決着!!!!
残り2話です!!!
ほんと作コメ書く時間がなくてすみません!!!
前島は『手錠』を投げ捨てると、慌てて胡桃のもとへ走った。
前島悠子
胡桃ちゃん!?
大丈夫!?
天野胡桃
ゆ、悠子ちゃん……。
ごめんなさい。
私のせいで……。
前島は青ざめながら胡桃の指先を見つめた。
真っ赤にただれている。
『小瓶』の中身がかかってしまったのだろう。
助けを求めるように天野を見つめるが、
望月蒼真
勇二ィ……。
君は学習しないな。
僕に敗北したことを忘れたのか?
天野はすでに望月との戦闘に入っていた。
激しい掌打の応酬。
下段蹴りの打ち合い。
望月は天野の懐に飛び込み、得意の投げ技を狙っている。
天野は冷静に距離を離し、望月との組み合いを避け続ける。
徹底したヒットアンドアウェイだ。
近づけば前蹴りで引き離し、襟元を掴まれれば指を狙う。
望月蒼真
……ふぅん。
今日は落ち着いているね。
しかも大切な妹に『小瓶』を持たせて特攻させるとは……。
望月は顔を歪めながら右腕を見つめた。
衣服の上からかけられた劇薬。
地肌を直撃していないとはいえ、激痛を与えるには十分だ。
右腕が思うように上がらない。
天野勇二
ああ、驚いただろう?
胡桃が志願したんだよ。
お前に一太刀食らわせてやりたいとな。
望月蒼真
胡桃が?
僕を傷つけたい……。
そんなことを主張したのか?
天野勇二
そうだ。
それだけお前を憎んでいるのさ。
望月蒼真
ありえない。
君は胡桃をたぶらかしたな。
胡桃がそんなことをするはずがない。
望月が苛立ちながら飛びかかり、左フックを放つ。
その瞬間、天野の身体が「ぐにゃり」と左側に沈み込んだ。
代わりに右足を高く振り上げる。
軌道を変化させながら落とすブラジリアンハイキックだ。
望月蒼真
クッ……!
そんな大技が当たるか!
望月が懸命に左腕で弾き返す。
天野はそれを確認すると、軽くしゃがみながら足を踏み出し、背中をブチ当てるように飛び込んだ。
中国拳法のひとつ、
望月は倒れはしなかったが、体制を大きく崩した。
天野はその隙を逃さない。
望月蒼真
ぐああああッ!
望月の右腕に、天野の強烈なミドルキックが突き刺さった。
天野は悪い笑みを浮かべると、
天野勇二
どうした望月?
具合でも悪いのか?
顔色が悪いぜ。
俺様の格闘スタイルを研究していたようだが……。
見慣れない技には対応できないようだな。
素早くその場にしゃがみこみ、望月のスネを狙った水面蹴りを放った。
踵が的確に向こう
さらに背を向けたまま足を振り上げ、股間を狙った海老蹴りを放った。
望月蒼真
くそっ……!
トリッキーな技ばかりを……!
望月は痛みを堪えながら飛びかかった。
組技や絞め技であれば、こちらに分がある。
しかしそれも「右腕が万全の状態であれば」の話だ。
必殺のスリーパーに持ち込もうとしても、右腕を掴まれてしまえば終わり。
天野は呆れたように言った。
天野勇二
もう諦めたらどうだ?
早く服を脱ぎ、右腕を洗い流せ。
後遺症が残るぞ。
望月蒼真
黙れッ!
卑怯な男め……!
僕を正攻法で倒したいとは思わないのか!?
天野勇二
思うワケがないさ。
喧嘩にルールなんか存在しねぇよ。
それにな、卑怯は『天才クソ野郎』の褒め言葉なんだよ。
再び天野の身体が「ぐにゃり」と左側に沈み込んだ。
またブラジリアンハイキックが飛んでくる。
望月は慌ててガードを上げたが、それは囮だった。
天野の足は振り上がらず、望月の左膝をサイドキックで踏み潰した。
望月蒼真
ぐぅゥッ!?
骨の折れる嫌な音が響いた。
左脚に力が入らず、望月がその場に崩れ落ちる。
天野は軽く息を吐いて言った。
天野勇二
これで決まりだな。
右腕は再起不能。
左脚は使えない。
呆気ないものだ。
これが俺様が追い続けた『宿敵』こと、望月創真の最期……。
軽く首を横に振る。
天野勇二
……いや、違ったな。
お前は『望月創真』じゃなかった。
初めから俺は『望月創真』という人物を、追ってなんかいなかったんだ。
望月が訝しげに天野を見上げる。
望月蒼真
……なんだと?
