をしたな?
実はあの時の音声を聴かせてもらってな。
そこでお前はひとつの『失言』を残していたんだ。
ミルクちゃん
失言?
なんのことかな?
ボクには覚えがないね。
天野は
天野勇二
『ムシュー』
ミルクちゃんは小首を傾げた。
ミルクちゃん
ボクは『ムシュー』じゃない。
ちゃんとした女なんだ。
『マドモワゼル』と呼んでくれないかな。
ミルクちゃんは堂々と胸を張った。
自慢の巨乳を強調している。
自己主張の激しすぎるその胸は、
涼太や富樫はそのことを知っている。
だからこそ、マデューのように喋るミルクちゃんの姿は、目を疑うものだった。
天野勇二
お前は本当にマデューのように喋るな。
喋り方だけ聞けば、マデューが目の前に蘇ったようだぜ。
ミルクちゃん
フフッ……。
悪いけど、ボクにとってはこれが地なんだよ。
キミたちの知っているミルクちゃんこそが『まがい物』なのさ。
マデューはボクに
いわばアイツはボクのコピー。
ボクがオリジナルなんだ。
天野勇二
あっはっはっ!
そうなのか。
どうりでオカマみたいなヤツだと思ったぜ。
マデューは『女』であるお前を真似ていたのか。
ミルクちゃん
そうさ。
ボクは本物の女さ。
天野は薄ら笑いを浮かべるミルクちゃんの顔に指を突きつけた。
天野勇二
そうだ。
お前は本物の女だ。
だからこそ、お前はマデューから『マドモワゼル』と呼ばれているはずなんだ。
確かにマデューは『ムシュー』と言うことが癖になっていた。
だがな、お前が『ムシュー』なんて単語を耳にするはずがないんだよ。
ミルクちゃんは
何を言われているのかわからないようだ。
その顔に天野が言葉を叩きつける。
天野勇二
コンパでの音声を聴くと、お前らはマデューと客の会話を聞いたことがなく、マデューも他の客のことを話さないと言っている。
ところがお前はこう言った。
『ボンジュールとか、ムシューとか、セボンとか、ちょこちょこフランス語を挟む』
よりにもよって『ムシュー』と抜かしやがった。
これは明らかにおかしいんだ。
ミルクちゃん
何がおかしいのかな?
アイツは事実、そう言っていたじゃないか。
天野勇二
女であるお前が『ムシュー』という単語を耳にしていること。
そして、それを
これがフランス語だからピンと来ないのだろうが、お前はコンパで
『マデューは自分のことを男性だと思っている』
と言い出したことにも等しい。
こんなおかしな話はない。
ミルクちゃんが挑発的な笑みを浮かべる。
ミルクちゃん
ボクに言ったんじゃない。
マデューが他の男のことを話したのかもしれないじゃないか?
天野勇二
『確率論』でいえば、その可能性もゼロではない。
だがな、
『お前は女性である』
『マデューは他の客のことを話さない』
『お前らは客の話なんか聞いていない』
これらの前提がある以上、お前が『ムシュー』という単語を聞く確率は果てしなくゼロに近いのさ。
呆れたように肩をすくめる。
天野勇二
事実として、俺はマデューから『マドモワゼル』なんて単語を聞いたことがない。
いやになるほど『ムシュー』を聞かされたよ。
俺が『ムシュー』をしつこく覚えているなら、お前は対義語となる『マドモワゼル』をしつこく覚えているはずなんだ。
ミルクちゃんは口唇を噛み締めた。
表情が少し歪み始めている。
天野勇二
では、なぜお前は、圧倒的に低い確率の『ムシュー』を口にしたのか?
これが意味する最も高い可能性はなんだ?
偉そうに指先を振り回し、ミルクちゃんの顔に突きつける。
天野は吐き捨てるように言った。
天野勇二
それはお前が『マデューと男たちの会話の詳細を知っている』ということだ。
つまり、お前は嘘を吐いている。
なぜ嘘を吐く必要がある?
