天才クソ野郎の事件簿24 -TWENTY FOUR-

第7話「天野くんのクリスマスイブ 6:00～7:00」

12月24日 6:00～7:00

　12月24日。クリスマスイブ。

　早朝6時。

　その時、前島はマネージャーである川口に叩き起こされていた。

　急いでメイクを落とし、シャワーを浴びる。

　その間に川口が着替えを準備。

　多忙なアイドルである前島にとって、よくある光景だ。

　ぺちょん、と前島の顔にパックを投げつける。

　前島はしぶしぶパックを貼り、テレビをつけた。

　 朝の情報番組「めざましいテレビ」が、今日も「目覚ましく移り変わる天気予報」を放送している。

　お天気お姉さんのマイクは目覚ましいほどフワフワだ。

　天気予報が終わると、本日の「目覚ましいイベント情報」を映し始めた。

　本日、お台場にて『クリスマスファンタジー・ミュージックフェア』という歌番組が放送される。

　17時から20時までの3時間生放送。

　19時からはお台場の公園である『ウエストプロムナード』に設置された特製クリスマスツリーを用いて、一夜限りのイルミネーションライブも行われるのだ。

　最新のプロジェクションマッピングも駆使され、お台場全体は音楽に合わせてイルミネーションが輝くことになる。

　とんでもなく大掛かりなイベントだ。

　前島はこのイベントに出演するため、朝からリハーサルと打ち合わせでてんてこ舞いになる予定なのだ。

　胸を張ってみせる。

　川口は感心した。

　前島はパックをペリペリ剥がし、高らかに叫んだ。

　前島はやる気十分だ。

　川口は「その『流星クソ女』って何かしら？」と思いながらも言った。

　前島は元気よく家を飛び出して行った。