キザよのぅ…( ゚д゚)
天才クソ野郎の事件簿24 -TWENTY FOUR-
第5話「天野くんのクリスマスイブ 4:00~5:00」
12月24日 4:00~5:00
12月24日。クリスマスイブ。
夜明け前の4時。
天野勇二
女子供から恐喝しやがるとは……。
人間のクズめが。
この俺様がお仕置きしてやろうじゃねぇか……!
天野は殺気をゆらりとまとっている。
鬼のような形相だ。
野太い声の男が悲鳴をあげた。
野太い声の男
……な、なんだよお前は!?
お前には関係ないだろ!
天野勇二
関係ない?
それがどうした?
関係がないと何か困ることでもあるのか?
野太い声の男
あ、あるに決まってんだろ!
天野勇二
ほう、ならば何が困るんだ。
この俺様が聞いてやろうじゃないか。
野太い声の男
うるせぇ!
すっこんでろ!
野太い声の男は大声で叫ぶと、刃渡り8センチほどの刃物を取り出した。
銀色の輝きを天野に向ける。
天野はそんな物が見えないかのように近づいていく。
野太い声の男
く、く、来るなぁ!
男が叫んだ瞬間、天野の身体が跳ねた。
高く右足が上がり、男が持っていた刃物を蹴り上げる。
一気に間合いを詰め、まず股間への前蹴り。
顎先への
もう一度、頬への
よろける男の頭を両腕で掴むと、鼻筋へ膝蹴りを叩き込んだ。
野太い声の男
がはっ!!
鼻血を吹き出しながら男が倒れる。
天野勇二
……チッ、雑魚めが。
俺様は柔術、空手、骨法、合気を習得した
そんな相手に刃物を出しやがって。
あとで警察を呼んでやる。
それまで寝ていろ。
天野はトドメに
天野勇二
大丈夫か?
恐喝されていた少女に近づく。
中学生ぐらいの娘だ。
胸に『プリっち』を握りしめ、ガタガタと震えながら天野を見上げている。
天野勇二
こんな遅い時間まで出歩くんじゃない。
そんな目立つものを持っていれば尚更危険だ。
早く家に帰れ。
少女はガタガタ震えながらも、静かに首を横に振った。
少女
い、いやです……。
天野勇二
……嫌だと?
この俺様が帰れと言っているのに、拒否しやがるのか?
天野の殺気がまた濃くなる。
哀れな少女の全身には恐怖が満ちていたが、それでも声を振り絞った。
少女
お、お、お兄ちゃんが熱を出しちゃったんです……。
風邪薬や、冷やすものを、買わないと……。
天野勇二
……それでここまで、1人で来ていたというのか?
兄想いの少女
は、はい……。
天野勇二
親はどうした?
兄想いの少女
お父さんも、お母さんも、出張でいなんです……。
天野は「フッ」と小さく笑うと、少女に手を差し伸べた。
天野勇二
立派な娘じゃないか。
いいだろう。
この俺様は医学生だ。
薬などを選ぶのを手伝ってやろう。
兄想いの少女
え、えぇ……?
少女は困惑しながら天野を見つめた。
確かに恐喝されたところを救ってもらった恩人。
しかし、どちらかといえば、天野のほうが怖い。
ガラも悪く、常人を秒殺し、殺戮兵器だと自称するような男だ。
これが「ロリコン」の変質者だったら最悪。
いくら何でも怖すぎる。
天野勇二
遠慮することはない。
行くぞ。
兄想いの少女
あ、いや、その……。
困惑する少女の手を無理やり引き、天野は店内へと向かった。
自らカゴを持ち、「この薬はダメ」だの、「ヨーグルトを買え」だの、「もっと栄養のつくものを食べさせろ」と告げる。
終いには会計を全て支払ってしまった。
兄想いの少女
あの、そんなに買ってもらっては、申し訳ないんですけど……。
少女はとても恐縮していた。
それも当然だろう。
見ず知らずの大人に親切にされるのも、それはそれで怖い。
天野は軽やかに笑った。
天野勇二
気にすることはない。
俺にも 『妹』がいてな。
君のような兄想いの妹を見ると黙ってはおけないんだ。
兄想いの少女
妹さんですか……。
天野勇二
ああ、 『2人』いるんだ。
片方が君と同じぐらいの年なのさ。
少女はほっと胸を撫で下ろした。
どうやらロリコンの変態などではないようだ。
ちょっと危険な香りのするイケメンの良い人だ、と安堵していた。
買い物が終わり、大きなカゴを持ちながら少女は頭を下げた。
兄想いの少女
本当にありがとうございました。
あの、せめて、お名前だけでも……。
天野勇二
別に名乗るほどの者ではないさ。
指先を軽く振ると、天野は
天野勇二
気をつけて帰れよ。
じゃあな。
天野は軽やかに去った。
名も知らぬ少女の心に、はつ恋という名の季節を残して。
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