『黒幕』はメイド喫茶にいる。
『ダイイング・メッセージ』はお前を示している。
お前の口からは『ムシュー』という単語が飛び出した。
あとは
マデューの背後にいた『アルカナの黒幕』は、お前なんだよ。
ミルクちゃんは小さく息を吐いた。
顔を歪めて舌打ちする。
ミルクちゃん
そんなことをボクが言ったのか……。
まいったね。
それは確かに失言だね。
天野勇二
お前が『黒幕』ならば、ハニーの殺害にしても説明がつく。
あの夜、お前は全ての『起点』に立っていた。
涼太が数時間かけて見つけられなかったマデューを発見したのはお前。
ハニーの傍に残ることを宣言したのもお前だった。
天野は顔を歪めて首を振った。
天野勇二
今思えば、あの時点で気づくべきだった。
現場に残りハニーにドラッグを流し込み、自ら頭を打って気絶したフリをする……。
お前なら簡単に実行できる。
ミルクちゃん
なぜボクがハニーちゃんを殺さなくちゃいけないの?
その必然性はないと思うけど。
天野勇二
ああ、俺もそれが疑問だった。
よりにもよってハニーだ。
俺様を何かのトラップにハメるには必然性がなさすぎる。
顔を歪めながら言葉を紡ぐ。
天野勇二
石崎が『
この可能性が高いだろうと踏んでいた。
だが、なぜハニーは殺されたのか?
それがわからない。
コンパの音声を聴くまでさっぱりわからなかった。
天野はミルクちゃんに尋ねた。
天野勇二
お前、コンパでハニーが言っていた、フランスに関する犯罪者の『アレ』……。
答えがわかったか?
ミルクちゃんは冷笑を浮かべたまま天野を睨みつける。
天野勇二
その顔はわかってないな。
お前はハニーが『マデューの何かに気づいた』と判断したのだろう?
何を気づいたのか不明だが、生かしておくのは危険かもしれない。
だから口を塞ぐ必要があった。
『アレ』の答え、知りたいか?
ミルクちゃんは軽く息を吐いた。
ミルクちゃん
呆れた妄想力だね。
でも、『アレ』の正体は知りたいかな。
天野勇二
クックックッ……。
そうだろう?
お前が尋ねてもハニーは教えなかったのだろう?
俺様が教えてやろうか?
ミルクちゃん
へぇ?
ムシューはわかったの?
富樫クンも忘れてたのに?
富樫はその声を聞いて青ざめた。
ミルクちゃんをお見舞いしている時に、「ハニーちゃんの言ってた『アレ』って、なんだったんですか?」と尋ねられている。
富樫は酒のために忘れていたが、もし覚えていれば消されたかもしれない。
天野勇二
俺様はすぐわかった。
だがな、言わないよ。
お前はその疑問を一生抱け。
ミルクちゃんは心底嫌そうに顔を歪めた。
ミルクちゃん
キミは性格が悪いね。
でも『アレ』がなんだろうと関係ない。
ハニーちゃんは変死したからね。
さて、ボクが殺したっていう『証拠』がどこにあるのさ?
どこにもないよね?
今言ったことは全てキミの妄想にすぎない。
天野勇二
ああ、お前はマデューと役割を分けることによって、証拠を完璧に
だがな、お前はハニー殺害時に『致命的なミス』を犯したんだ。
ミルクちゃん
それも妄想かな?
どこにミスがあったのさ?
天野は指を「パチリ」と鳴らした。
天野勇二
お前が頭を打ちつけた『凶器』だよ。
あの時、お前は『凶器』になるものを持っていなかった。
だから歩道橋にあった『金属製の手すり』を使ったんだ。
そいつを超高感度試薬を使って調べれば、拭き取った
つまり現場にはお前の『自作自演』の証拠が残っているのさ。
ミルクちゃんは薄ら笑いを浮かべた。
ミルクちゃん
それじゃ弱いね。
ハニーちゃんは『変死』だ。
警察は捜査なんかしてないよ?
天野勇二
そうだ。
俺様では警察を動かすことができない。
民間
だから、お前をここに誘き寄せたのさ。
ニタニタと不敵な笑みを浮かべる。
天野勇二
お前は何かの『小包』を持ってきたな。
その中身はなんだ?
病院を爆破したものか?
それとも薬品か?
