ついに暴かれた『アルカナの黒幕』!
その正体はミルクちゃん!
皆さまの推理は当たりましたでしょうか!?
ついに『アルカナ編』も最終章に突入です!!!!!
画面では午後のワイドショーが流れている。
まだ自分の『
前島としては気軽な外出ができないが、貴重なオフの時間だ。
しかし満喫する気分にはなれない。
穴を空けてしまった仕事のことを申し訳なく思っていた。
前島悠子
……あれ?
フロントからお電話です。
部屋の電話機が前島を呼んでいる。
受話器を取ると、ホテルスタッフが前島に告げた。
ホテルスタッフ
フロントでございます。
前島様宛にお荷物が届いております。
宅配業者が受け取りのサインを頂きたいと言っているのですが、お時間ございますでしょうか?
前島はピシャリと断った。
前島悠子
お荷物の受付は承っておりません。
帰ってもらってください。
ホテルスタッフ
かしこまりました。
そのようにお伝えします。
受話器を置くと、またすぐに電話が鳴った。
前島悠子
もうなんですか。
うるさいですね。
ホテルスタッフ
申し訳ございません。
フロントでございます。
なんでも天野様という方からのお荷物で、必ず渡すように強く言われているらしいのですが……。
前島は驚いて受話器を持ち直した。
前島悠子
し、師匠からのお荷物?
送り主の正確なフルネームを教えてください!
ホテルスタッフ
えーと……。
天野勇二様からのお荷物ですね。
前島悠子
それであれば部屋に通してください。
お願いします。
ホテルスタッフ
はい、かしこまりました。
電話を切って待っていると、扉がコンコンとノックされた。
前島がカードキーを使って扉を開ける。
廊下には
前島に小包を差し出した。
配達人
郵便局です。
お荷物の受け取りとサインを頂けますか?
前島悠子
はいはい。
ちょっとアレですので、中に入っていただけますか?
配達人
はい。
かしこまりました。
配達人は四方20センチほどの小包を部屋に置いた。
かなり重そうな小包だ。
分厚い軍手をしたまま、前島に受け取りのサインを求める。
配達人
こちらにサインをお願いします。
前島悠子
はいはい。
まえしま、っと。
配達人
ありがとうございます。
では失礼いたします。
配達人はすぐに立ち去ろうとしたが、なぜか扉が開かない。
押したり引いたりしてみるが開かない。
首を傾げていると、背後から1人の男が声をかけた。
天野勇二
それ、開かないだろ。
勝手に鍵をいじらせてもらってな。
外からでも中からでも、カードキーを使わないと開かないんだよ。
配達人はその男の声に震え上がった。
なぜだ。
なぜ、この男がここにいる。
天野勇二
前島よ。
小包を貸せ。
前島悠子
はい師匠。
お願いします。
天野勇二
涼太、トランクを開けろ。
佐伯涼太
はいはい。
準備できてるよ。
天野勇二
じゃあ、そのままバスタブに沈めてしまえ。
佐伯涼太
ほいほーい。
配達人は震えたまま振り返ろうとしない。
天野はからかうように声をかけた。
天野勇二
どうした?
そんな深いキャップを取って、こっちを向けよ。
最後まで前島の
なぜだ。
なぜ、ここにいるんだ。
配達人の頭が疑問で埋め尽くされる。
そして、次の言葉で、天野にハメられたことを悟った。
天野勇二
ほら富樫。
あれが『アルカナの黒幕』だ。
俺様の言った通りだろう?
富樫和親
そ、そんな……!
そんなことって、あるんですか……!
配達人は思わず振り返った。
そこには不敵な笑みを浮かべる天野。
挑発的に見下す涼太。
怒りに燃えている前島。
そして、あちこちに殴られた跡の残る、富樫の姿があった。
天野勇二
クックックッ……!
ようやくハメてやったぜ。
最悪の殺人鬼、『アルカナの黒幕』さんよ。
これまでお前には散々やられてきたが、ついにお前はネズミ取りの
お前は脳がスポンジのように醜いネズミだ。
そしてここで、俺様に潰される。
配達人は堅く口唇を閉じている。
何も喋ろうとしない。
天野勇二
あっはっはっ。
マデューはうるさいぐらいのお喋りだったのに、お前は
対照的なコンビだ。
まずは礼を述べよう。
天野は楽しそうに語りはじめた。
天野勇二
最後まで強情に前島の殺害を狙ってくれて感謝する。
お前が『殺しを止めること』が心配だったんだ。
どうしても、俺様に「一撃喰らわせてやりたい」と思ったのだろう?
お前は俺の絶望する顔が見たかった。
それを実現させるには『前島の殺害』が一番効果的だ。
だが、その
配達人は何も答えない。
顔には一切の感情が浮かんでいない。
天野はその無表情に言葉を叩きつけた。
天野勇二
そして、よくこの場所を突き止めてくれた。
パスポートを偽造し海外へ飛び立つことは困難だし、前島がフランスに飛んだ記録も見つからなかっただろう?
