天野先生!!!
私みたいな凡人には『誘拐』と『デート』の違いがよくわかりません( ゚д゚)
さてさて、本日は『カボ!大魔王への道』の「秋ヒロト先生」に天クソを描いていただきましたぁーーヽ(*´∀`*)ノ.+゚
素敵なイラストを本当にありがとうございます!
天野くんカボ軍団にスカウトされてるといいな!ヽ(*´∀`*)ノ.+゚
天才クソ野郎の事件簿 -特別編-
『彼女を上手に誘拐する方法』
第4話 「天野くんとメイ」
みかん色の空が眩しい夕暮れ時。
メイは近所の児童公園にいた。
ブランコに腰掛け、しょんぼりと地面を見下ろしている。
天野勇二
(あんなところにいやがった……。)
天野は静かに背後から近づき、声をかけた。
天野勇二
……どうした?
まだブランコを1人で漕げないのか?
ビクッ、とメイの肩が震える。
天野勇二
それとも足下にいるアリを踏み潰しているのか?
そんな遊びは感心しないと、叱ってやったはずだぞ。
メイはぶんぶんと首を横に振り、天野の顔を見上げた。
メイ
……パパァ……。
頬が赤くなる。
じわっと、涙も溢れた。
天野勇二
何だよ……。
いきなり泣くやつがあるか。
メイ
だって、だって……。
メイは真っ赤な顔で俯き、悲しげに呟いた。
メイ
パパ……。
怒ってるでしょ?
天野勇二
なぜ俺様が怒るんだ?
メイ
誘拐してって、ワガママ言ったし……。
天野勇二
あの程度のワガママでは怒らないさ。
もう慣れたよ。
メイ
でも、でも……。
メイは袖口でごしごしと瞳をこすり、
メイ
あたし、パパに『死んじゃえ』って言ったから……。
パパにひどいこと言った……。
パパはいつも、冗談でもそんなこと言っちゃいけないって、言ってたし……。
天野は苦笑しながらメイの前にしゃがんだ。
同じ高さで、じっとメイの瞳を見つめる。
天野勇二
そうか……。
俺も言い過ぎた。
メイの話も聞かずに突き放してしまった。
悪いことをしたな。
許してくれ。
メイはこくんと頷いた。
天野勇二
誘拐してほしい、と言っていたな。
なぜそんなことを願うんだ?
メイは瞳を拭いながら黙りこんだ。
天野はじっと待った。
みかん色の夕焼けが2人を包む。
やがてメイは静かに口を開いた。
メイ
……パパはさぁ、ずっと、あたしのパパでいてくれる……?
天野勇二
ずっと?
それはどういう意味だ?
メイ
ずっとだよ。
あたしが大きくなっても、パパにはパパでいてほしいよ。
天野は辛そうに口唇を噛み締めた。
天野勇二
……何度も言うが、俺はメイの『パパ』ではない。
メイの『
メイには本当のパパがいる。
メイ
だって、本当のパパは帰ってきてくれないじゃん……。
あたしと遊んでくれない。
本当のパパは、あたしなんてどうでもいいんだ……。
そんなパパだったらいらないよ……。
またメイはポロポロと涙をこぼした。
天野は小さく息を吐いた。
天野勇二
(メイがそう思うのも、当然だろう……)
メイの父親。
そして天野の兄である勇一は、メイが幼い頃に心を喪失してしまい、今も入院生活を送っている。
それからメイは母親の手ひとつで育てられた。
天野は叔父として、そして慕っていた兄の親代わりとして、メイの面倒を見ることが多かった。
メイが天野を『パパ』と呼ぶのも、そんな背景があるからだ。
天野はメイの肩に手を置き、真正面から言葉をかけた。
天野勇二
いいかメイ。
君のお父さんは、いつか必ず良くなる。
俺は今だってそう信じている。
お父さんは『心の風邪』をひいているだけなんだ。
いつかお父さんが帰ってきた時、あれだけ立派な父親の娘で幸せだったと、胸を張れるはずさ。
力強く言葉をかける。
メイは顔を落として黙りこんだ。
メイ
……でもさぁ、ママは、本当のパパのことを、もう待たないんだって……。
メイの瞳から涙がこぼれ続ける。
天野はハンカチで目元を拭きながら尋ねた。
天野勇二
……ママがそう言ったのかい?
メイ
うん……。
なんかね、『ケッコンして欲しい』っていう人がいるんだって。
とてもいい人なんだって。
ママはそれも悪くないかもって、言ってたの……。
天野勇二
そうか……。
天野はため息を吐いた。
天野勇二
ママは本気で結婚するつもりなのかい?
メイはふるふると首を横に振った。
メイ
しないんだって……。
メイがいるから、ケッコンしないって……。
大変だけど、あたしと頑張るんだって、言ってくれたよ……。
メイは真っ赤な瞳で天野を見つめた。
小さく潤んだ瞳に、ほのかな「怒りの炎」がゆらめいている。
メイ
それってさ、おかしいよね……?
あたし、おかしいと思う。
パパはおかしいって、思わない……?
天野はじっとメイの瞳を見つめ、その奥底にある感情を察した。
小さく頷く。
天野勇二
……おかしいな。
メイの言う通りだ。
メイ
やっぱり?
パパもそう思う?
天野勇二
ああ、まったくそういうことか……。
天野は静かに立ち上がると、パチリと指を鳴らし、
大げさなジェスチャーだ。
まるで壮大なオーケストラを率いる指揮者のようだ。
指先がみかん色の空気を切り裂く。
天野勇二
いいだろう。
メイよ。
お前の依頼、この俺様が受けた。
メイは嬉しそうに顔を綻ばせた。
メイ
ほんとに?
パパはあたしを誘拐してくれるの?
天野は「チッチッ……」と呟き、嫌みったらしく人差し指を振る。
そして、何とも偉そうに言葉を紡いだ。
天野勇二
俺様は誘拐なんてドロ臭いことはしない。
それに、叔父が姪っ子を誘拐したらおかしいだろう?
俺様がするのは姪っ子との
(明日へ続く)
「天クソ祭り」特別企画!
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金曜連載 『カボ!大魔王への道』の「秋ヒロト先生」に描いていただきました!
素敵なイラストありがとうございます!
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そして明日は、 『なりきりの化学』『みかどとまつり』の「サクラギンガ先生」のイラストが登場します!
お楽しみに!ヽ(*´∀`*)ノ.+゚
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私みたいな凡人には『誘拐』と『デート』の違いがよくわかりません( ゚д゚)
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