毒ガスでも散布するのか?
中身は知らないが、警察にお前の身柄ごと持って行けば、お前の身辺をこれ以上ないほど洗うだろう。
お前の家、もしくはマデューの家から証拠になるべきものが山ほど見つかるさ。
ミルクちゃんは嫌そうに吐き捨てた。
ミルクちゃん
レディの部屋を漁るなんて品のない趣味だね。
それでボクの事件を再捜査させるつもりなのか……。
天野勇二
そうだ。
あとは論理的に事件を解いていくだけだ。
お前は『殺し屋』である。
殴られた事件は自作自演であり、証拠は現場に残っている。
俺たちが見た時、すでにハニーは意識が
つまり誰かが飲ませた。
そうなると全ての論理が帰納し、
『殺し屋であるお前がハニーにドラッグを飲ませた』
という結論が導かれるのさ。
『アルカナ』ではなく、論理が真実まで導いてくれるんだ。
ミルクちゃんが舌打ちする。
ミルクちゃん
チッ……。
キミはホントに性格が悪いよ。
だから富樫クンを遠ざけたんだね。
ボクの動きを封じ、逃げ道を塞ぐために。
富樫は震えながらミルクちゃんを見ている。
もう富樫の頭は真っ白だ。
天野勇二
その通りだ。
お前が仕掛けたくてしょうがなかった『ターゲットと相棒を分散させるトラップ』だよ。
俺様にとって最大の懸念は、富樫がお前と『共犯関係』にあることだった。
お前は富樫を
次の『相棒』として、マデューのように操るつもりだったのだろう?
ミルクちゃんはどんより曇った瞳で富樫を見つめた。
害虫でも見るかのようだ。
そこに、好意を寄せてくれた面影はない。
ミルクちゃん
富樫クンね……。
ちょっと時間が足りなかったな。
キミもボクのパートナーにしてあげようと思ったのに。
天野勇二
富樫という『新しい駒』はなかなか優秀だ。
マデューの必要価値は消えた。
そして、制裁してやったのだろう?
マデューは前島を処分できない。
全てのトラップは空回り。
決定的だったのが『ハニー殺害の失敗』だ。
ミルクちゃんは冷たい目で天野を睨みつけた。
天野はその視線が可笑しくてたまらないといったように笑った。
天野勇二
お前はハニーの息がある時点で青ざめただろう。
ハニーが生きている。
マデューがしくじった。
ハニーは絶対に殺さなければならない。
マデューの『アレ』を知っているばかりか、マデューに拉致られたという『事件性』を供述してしまう存在だからな。
ミルクちゃんは「ふぅ」と嫌そうに息を吐いた。
天野の言葉と態度に苛立っている。
そんな表情だ。
ミルクちゃん
マデューは首を吊ったんでしょ?
ボクには殺せやしないよ。
天野勇二
簡単なことだ。
お前が次の『アルカナの予告』として首吊り動画の撮影を提案した。
さすがのマデューも打つ手がなくなり、失敗を重ねて落ち込んだんじゃないかと思うな。
あんな危険な動画を送る必要性を感じない。
ミルクちゃん
なるほどねぇ。
つまり、責任を感じて自殺したんだ?
天野は人差し指を立て「チッチッ」と横に振った。
天野勇二
とぼけるなよ。
俺様はもう全てのアルカナを解いた。
マデューの首吊りも。
お前たちが仕掛けたトリックも。
全ての解は俺様の中にある。
ミルクちゃん
全てだって?
じゃあキミは何がわかったと言うのさ?
天野はヘラヘラと笑みを浮かべながら言った。
天野勇二
簡単な話さ。
お前らは『糸』と『タロット』を使ったんだよ。
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『ムシュー』をコンパで出した時はかなりビクビクしておりまして、どれだけコメントで突っ込まれるかドキドキだったものです(´∀`*)
天野くんが「マデューはよく『マドモワゼル』とか言うよなぁ」なんて言い出したら不自然ですからねぇ。
『アルカナ編』も残りわずか!
まだまだ見どころあります!
最後までお付き合いいただけますように!
ではでは、いつも応援やコメント、本当にありがとうございます!(´vωv`*)
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