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先輩の声

どんな苦労もいつか人生の糧になる。担当したCMや映画を観た時の喜びはひとしお。

髙島 歩美

業務本部複製部広告・ゲーム・映画課

2008年入社 法学部卒

世の中に不可欠で誰かがやらなければならない仕事

就職活動では、生活に不可欠な仕事を志望しており、メーカーやインフラを中心に活動していました。大学では著作権の講義を受講していましたので、JASRACのことが話題に出たりしていたこともあり、大学で学んだ著作権法を生かしてグローバルな視点で働きたいと思い、エントリーしました。採用セミナーに参加してみてまず感じたことは、先輩職員が音楽文化の発展のため、目立たないけれども縁の下の力持ちとして使命感と誇りを持って働いている!ということ。その姿に感銘を受けました。
JASRACにマイナスイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、世の中に不可欠で誰かがやらなければならない仕事ですし、何より自分も一緒に働きたいと思い、入社を決めました。

仕事も休日も全力で

入社後、九州支部に配属となり、演奏会やイベントでの音楽利用の許諾手続きや経理などの業務を担当しました。音楽ユーザーと接してまず感じたことは、自分が思った以上に著作権が一般の方に知られていない・・・ということ。なぜ著作権の手続きが必要なのか、法律用語や専門用語を使わず、一からわかりやすく説明することには苦心しました。また、私は転勤するまで九州に行ったことがなかったので、方言がわからずに苦労したことも・・・。
あるイベントの主催者の方に初めて電話で手続きのご案内を差し上げた時のこと。著作権のこともJASRACのこともご存じない方で、すぐに電話を切られてしまったんです。もう一度電話をし、JASRACはこんな会社です、著作権はこういう権利です、JASRACが管理している楽曲を利用する時には利用許諾手続きが必要なんですよ、というように、順を追って、相手にご理解いただけるよう丁寧に話すことを心がけました。実際に手続きと使用料支払いをいただくまでに、何度も電話でご説明したり、直接伺って交渉したり、数カ月はかかったでしょうか。全ての手続きが完了したときに、「来年もイベントを開催するのでそのときはまたよろしくね」とおっしゃってくださいました。一つの交渉をやり遂げた充実感で感無量でした。
交渉の経験を積むことで、相手の意見を真剣に受け止め、こちらの業務を理解していただけるまで粘り強く丁寧に説明することが一番大切だと気付きました。支部は音楽ユーザーとの距離が近く、著作権に関するいろいろな問い合わせを受けます。自分の対応次第でJASRAC全体のイメージに繋がってしまいますので、どんなお問い合わせにも丁寧にお答えし、少しでもJASRACのことを理解してもらえれば・・・という気持ちで取り組んでいました。
支部1年目は自分の担当業務だけで精一杯でしたが、担当業務以外にも支部全体の仕事を理解できるようにとの上司の計らいで、毎週業後の20~30分、上司が私の担当外業務について「ミニ講座」と称して教えてくださったり、先輩職員に同行して商業施設に交渉に行ったり、面倒見よく指導していただきました。
休日も九州での生活を満喫すべく、まずはペーパードライバー教習に通い、レンタカーを借りて支部のメンバーとドライブに出かけたり、バレーボールサークルに入って活動もしました。九州で友達もでき、あっという間に3年間が過ぎました。

難しいことはたくさんあるが喜びもひとしお

入社4年目に本部の複製部映画・CM課(現広告・ゲーム・映画課)に異動になりました。映画やCMで音楽が利用される場合のライセンスセクションで、広告代理店やCM制作会社、スポンサーなどから利用許諾申込や様々なご相談をいただいています。自分の判断が大きなプロジェクトにつながっていくため、日々、自分の回答の重さを感じさせられます。
たとえばCMで音楽を利用する場合、楽曲と商品のイメージが結びつくことになるので、音楽ユーザーはJASRACへ利用許諾申込手続をする前に、その楽曲の権利者にCMでの利用の可否を含めた確認を取っていただく必要があります。一方で、CMのために新たに楽曲が書き下ろされるケースもあります。CMでの利用は、音楽ユーザーと権利者との確認が完了していないと利用できませんので、JASRAC職員として、それぞれのご意向や考えをきちんと理解し、かつ中立的な立場で対応するよう努めています。
また、映画では邦楽・洋楽を問わずたくさんの楽曲が利用されますが、洋楽が利用される場合に、ユーザーが海外の権利者から利用許諾を受けているケースもありますので、JASRACより海外の権利者が所属する現地の著作権管理団体に問い合わせと確認をすることもあります。一曲一曲慎重に権利関係を確認しながらクリアしなければならないので責任を感じます。
広告・ゲーム・映画課での仕事は、ユーザーと権利者双方の意向をバランスを取りながら進めていかなければならず、難しいことも多いですが、担当したCMや映画を観た時の喜びはひとしおです。私は自分が担当した映画はなるべく観にいくようにしているのですが、初めて自分が関わったCMや映画を観た時の感動は今も忘れません。
最近は様々な方法で音楽が利用されていますので、アンテナを広く張り、音楽文化の発展のために尽くしていきたいです。支部での経験から、一般の方にはより一層著作権を知っていただけるよう、また、権利者の方にはご自身の大切な著作権をJASRACに預けたいと思っていただけるよう、JASRAC職員としてできることを考えていきたいです。

苦労もいつか人生の糧になる

人生遠回りだと思ったり、その時は無駄と思える時間も、いつか振り返った時にはそれが人生の糧になることが多いと思います。私は、人生において無駄なことは一つもなく、それは必ず未来に繋がっていると信じています。就職活動は辛いことも多いと思いますが、自分を見つめ直すいい機会だと捉えていただきたいです。そこで経験したこと・感じたこと・出会った人はいつか自分が社会人になった時に生きていくでしょう。それを感じたい・感じられる!と思える場所がJASRACであればうれしいです。

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