しかも俺様はこう言っていた。
『フランスのホテル』に逃亡させたと。
さらに国外逃亡させてないことも匂わせた。
それだけでこの部屋を突き止めるとは、さすが『アルカナの導き』は違うな。
天野は懐からメスを取り出した。
いつでも戦闘に入れるように構える。
天野勇二
お前は『フランスのホテル』という手がかりと、前島らしき人間が宿泊したホテルがないか、必死に探したはずだ。
富樫を連行したのは昨日。
翌日にこの部屋へたどり着くとは本当に優秀だよ。
お前はフランスを母体にした最大のホテルグループ、『アコーズグループ』だと見抜き、
だが、その『アルカナの導き』の先には、俺たちが待っていたというワケさ。
まだ配達人はキャップを取ろうとも、動こうともしない。
天野勇二
お前にはヒントが少ない方がいいだろうと思ったのさ。
裏の裏のそのまた裏をかいてくるからな。
下手に情報を与えれば疑われる。
あれだけが適量だったんだ。
それにお前が直接出向くことも予測していた。
足がつくのを恐れるお前は宅配便を使わない。
ただの宅配業者であれば、確実に部屋へ届ける可能性も低い。
そこまで読みが当たって良かったよ。
配達人は静かに口唇を歪めた。
キャップを取り、床に投げ捨てる。
頭にかぶっていた長いウィッグも同じように投げ捨てる。
ベリーショートの短髪女性が現れた。
???
……ムシュー。
大したものだね。
キミは本当にやってくれるね。
涼太も前島も富樫も、その喋り方を聞き
天野は薄い笑みを浮かべて言った。
天野勇二
そうだろう?
お前を
見事なものだろう。
???
まったくだね。
なぜかな?
なぜボクだと気づいたのかな?
天野は苦笑しながら口を開いた。
天野勇二
お前への疑念は3点あった。
まずは寺嶋からの情報だ。
マデューは秋葉原のあの『メイド喫茶』にしか出没しない。
なぜか殺しの取引は『メイド喫茶』で行う。
おまけにメイドの1人が狙われ、マデュー自身もメイド喫茶の『密室』で殺された。
マデューの裏に『黒幕』がいるのであれば、まずはあのメイド喫茶の住民が怪しい。
合鍵さえあれば『密室殺人』なんて簡単に作れるからな。
これが1点目の疑念だ。
天野は『
天野勇二
そして2点目。
これが決定打になった。
マデューが残した『ダイイング・メッセージ』だ。
お前もタロットに詳しいはずだ。
このアルカナが持つ『真の意味』をお前は理解していた。
だからこそ回収しなければならなかった。
だが、それもマデューの計算の内だった。
自らの首筋を指さす。
天野勇二
アイツは首と縄の間に『女帝の欠片』を隠していたんだ。
例えお前がタロットを回収しても、手がかりが残るようにな。
配達人は残念そうに言った。
???
まさか、そんなところに隠していたとはね……。
さすがに見落としたよ。
でもなぜ、そのカードでボクが怪しいって気づいたの?
天野勇二
決まっているだろう?
『女帝』の持つ、もうひとつの意味だよ。
???
へぇ?
『女帝』は富樫クンじゃないんだ?
どんな意味なのかな?
天野は指を3本立てた。
天野勇二
数字の『3』だよ。
タロットは位置や占う手段によって、その言葉も意味合いもガラっと変わる。
マデューはそのことをよく理解していた。
だからこそ絶対的に変わらないメッセージを残した。
それぞれのアルカナが持っている『ナンバー』だ。
『女帝』のカードをぐしゃりと握りつぶし、配達人を睨みつける。
天野勇二
22枚の『大アルカナ』には全てナンバーが振られている。
『
『
そして『
では、『3』とはなんだろう?
配達人は呆れたように微笑んだ。
???
フフッ……。
何それ?
そんな数字がボクのことを示すの?
天野勇二
そうだ。
お前も『女帝』が自分を示すことを察した。
だから『女帝の破片』を回収した。
マデューが『ダイイング・メッセージ』を残す相手は、お前のことを追っている人物。
つまり俺様だ。
俺様とマデューが共有している知識で、メイド喫茶に関わるもの。
それはひとつしかない。
配達人の顔を指さす。
天野勇二
メイド喫茶のメイドたちは、それぞれが
『No.3』は誰だ?
天野は不敵な笑みを浮かべ、その人物の名を告げた。
天野勇二
ミルクよ。
お前だ。
お前が『
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ついに暴かれた『アルカナの黒幕』!
その正体はミルクちゃん!
皆さまの推理は当たりましたでしょうか!?
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