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猫のよだれの原因とは?考えられる病気と対処法

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よだれが多い | 口・歯の症状

猫のよだれ

猫のよだれの原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
また、よだれの原因として考えられる病気や対処法について見てみましょう。

猫がよだれを垂らしている姿というのは、あまりみかけないのではないでしょうか。食事を食べる準備として唾液の分泌は増えますが、犬のようによだれを垂らすことはありません。猫がよだれを垂らしている場合、さまざまな病気が考えられます。なぜか、よだれがよくでるというときは、受診し検査してもらうと安心です。

猫のよだれの原因はなに?

食事の準備
空腹時に、食事の準備(消化の準備)として唾液の分泌が増えます。

刺激物の摂取
洗剤などの刺激物を舐めたり、薬などの苦いものを飲ませた後などによだれが増えることがあります。口の中の苦味や刺激を和らげようとして、よだれの分泌が増えているだけなので心配はいりません。水を飲ませたり、フードを与えたりすることで落ち着くでしょう。洗剤などを飲んでしまったときは、早急に受診しましょう。

猫のよだれ

猫のよだれの原因として考えられる病気ってあるの?

以下の病気などにより、よだれが生じることがあります。

歯肉炎
歯茎が赤く腫れる、歯茎に炎症がある、などの症状があります。 歯垢の中の細菌が原因となり炎症を起こすところは歯周病と同じですが、病巣が歯肉までのものを歯肉炎といいます。

歯周病
歯肉だけではなく、歯や歯の周囲にある靭帯、歯を支える骨にまで炎症が起こることがある病気で、よだれ、口臭がきつくなる、といった症状がみられます。3歳以上の猫の多くが歯周病を発症していると考えられています。

口内炎
舌、歯茎といった口腔内の粘膜に腫れや炎症が起こって、出血、よだれ、口臭がひどくなる、などの症状がみられます。口腔内がただれたり、潰瘍ができたりすることで痛みが出るため、食事をしづらくなり、体重減少がみられることも多く、重度の場合は、水を飲むことが困難になるおそれもあります。

口腔内腫瘍
良性腫瘍、悪性腫瘍ともに発生します。口臭がきつくなる、よだれが多い、口から出血する、といった症状がみられます。
悪性腫瘍には、メラノーマ、扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)、線維肉腫などがあります。

唾液腺疾患
唾液腺炎、唾液腺嚢腫(ガマ腫)によって、唾液の分泌異常が起こります。
症状が悪化すると、食欲低下などの症状がみられ体調が悪化していきます。

食道疾患
食道内異物、食道の腫瘍、食道炎、巨大食道症などによって、食道の粘膜が刺激されることで、よだれが増えることがあります。

消化管疾患
胃拡張、胃捻転などを起こすと、吐きたくても吐けないため、よだれが大量に出ることがあります。

てんかん
脳の構造そのものは正常で、機能にのみ異常が起こる病気です。突然脳に嵐が起こる、と表現されることもあります。
体が硬直する、四肢をバタバタさせる、顎をかみしめる、よだれがたくさん出る、などの発作がみられます。また、あくびを繰り返すなどの小さな発作、発作を起こしているときに、排尿や排便をする、大きな声で鳴く、などといった症状がみられることもあります。

脳神経異常
脳神経の異常により、顔に麻痺が起こったり、嚥下(口の中の食物を胃に飲みくだすこと)ができなくなったりすると、よだれを垂れ流します。

腎機能不全
急性腎臓病、慢性腎臓病などにより、腎臓の機能障害が起こった場合、尿として排泄されるはずの毒素が、正常に排出できなくなって体内にたまり、吐き気が生じて、よだれがでることがあります。

肝機能不全
急性肝臓病、慢性肝臓病、門脈シャントなどにより、肝臓の機能障害が起こった場合、代謝されるはずの毒素が体内にたまり、神経症状として、よだれがでることがあります。

吐き気
吐き気があると、よだれが増えます。吐き気を起こす病気は消化器疾患以外にも、前庭疾患なども挙げられます。

中毒
自然毒、薬品、細菌の毒素などの影響により、急性中毒や慢性中毒を起こします。中毒物質により起こる症状は、嘔吐や下痢などの消化器症状、ふらつきや流涎などの神経症状、腎臓障害、肝臓障害、貧血、呼吸困難など、さまざまです。

火傷
電気コードをかじるなどして口腔内を火傷することがあります。

どう対処すればいいの?

口腔内などの観察
よだれが出る原因としては、口腔内の疾患、唾液腺の疾患、代謝異常によるもの(肝機能不全や腎機能不全など)、神経疾患など、多くの病気が考えられます。まずは、口腔内を観察し、口の中に痛みの原因となるようなものがないかをチェックしましょう。口の中にとくに異常がみられない場合は別の病気が考えられます。吐き気や食欲不振がないか、顔の表情がいつもと異なっていないか、なにか毒物を誤飲するような機会はなかったかなど、よく観察をしてください。

病院での検査
よだれをふき取ってもすぐにまた垂れてくるであれば、あきらかによだれが出すぎです。
なんらかの病気の可能性があるので、受診して原因を特定し、治療するようにしましょう。

執筆者プロフィール
三宅 亜希(みやけ あき)
三宅 亜希(みやけ あき) 獣医師 獣医師/電話どうぶつ病院Anicli24 院長
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