何を言っている……?
天野勇二
言葉通りの意味だよ。
俺様が追っていたのは『K』だ。
正しい名前は『
それが俺様が叩き潰すべき相手の名前だったんだ。
望月蒼真
…………!
望月の顔色が変わった。
唇を歪め、瞳を釣り上げ、憎しみを全開にした表情を浮かべている。
望月蒼真
……勇二。
お前、なぜそれを知った。
天野勇二
俺様のチームには優秀なハッカーがいてな。
お前も痕跡は消していたはず。
それでも暴かれてしまうのさ。
懐からタバコを取り出し、ゆっくり火をつける。
遠くでパトカーのサイレンが鳴り響いている。
恐らく川口が通報したのだろう。
天野は煙を望月の顔に吹きかけながら言った。
天野勇二
お前は過酷な少年時代を過ごしたようだな。
『淫売』の息子として産み落とされ、想像を絶するほどの性的虐待を受け、最終的には捨てられた。
自我が歪むのも当然だよ。
今も『不能』なのか?
どれだけ治療しても無駄だったのか?
望月蒼真
勇二……!
やめろ!
それ以上喋ればお前を殺すぞ!
天野勇二
なるほど。
その反応で理解できた。
さすがに同情するな。
自我が歪むのも当然だ。
ほとんどの『サイコパス』は狂った家庭環境から生まれる。
お前も例外ではなかったのか。
望月蒼真
やめるんだ!
やめろ!
天野勇二
『実の母親』はどこに隠した?
山に埋めたのか?
それとも海に沈めたのか?
『神埼』で再会した時は嬉しかっただろう。
積年の恨みを晴らすことができたのだからな。
望月蒼真
やめろ……!
もうやめろォォッ!
天野勇二
それでもお前はなぜか『K』というイニシャルにこだわった。
自らのルーツが「望月」ではなく「工藤」にあると感じていたんだな。
やがてお前は『優生思想』に取り憑かれた。
自分が他者とは相容れない特別な人間であり、弱者の命だって操る権利がある。
そう思わなければ生きていけなかったんだ。
他者の命を奪い、操り、コントロールすること。
それだけに性的快感を覚えているクズになっちまったのさ。
望月は青ざめながら左手を伸ばした。
その指先が天野の首を絞め上げ、殺したいと願っている。
しかし、その願いは叶わない。
天野は吐き捨てるように言った。
天野勇二
愛する胡桃に言ってやれ。
自分は『
ただのイカれたサイコパスで変態のシリアルキラー……。
凡人未満の人間の出来損ない。
それが自分の正体だとな。
望月蒼真
勇二ィィ……ッ!
望月が懸命に立ち上がった。
折れた左脚を引きずり、焼けただれた右腕をかばいながら。
最後の力を振り絞り、天野に飛びかかる。
天野勇二
クックックッ……。
悪いな望月。
いや、工藤だったか?
まぁどちらでもいい。
これで終わりだ。
俺たちに手を出したこと……。
地獄で後悔しやがれ!
タバコを投げ捨て、天野も飛びかかった。
望月蒼真
がはぁ……!
右脚を鞭のようにしならせ、望月の顔面を蹴り飛ばす。
それで全てが終わった。
昏倒して崩れ落ちる望月。
天野は新しいタバコを取り出しながら、意識を失った望月を静かに見下ろした。
前島悠子
し、師匠……!
やめてください!
もうそれでいいじゃないですか!
望月を殺す必要はないですよ!
前島が涙目で叫んだ。
天野は訝しげに振り返ると、
天野勇二
……殺す?
なぜ俺様が殺さなければならない。
前島悠子
えっ?
いや、だって……。
さっき、自分で殺すって……。
天野は大きくため息を吐いた。
呆れたように吐き捨てる。
天野勇二
あれは言葉のアヤだ。
俺様は『殺し』なんて御免だ。
そんなことより手伝え。
望月を緊急治療室に運ぶぞ。
前島悠子
あっ、はい……。
運んであげるんですか……。
天野勇二
当たり前だろ。
こいつを『ブタ箱』にブチ込むんだ。
まぁ、どこまでの罪になるのかわからんがな。
舌打ちしながら望月を担ぐ。
どんどん大きくなるサイレンの音。
それはまるで事件に終わりを告げる鐘のように、青空の彼方に鳴り響いていた。
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